羽田空港に隣接する「HANEDA INNOVATION CITY(HICity)」では、自立走行バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」の定常運行が行われています。NAVYA ARMAはフランスのNAVYA社が開発した電動バスで、HICityの施設内1周700mを約8分間で運行します。
運行ルートはHICityの施設内ですが、一般車両の立ち入りもある道路を使用するため公道走行と同等の扱いです。そのため各車両には、ナンバープレートが設置されています。
レベル4のスペックをそなえた自律走行バス
NAVYA ARMAはレベル4のスペックを備えた自律走行バスで、通常の自動車に設置されているようなハンドルはありません。手動で運転する際には特別なハンドルやブレーキを使用するため「特別装置自動車」と呼ばれます。
自律走行とは、道路上にセンサーなどを設置せず、車両のみで自動走行を行うことです。
現在日本の公道では、緊急時には手動運転に切り替えられるレベル3までの走行が認められており、ハンドルのない自律走行バスの定常運行は、施設内とはいえ国内初の試みです。自動運転のレベルと運転主体は次の通りです。
自動運転レベル |
名称 |
運転主体 |
レベル0 |
自動運転なし |
人 |
レベル1 |
運転支援 |
人 |
レベル2 |
部分運転自動化 |
人 |
レベル3 |
条件付き運転自動化 |
車 |
レベル4 |
高度運転自動化 |
車 |
レベル5 |
完全運転自動化 |
車 |
※参考:自動運転|JAF
日本の法令ではレベル4での自動走行は認められていないため、オペレーターが乗車しレベル2での運行が行われています。ただし、通常オペレーターが行うのは走行開始時や一時停止後にスタートボタンを押すことのみで、運転操作をすることはありません。
将来は無人での運行を目指す
NAVIYA ARMAは、将来無人での運行を目指しています。そのため、遠隔地からバス内の管理が可能な「Dispatcher(ディスパッチャー)」も採用されました。
Dispatcherはスマートモビリティサービス事業会社BOLDLYが開発する自動運転車両運行プラットフォームで、離れた場所からバスの車内を監視できます。車内で事故や体調不良などが発生した場合、電話でオペレーターとの会話が可能です。
自動運転の発展に期待
自動運転による車両の運行や実証実験は、HICityだけではなく全国各地で行われています。今後は、日常生活の中で自動運転の車両に触れる機会も増えてくるでしょう。HICtiyにおける自律走行バスの定常運行は、その第一歩です。
自動で動くだけでなく、事故など万が一の事態にも対応可能なシステムも導入され、今後ますます自動運転への期待が高まりそうです。
記事の内容に関して、電話での問い合わせを一時受付停止しております。記事に関する質問・問い合わせはお問い合わせフォームよりお寄せください。