2023.10.23
カテゴリ:運行管理
タグ:ドライバー募集
バス運転手の年齢に制限はある?平均年齢や高齢ドライバーが集まりやすい環境を紹介バス運転手を採用したいけれど、年齢制限が必要かどうか迷っているという方も多いでしょう。
バス運転手は60歳を上限として出されている場合が多くあります。また、バスの運転には免許が必要なため、法律による制限も設けられています。実際に弊社でも求人応募時に70歳未満と決めており、応募していただく年齢層も50〜60代が多いです。
人手不足のために高齢ドライバーの採用を考える企業もあるでしょう。しかし、高齢ドライバーの採用にはリスクもあることを知っておかなければなりません。
この記事では、バスの運転手における年齢制限や、実際のバス運転手の平均年齢を紹介。さらに、高齢のバス運転手を採用するリスクや、高齢の運転手でも働きやすい職場の特徴を紹介します。
バス運転手の年齢制限をどのように考えたらよいか悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
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バスの運転手における年齢制限
バスの運転手における年齢制限は、法律上の制限と募集の際の制限に分けて考えられます。ここでは、それぞれの制限について詳しく解説します。
法律上の制限は免許によって異なる
バス運転手になるためには、いくつかの法律上の制限があります。その中でも特に重要なのが、運転するバスの種類に応じた免許の取得です。
無料送迎バスなど、特定の小型バスなら普通免許があれば運転できます。この場合、18歳以上であれば、バス運転手として勤務可能です。
一方で、大型バスや観光バス、高速バスなどを運転するには大型二種免許が必要です。大型二種免許は、19歳にならなければ取得できません。従って、大型二種免許が必要な場合には、年齢制限が19歳以上となります。
ただし、普通免許にも大型二種免許にも、年齢の上限はありません。そのため、法律上はバス運転手の年齢に上限はありません。
募集の際の年齢制限は60歳までとしている企業が多い
バス運転手の採用において、多くの企業は年齢制限を設けています。多くの企業は年齢制限を60歳としていますが、企業によって募集年齢の上限は異なります。
また年齢制限が60歳までと設定していても、40代以降を採用する確率が低いのも事実です。これは、運転技術や体力、反応速度などが年齢とともに低下する可能性が考慮されるためです。
ではなぜ弊社では平均よりも10歳もプラスした70歳までとしているかというと、実際に活躍しているドライバーさんの状況を鑑みて設定しているからです。長い付き合いの方で70歳以上の方、65歳の定年を終えてからご応募していただく方がいらっしゃいます。
バス運転手の年齢層
現在バス運転手の年齢層はどのようになっているのでしょうか。次の2つの項目から、バス運転手の年齢層について解説します。
- 平均年齢は53歳
- バス運転手不足解消のために大型二種免許取得年齢を引き下げ
平均年齢は53歳
厚生労働省が発表した「統計からみるバス運転者の仕事」によると、バス運転者の平均年齢は53.0歳です。
※引用:統計からみるバス運転者の仕事|厚生労働省
しかし、バスの種類や運行ルートによって運転手の年齢層は大きく異なります。例えば、比較的若いドライバーが多いのは、高速バスや夜行バスです。高速バスや夜行バスでは運転する距離が長く、集中力や体力が求められるため、比較的若いドライバーが多い傾向があります。一方、送迎バスの場合はルートによってドライバーの平均年齢が異なり、距離が短く簡単なルートでは高齢のドライバーも多く見られます。
バス運転手を採用する際には、単純に年齢だけをみて運転できるかどうかを判断するのではなく、運転の時間帯や距離も考慮しなければなりません。
バス運転手不足解消のために大型二種免許取得年齢を引き下げ
バス運転手の不足は、運輸業界全体において深刻な問題となっています。特に観光地や地方都市では、人手不足が交通インフラに大きな影響を与えています。そこで、行われた対策のひとつが「大型二種免許の取得年齢の引き下げ」です。
従来、大型二種免許は21歳以上でなければ取得できませんでした。しかし、2022年5月からは、19歳以上で大型二種免許を取得できるようになりました。年齢制限の引き下げにより、より多くの若者がバス運転手として働く道を選べるようになったため、新たな労働力の確保や人手不足の解消が期待されています。
とはいえ、免許取得年齢の引き下げだけでは長期的な人手不足の解消には至りません。そのため、継続的な教育や研修、待遇改善など、多角的なアプローチが必要です。
高齢のドライバーを採用するリスク
バス運転手の人手不足により、高齢のドライバーの採用を検討している企業もあるでしょう。しかし、高齢ドライバーの採用には次のようなリスクがあります。
- 反応速度や聴力・視力の低下による事故のリスク
- 体力の低下による長時間・長距離運転に対するリスク
高齢ドライバーを実際に採用する前に、まずはリスクについて把握しておきましょう。
反応速度や聴力・視力の低下による事故のリスク
バス運転手の職務は、多くの責任感と緊張を伴います。特に高齢になると、反応速度や視力・聴力が低下し、事故のリスクを高める要因となります。
反応速度が低下すると、急な交通状況の変化や突発的な事故に対応できません。また、視力・聴力の低下により他の車両は歩行者からの警告音を聞き逃す、信号や標識を見落とすといったケースが考えられます。
こうしたリスクを軽減するためには、定期的な健康診断が欠かせません。特に視力や聴力のテストは定期的に行い、必要に応じて補聴器や適切なメガネの使用を推奨しましょう。また、反応速度を測定するテストを実施し、その結果に基づいて運転するルートや時間帯を調整するのもひとつの方法です。
そして、安全運転を促すためにも、運転の状況を確認できるドライブレコーダーなどの利用も進めています。ドライバーの視線、一時停止の有無、急発進・急停車などを解析し、安全運転ができているかをテストできるシステムです。システムによる採点を参考に、ドライバーとも共有することで、何を気を付けるべきかすぐに運転技術改善に取り組めています。企業はこれらの環境整備も実施するべきでしょう。
高齢のバス運転手を採用すると、その分リスクも高まります。採用前はもちろん、現役運転手の継続的な評価の際にも、健康面のリスクを考慮しなければなりません。
体力の低下による長時間・長距離運転に対するリスク
バス運転手の仕事では、長時間にわたる運転を求められる場合があります。加齢による体力の顕著な低下は、長時間・長距離運転における重大なリスクです。
体力が低下すると、集中力や判断力も影響を受ける可能性があります。長時間の運転が続くと疲労が蓄積し、事故のリスクが高まります。体力の低下した高齢者が長距離を運転する場合、途中での休憩が必要です。運行計画を立てる際には、その分多くの時間を確保しなければなりません。
高齢のバス運転手を採用する場合には、体力の低下を考慮に入れた勤務形態の調整が求められます。
高齢のバス運転手でも働きやすい仕事の特徴
前述の通り、高齢のバスドライバーにはさまざまなリスクがあります。高齢のバスドライバーを採用したいと考えているのであれば、環境を整えておく必要があるでしょう。
高齢のバス運転手でも働きやすい仕事の特徴は次の通りです。それぞれ、詳しく解説します。
- 短距離・定期路線
- 昼間の勤務
- サポート体制
- パートタイム・短時間勤務
- 健康管理
短距離・定期路線
長距離の運転が体力的に厳しい高齢者には、短距離や定期路線が理想的な選択肢です。短距離・定期路線の運転は長距離運転に比べて体力的な負担が少ないため、疲労の蓄積を防げます。
また、定期路線は時間と走行ルートが固定されているため、運転手はルート内で発生するさまざまな事柄を予測しやすく、働きやすい環境といえます。
高齢のバス運転手を雇用したいと考えているのであれば、できるだけ短距離・定期路線を担当するドライバーとしての採用を考えましょう。
昼間の勤務
夜間の運転は視力に負担がかかります。特に高齢になると夜間の視力が低下する傾向があり、事故のリスクも高まります。
一方昼間の運転は、自然光が豊富で視界も良好です。これにより運転中の疲労が蓄積しにくく、比較的安全に運転できます。
高齢のバスドライバーにはできるだけ昼間に働いてもらえるよう、勤務体系を工夫しましょう。
サポート体制
バス運転手の仕事は特に高齢者にとって体力的にも精神的にも負荷がかかりやすい仕事です。そのため、運転しやすい環境を整えるサポートが欠かせません。
例えば、高齢者に優しい座席を採用すれば、体への負担を減らして疲労を軽減することで、運転中の集中力を維持できます。また、高度な運転支援システムを搭載したバスを採用するのも、事故を減らすためのひとつの方法です。
サポート体制の整備は、高齢の運転手だけでなくすべての運転手がメリットを感じられるでしょう。
パートタイム・短時間勤務
高齢者にとって、バス運転手は長時間の勤務が体力的に難しいことも少なくありません。そこで有効なのがパートタイムや短時間勤務です。フルタイムでの勤務が難しい人でも、パートタイムであれば働けるという人も少なくありません。
また、パートタイムや短時間勤務は、高齢者が他の生活スケジュールとも両立しやすい点もメリットです。健康診断や家族の用事、趣味などと両立しながら働きたい高齢者にとっても、パートタイムは魅力的な働き方です。
正社員として働くだけでなくパートタイムでも働けるようにすることで、より多くの人が働きやすい環境を作れます。
健康管理
バスの運転手にとって、健康管理は非常に重要な要素です。そのため、採用の際はもちろん雇用後にも定期的な健康診断が義務づけられています。脳出血や心筋梗塞のように、運転中に意識を失ってしまう可能性がある病気も、事前にリスクを把握していれば対策が可能です。
さらに高齢の運転手の場合、定期的な健康診断によって反応速度の遅れや聴力・視力の低下を早期に発見できれば、事故のリスクを下げられます。また、バス運転手はストレスがかかりやすい仕事でもあるため、定期的なストレスチェックで心の健康状態を把握できれば、必要なケアを受けられるでしょう。
義務として設定されている項目に加え、状況に応じて項目を追加して健康診断を実施することで、高齢のバス運転手でも安心して働ける環境を作れます。
バス運転手の年齢は高齢化傾向
バス運転手の平均年齢は53歳です。ただし、運転手の年齢層はバスの種類によって大きく異なります。
バス運転手は人手不足の傾向があり、対策として大型二種免許が19歳から取得できるようになりました。しかしそれだけでは人手不足を解消できないため、高齢ドライバーの採用を検討する企業も少なくありません。
高齢ドライバーの採用にはさまざまなリスクがあります。高齢ドライバーを採用する際にはリスクを把握しておくとともに、高齢でも働きやすい環境を整えることが重要です。
この記事を参考に、自社でのバス運転手雇用について考えてみてください。
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