千葉県柏市のつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅から東大柏キャンパス間の一部ルートで、柏ITS推進協議会による自動運転バスの実用化に向けた実証実験が行われました。5ヶ月間という長期間の実証実験は全国初の試みです。
長期間の実証実験を行うことで、車両の状態や走行だけでなく、運行方法や使用機材の保守点検などもチェックできます。
この記事では、バスの自動運転実証実験の内容や将来の展望をご紹介します。
交差点の右左折やウインカーも自動で
自動車に条件付自動運転が実装されて久しい昨今、私たちの生活にも自動運転が身近になってきました。自動運転は、人間がどれだけ関わる必要があるかによって0から5までの6段階にレベル分けされています。現在日本では、緊急時には手動運転に切り替えられるレベル3まで公道での走行が認められています。自動運転のレベルと運転主体は次の通りです。
自動運転レベル |
名称 |
運転主体 |
レベル0 |
自動運転なし |
人 |
レベル1 |
運転支援 |
人 |
レベル2 |
部分運転自動化 |
人 |
レベル3 |
条件付き運転自動化 |
車 |
レベル4 |
高度運転自動化 |
車 |
レベル5 |
完全運転自動化 |
車 |
※参考:自動運転|JAF
そこで、この自動運転の技術がシャトルバスなどの送迎用途でも使われようとしています。今回は、レベル2(部分運転自動化)の水準で実証実験が行われました。乗務する東武バスイーストの運転手は、運転席に座ってハンドルに手を添えるものの、次のような操作は基本的に自動で行われます。
- アクセル
- ブレーキ
- ウインカー
- 右左折
実験コースには一般の歩行者が多く、複数の交差点もあります。本実験では、自動運転でどこまで歩行者や道路状況に対応可能なのか確認するのも、目的のひとつです。
将来は無人での営業運行を目指す
本実験を主催した柏ITS(高度道路交通システム)推進協議会によると、将来的には柏市内でレベル4(高度運転自動化)の自動運転によるバスの営業運行を目指しているとのこと。レベル4とは、決まったルート上であれば全ての運転を自動化できる水準です。レベル4であれば乗務員がいなくても営業運行ができるため、運転手不足の解消も期待されています。
次のステップへ繋げる実証実験
今回の実証実験では、全国初となる5ヶ月間の運行が行われました。レベル2の水準で、バスの運行だけでなく車両の状態や使用機材のメンテナンスも確認対象です。
今回の検証結果をふまえて、新たな車両の開発やさらなる実証実験も予定されています。無人での完全な自動運転実現に向けて、さらなる技術の進化が期待できそうです。
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