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自動車運行管理ラボ

2022.07.21 安心/安全/教育 社用車の運行前点検の項目は?令和4年の法改正もあわせて解説

運行前点検 法改正

社用車・事業用車は点検や整備の義務があり、運行するためにはナンバープレートの色にかかわらず日常点検整備や定期点検整備をしなくてはなりません。日常点検においては1日の運行開始前に、定期点検は3か月ごとと定められています。

さらに、令和4年から、さらに企業の安全運転を強化するために、点検項目の追加が義務化される法改正があります。

しかし「日常点検をおろそかにしてしまっている」企業や、「具体的にどんな内容なの?」と悩まれるご担当者様もいるかと思います。

そこで今回は、社用車の運行前点検(日常点検・定期点検)の項目や、令和4年法改正で追加となる内容について解説します。必要な準備についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

運行前点検とは

運行前点検 法改正

運行前点検とは、事業用車の運転に際して安全運転管理者が行うべき業務のひとつです。運転手に対する項目と、車両に対する項目があります。

運転手に対して行う確認項目は、疲労や病気、飲酒などの状況を確認し、正常に運転できる状況かどうかなどです。点呼表などをつくると業務効率がいいでしょう。

車両に対しての点検項目は、日常点検と定期点検があります。それぞれ車両点検の項目を紹介します。

 

日常点検の項目

事業用車の日常点検は、運行開始前に1日1回実施しなければなりません。日常点検では、次のような項目を確認し、車両の安全を保ちます。

ブレーキ

ペダルの踏みしろが適当である

ブレーキの効きが十分である

ブレーキ液の量が適当である

タイヤ

空気圧が適当である

亀裂・損傷・異常摩耗がない

ディスク・ホイールの取り付け状態が不良でない

バッテリー

バッテリー液の量が適当である

原動機

冷却水の量が適当である

エンジンオイルの量が適当である

ファンベルトの張り具合が適当である

灯火ライトや方向指示器

損傷・ランプ切れがない

ウインド・ウォッシャ液

量が適当である

ワイパー払拭

良好である

エアタンク

凝水がない

 

定期点検の項目

事業用車の定期点検は、3か月ごとに実施しなければなりません。自社でやることもありますが、車検依頼している業者に依頼しても大丈夫です。内容は次の項目です。

かじ取り装置

パワー・ステアリングのゆるみや損傷がないか

制動装置

パワー・ステアリングのゆるみや損傷がないか

走行装置

ホイール・ナット、ボルトのゆるみがないか

緩衝装置

サスペンションの損傷がないか

電気装置

点火プラグの状態

原動機

低速や加速の状態

排気の状態

動力伝達装置

異音がないかなど

その他

 

参考:点検・整備の推進|国土交通省

運行前点検を怠ると、安全運転管理者の義務に違反したこととなります。安全運転管理者の義務違反が認められると、公安委員会による安全運転管理者の解任や、命令違反に対して罰則が課せられるなどの可能性があります。

 

令和4年に運行前点検の法改正を実施

上記のような運転者の安全確認や点検業務を義務化していても、事業用車による事故が後を絶ちません。これにより、令和4年に運行前点検の法改正が実施されます。ここでは、法改正の背景や対象、具体的な内容について解説します。

 

法改正の背景

運行前点検の法改正の背景となったのは、2021年6月28日に千葉県八街市で発生した事故です。この事故では、下校中の小学生の列にトラックが突っ込み、下校中だった児童が死傷しました。運転手は当時基準値を超えた飲酒運転を行っていましたが、当時アルコールチェックの対象外であった「白ナンバー」であったことから、この事故をきっかけに飲酒運転厳罰化のための法改正が行われることとなりました。

 

法改正の内容とタイミング

今回の法改正は、次の2段階に分けて行われます。

 

令和4年4月1日施行

道路交通法施行規則【第九条の十(六)】

運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について当該運転者の状態を目視等で確認すること。

道路交通法施行規則【第九条の十(七)】

前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存すること。

令和4年10月1日施行

道路交通法施行規則【第九条の十(六)】

運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行うこと。

道路交通法施行規則【第九条の十(七)】

前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。

参考:交通安全情報|令和3年12月 警視庁交通部

令和4年の4月からは、運転前はもちろん、運転後にもドライバーに酒気帯びの兆候がないか目視で確認する必要があります。目視での確認のポイントとしては、次のような項目が挙げられます。

  • 顔色
  • 声の調子
  • 呼気のにおい

事業所に立ち寄らず業務を開始する場合も確認を行わなければなりません。対面での確認が難しい場合には、テレビ電話などを利用して確認する、音声通話でアルコール検知器の測定結果の報告を求めるなどの方法があります。確認するだけでなく、結果を記録し1年間保存します。記録が必要な項目は次の通りです。

  • 確認者名
  • 運転者
  • 運転者の業務に係る自動車登録番号または識別できる記号、番号等
  • 確認の日時
  • 確認の方法(対面でない場合は具体的方法)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項
  • その他必要な事項

参考:交通安全情報|令和3年12月 警視庁交通部

さらに、令和4年の10月1日からは、上記の確認に加えてアルコール検知器を用いた酒気帯びの確認が必要です。記録にも、アルコール検知器の使用の有無を記載する必要があります。安全運転管理者は、アルコール検知器を常に正常に使える状態にしておかなければなりません。取扱説明書を元に適切なメンテナンスを行い、故障していないか定期的に確認するなどの保守作業が必要です。

法改正の対象

法改正の対象となるのは、次の2つの条件にあてはまる事業所です。

  • 「白ナンバー」の事業用車を使用している
  • 安全運転管理者を選任する義務がある

従来、アルコールチェックの義務があるのは「緑ナンバー」の事業用車のみで、「白ナンバー」は対象外でした。今回の法改正では、アルコールチェックの義務が「白ナンバー」の事業用車を使用する事業所にも拡大されます。緑ナンバーの事業用車とは、運送業に使われるトラックや観光バス、タクシーなど、人やものを運ぶことが直接収入に繋がる車両のことです。それに対して「白ナンバー」の事業用車とは、業務に使っていても直接的に収入を生み出すわけではない車両のことを指します。

安全運転管理者を選任する義務があるのは、次の条件に該当する事業所です。

  • 乗車定員が11人以上の自動車の場合、1台以上保有している
  • その他の自動車の場合、5台以上保有している

複数の事業所がある場合、各事業所ごとに安全運転管理者の選任が必要です。社用車や営業車も白ナンバーであるため、多くの企業が対象となります。

 

運行前点検の法改正にむけて必要な準備

運行前点検の法改正に対しては、次の2つの準備が必要です。

  • アルコールチェックの記録簿を用意する
  • アルコールチェックを行う機器を用意する

それぞれ、どのようなものが必要か詳しく解説します。

アルコールチェックの記録簿を用意する

前述の通り、今回の法改正では酒気帯びの有無を確認するだけでなく、結果を記録・保存しておく必要があります。そのため、アルコールチェック用の記録簿を用意しましょう。記録簿の形式や媒体に関する規定はないので、紙でなく電子的に記録しておいても問題ありません。島根県安全運転管理者協会では、酒気帯び確認記録表を公開していますので、こちらを活用してみてもよいでしょう。

 

アルコール検知器を用意する

令和4年10月1日からは、アルコール検知器を用いた確認が必要です。アルコール検知器に関して、指定された機種などはないので、音や色、数値などで酒気帯びの有無を確認できるものであればどんなものを選んでも問題ありません。アルコールを検知した際にエンジンがかからなくなるようなシステムも、アルコール検知器として認められています。

 

運行前点検の法改正に備えよう

運行前点検 法改正

従来、緑ナンバーだけの義務であった酒気帯びの確認は、令和4年に白ナンバーにも対象が拡大されます。さらに、10月1日からはアルコール検知器を用いたチェックも必要です。この記事を参考に、運行前点検の法改正に備えて準備をしてみてください。

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