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2022.09.20 名古屋市でも「SRT」に向けて連節バスのテスト運行が開始

名古屋市では、都心における交通網の改善や人口増加を図るため、新たな路面公共交通システムSRT(Smart Roadway Transit)の導入を進めています。

海外では珍しくない連節バスは、一度に100人を超える乗客を乗せることができ、一般的なバスが約70人を運ぶことができるのと比較すると、そのキャパシティの違いは一目瞭然でしょう。

SRTの一環として、名古屋市内では連節バスを導入した公共交通機関のテストが9月2日3日に行われました。

連節バスとは?

連節バスとは、バス車体が2連以上につながったバスのことです。車両の全長は約18〜19mもあり、約100〜200人弱を一度に運搬することができます。

あまり見られない2連節バスですが、意外にも日本国内で使われている地域は簡単に見つけられます。

横浜市のベイサイドブルー、神奈川県内のツインライナー、博多のFukuoka BRT、名古屋から近い都市では、岐阜市の清流ライナーを知っている人も少なくないでしょう。

連節バスは全長が18m程になるため、保安基準で定められている12mを超える特殊車両であることから、国土交通省の特例措置を受け、運行することができます。

名古屋で連節バスの実装は叶うのか?

車社会であるがゆえに公共交通機関で旅行に来た県外の旅行者が名古屋の観光都市を巡りづらいという問題は、もう何年も議論されてきました。名古屋市内の人の流れをつくるために始まったSRTですが、我々市民の視点からは必ずしも歓迎されるものではないのではと考えさせられます。

名古屋市で連節バスの実装を叶えるために克服しなければならない課題は何なのか、私たちは以下の2点を考えています。

  1. 車利用者にとってさらにわかりずらい道路にならないのか
  2. 専用レーン作成による交通渋滞

車利用者にとってさらにわかりずらい道路にならないのか

全国でも名古屋にしかない基幹バスレーンは、名古屋の道路をわかりずらいとしている原因のひとつです。

さらに京都のような碁盤目状の都市ではないため、走行レーンの識別が難しいと評判です。

名古屋市のSRT構想資料内では道路中央の基幹バスレーンの記載がないため、ついに撤廃されるのでしょうか?

専用レーン作成による交通渋滞

構想資料内には、走行空間のイメージ図も掲載されていました。

引用:SRT構想|名古屋市住宅都市局

連節バスの専用レーンとして第一車線が使用され、路面標示とレーンの着色が施されています。

一方で、名古屋市内を車で走行したことある人はピンとくるかもしれませんが、第一車線は幹線道路であっても一時駐車している車両が本当に多いです。

そのため、名古屋市内で車を走行するときは第二車線か第三車線を通るのが安全だと一部ではいわれているほど。

その車線に連節バスの専用レーンを設けて、果たして正常な運行ができるのかは議論が必要だと思います。

海外のBRTを手本に、連節バス実装なるか?SRTの今後に期待

連節バスを導入した公共交通機関の整備をBus Rapid Transit(BRT)と呼ばれており、今回の名古屋市が進めるSRTもこのBRTを模して構想されているようだ。

しかし、連節バスを導入するだけがBRTではない。BRTシステムは通常、以下の特徴の大部分を有するとされている。

  • バス専用道路
  • バス専用車線
  • 車外運賃徴収
  • 交差点での待遇
  • 乗降口の高さ
  • 大容量車両
  • 上質な駅

引用:Wikipedia|バス・ラピッド・トランジット

つまり、連節バスを導入するだけのシステムではなく、バス運行にかかわる周辺設備を専用に整えたシステムがBRTだ。

日本にはまだ明確にBRTが成功した形はない。海外の事例を参考にして、名古屋市内での導入も考えていってほしいものです。

 

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