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自動車運行管理ラボ

2024.10.22

カテゴリ:運行管理

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走行中給電とは?仕組みとメリット・実用化に向けた課題を解説

電気自動車は、走行のために充電が欠かせません。一度の充電時間が長いことが、長距離移動の弊害になっていました。そんな問題を解決するのが、走行中に電力の供給を受けられる走行中給電です。

この記事では、走行中給電の概要や仕組みをわかりやすく解説。さらに、走行中給電のメリットと課題についても解説します。走行中給電について、仕組みまでしっかり知っておきたい方はぜひご覧ください。

走行中給電とは?

走行中給電とは、電気自動車(EV)が走行中に道路からワイヤレスで電力の供給を受けられる技術です。走行中給電が行えれば、EVは大容量のバッテリーがなくても長距離運転が可能となります。走行中給電の技術が進化すれば、停車して充電する必要がなくなるため、EVの運用効率の大幅な向上が期待できます。

未来のモビリティ社会を支える技術基盤としても注目されている技術で、特に自動運転車や公共交通機関における実用化が期待されているのです。

走行中給電システムの原理

走行中給電は、電磁誘導や磁気共鳴といった技術を基盤にしています。道路に設置された送電コイルから非接触で電力が伝送され、車両側に搭載された受電コイルが電力を受け取る仕組みです。

スマートフォンのワイヤレス充電をイメージするとわかりやすいでしょう。同様の仕組みで、ケーブルを使わなくても充電ができるのです。

上記は、現在実用化にもっとも近いとされている「電磁誘導方式」と呼ばれる給電方式です。そのほかにも、コンデンサの原理を活用した「電界結合方式」や共振現象を利用した「磁界共鳴方式」、アンテナを利用する「マイクロ送電方式」などの方式についても研究が進められています。

走行中給電のメリット

走行中給電には、次のようなメリットがあります。それぞれ、詳しく解説します。

  • 充電の手間と待機時間を削減できる
  • バッテリー容量を削減できる
  • 長距離運転の効率が向上する
  • 自動運転車の活用促進が期待できる

充電の手間と待機時間を削減できる

走行中に電力を供給できることで、EVは充電のために停車する必要がなくなり、移動中の時間を大幅に節約できます。

通常、EVは充電ステーションに停車して充電を行います。しかし、走行中給電システムが充実していれば、充電ステーションでの充電が不要になります。これにより、特に長距離移動の際に充電待ちの時間を気にすることなく、スムーズに移動を続けられるのです。

充電の手間が減ることで、EVの利用が一層快適になり、EVのさらなる普及促進につながるでしょう。

バッテリー容量を削減できる

走行中給電技術により、EVのバッテリー容量を削減できます。バッテリーの小型化にもつながるため、車両のコストや重量の削減も期待できます。

通常、長距離走行のためには大容量のバッテリーが必要です。しかし、走行中に電力を補給できるシステムがあれば、バッテリー容量やサイズを抑えられるのです。

バッテリーの小型化によってEVのコストパフォーマンスが向上し、今後の普及が一層加速する可能性があります。

長距離運転の効率が向上する

長距離運転時の充電問題が解決することで、商用車や公共交通機関における運行効率の向上も期待できます。

通常、長距離走行では充電のための停車が避けられません。しかし、走行中給電システムが導入されれば、充電のための停車は不要です。。特に物流業界や公共交通機関では、大幅な運行効率の上昇が期待できます。

例えば、長距離トラックやバスが走行中に電力を補給できるシステムを採用すれば、配送スピードの向上や運行スケジュールの柔軟性が確保できるでしょう。

走行中給電によって物流や公共交通における運行がさらに最適化され、業界全体に革新をもたらす可能性があります。

自動運転車の活用促進が期待できる

走行中給電技術は、自動運転車や無人搬送車(AGV)の連続稼働を可能にします。

自動運転車や無人搬送車は、通常バッテリーが切れると運行を停止してしまいます。しかし、走行中に電力を補給できるシステムがあれば、常に電力を供給しながら連続して稼働できるため、バッテリー切れを心配する必要がなくなります。そのため、無人車両の運用効率が向上し、労働力不足などの課題にも対応できるのです。

例えば、工場内で稼働する無人搬送車や、空港や港湾での自動運転シャトルバスが走行中に電力を補給できるようになれば、充電待ちを気にすることなく長時間稼働が可能です。そのため、業務効率の向上や、さまざまな業界での自動化の促進が期待されます。

走行中給電が普及すれば、自動運転車の活用が拡大し、物流や交通分野での自動化が一層進展するでしょう。

走行中給電の課題

メリットが多い走行中給電ですが、実用化に至るまでには次のような課題を解決しなければなりません。それぞれ詳しく解説します。

  • インフラ整備にコストがかかる
  • 安定的に電力転送する技術の進化が必要
  • 車両側の対応が必要
  • 規制や政策面の対応が必要

インフラ整備にコストがかかる

走行中給電の実用化には、インフラ整備にかかるコストが大きな課題となります。

送電コイルを道路に埋設するための工事費用や、既存の道路の改修費用は高額です。特に長距離にわたって整備が必要な場合、その費用は莫大なものになります。また、初期投資に加えて、システムのメンテナンスや運用コストも長期的に負担となるため、これらをどう軽減するかが重要なポイントです。

安定的に電力転送する技術の進化が必要

走行中に安定した電力を供給するためには、さらなる技術開発が不可欠です。

車両が高速で移動している際にも安定した電力伝送を実現するためには、送電コイルと受電コイルの正確な配置や距離の調整が重要となります。また、道路の凹凸や気象条件による影響を受けるため、これらの要因に対応できる技術の進化が必要です。
今後さらなる技術進展により電力転送の安定性が確保されれば、走行中給電の普及に大きな影響を与えるでしょう。

車両側の対応が必要

走行中給電を利用するためには車両に専用の受電装置を設置する必要があるため、車両のコストや設計に影響を与える可能性があります。

車両側に受電コイルを搭載するためには、そのスペースを確保しなければなりません。搭載するための費用もかかります。さらに、既存の電気自動車に対応させるには、改造が必要となる可能性があり、新車だけでなく既存車両にも適用できるかどうかが課題となるでしょう。

こうした装備の追加は、車両価格の上昇を引き起こすリスクもあります。また、標準化が進まない場合には車両ごとに異なる規格の受電装置が必要となる可能性もあり、普及の妨げとなることも懸念されます。

規制や政策面の対応が必要

道路インフラに送電設備を導入するためには、政府や自治体の協力が必要不可欠です。さらに、電力供給に関する法律や交通規制が整備されなければ、技術の実用化はむずかしいでしょう。こうした法的枠組みや政策が整備されることで、走行中給電の導入がスムーズに進みます。

実用化のためには、技術の発展だけでなく規制や政策面での対応も必要です。

走行中給電の仕組みを知っておこう

走行中給電とは、電気自動車の走行中に電力の供給を受けられるシステムのことです。走行中給電の仕組みは4つあり、中でも現在もっとも実用化に近いと考えられているのは送電コイルと受電コイルを使う「電磁誘導方式」です。スマートフォンのワイヤレス充電をイメージするとわかりやすいでしょう。

多くのメリットがある走行中給電ですが、まだまだ課題があるのも事実です。走行中給電の仕組みを知り、今後の動向に注目しておきましょう。

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