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自動車運行管理ラボ

2024.12.21

カテゴリ:安心/安全/教育

タグ:

当て逃げの罰則とは?万が一事故を起こしてしまった場合の対処法も紹介

事故を起こした際に適切な対応を知らないと、思わぬトラブルや厳しい罰則に直面する可能性があります。

この記事では、当て逃げの意味や、どのような罰則が科されるのかを振り返ります。さらに、当て逃げにならないための正しい対処法も紹介します。もしもの時にそなえて、正しい知識をつけておくことで、トラブルの発生を防ぎましょう。

当て逃げとは?

当て逃げとは、他人の車や物に接触して損傷を与えた後、その場を離れる行為を指します。道路交通法では事故後の報告義務や救護義務を定めており、これを怠ると「当て逃げ」とみなされます。

例えば、駐車場で他車にドアをぶつけたにも関わらず、そのまま現場を離れた場合、当て逃げと見なされる可能性があります。そのため、車両に衝突してしまった際には、適切な対応を行わなければなりません。

当て逃げをした場合の罰則

当て逃げをした場合には、次の罰則が生じます。

刑事責任・行政処分

当て逃げが発生した場合、次の2つの違反に該当する可能性があります。

  • 報告義務違反
  • 危険防止等措置義務違反

事故が起きた際、警察への報告を行う義務があります。報告を怠り、現場を離れると、報告義務違反となり3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます。

また、事故によって道路上に危険が生じた場合、運転者はすぐに車を止め、危険を防止する措置を取る必要があります。これを怠ると、危険防止等措置義務違反とみなされ、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。

さらに、免許の停止や点数の減点といった行政処分の対象にもなります。報告義務違反には3点、危険防止措置義務違反には5点が加算されます。前歴がない場合、6点加算されると30日間の免許停止処分となるため、当て逃げは1回でも免許停止処分が科される可能性がある違反だといえるでしょう。

民事責任

当て逃げをすると、被害者に対して損害賠償責任が生じることになります。

物損事故の場合、修理費用だけでなく、被害者が感じた精神的な負担に対しても賠償を求められる可能性があります。特に営業車両を損傷させた場合には、修理期間中の休業損害が請求されることもあるため、賠償額が高額になるケースも少なくありません。

例えば、車両の修理費用や代車費用に加え、タクシーや配送車などの営業用車両では、仕事ができない間の損害賠償を求められることがあります。また、車両の価値が事故によって下がった場合には「評価損」が発生することもあります。

こうした損害賠償責任を適切に果たすためには、事故後に速やかに被害者と連絡を取り、誠実に対応することが重要です。被害者に寄り添った対応を行うことで、トラブルを回避し円滑に問題を解決できるでしょう。

当て逃げにならないための正しい対応方法

事故を起こした際でも、適切な対応を取れば当て逃げにはなりません。もし他人の車や物に接触してしまった場合、以下の手順を守ることで、当て逃げとならず、正しい対処ができます。それぞれの方法を詳しくご説明します。

  • 停車して状況を確認する
  • 車を安全な場所に移動させる
  • 警察に通報する
  • 被害者に連絡を取る
  • 事故の状況を記録する
  • 保険会社に連絡する
  • 場合によっては弁護士への相談も検討する

停車して状況を確認する

事故を起こした場合は、必ずその場に停車し、状況を確認することが重要です。

道路交通法では、事故現場からそのまま離れると「逃げようとした」と見なされ、当て逃げとして扱われることがあります。そのため、まず車を安全に停車させ、周囲の状況や損傷箇所を冷静に確認することが必要です。

例えば、駐車場で隣の車に接触してしまった場合は、車を降りて接触箇所や相手の車両の状況を確認し、写真を撮るなどして記録を残すことが求められます。事故後に冷静に対応することで、被害者や関係者に誠意を示し、トラブルを未然に防げます。

車を安全な場所に移動させる

事故現場では、周囲の安全を確保するために、車を安全な場所に移動することが必要です。

道路上で車を停めたままにしておくと、他の車両の通行を妨げたり、二次的な事故を引き起こすリスクが高まります。そのため、速やかに安全な場所に車を移動させることで、さらなるトラブルを防げるのです。

例えば、交差点や交通量の多い道路で事故が発生した場合には、路肩や近くの駐車スペースに車を移動させることで、他の車両や歩行者への影響を最小限に抑えることができます。また、夜間や視界の悪い環境では、ハザードランプを点灯させて周囲に注意を促すことも重要です。

車両を安全な場所に移動することは、事故現場の混乱を防ぎ、周囲の安全を守るための基本的な対応です。この行動が、事故の影響を最小限に抑える第一歩となります。

警察に通報する

事故を起こした際は、必ず警察に通報することが重要です。

道路交通法では、事故が発生した場合に警察への報告が義務付けられています。この義務を怠ると「報告義務違反」として罰則を受ける可能性があり、場合によっては行政処分や刑事責任が科されることもあるのです。

例えば、壁やガードレールなど物に接触した事故の場合でも、軽微だからと通報しないと違反とみなされる可能性があります。警察に報告することで、事故証明を取得でき、保険の申請やトラブル回避にも役立ちます。

警察への通報は、法的義務であるだけでなく、事故後のトラブルを防ぎ、円滑に解決するための基本的な対応です。

被害者に連絡を取る

事故が発生した場合、被害者がいるときは速やかに連絡を取ることが大切です。

被害者と迅速に連絡を取ることで、誠実な対応が伝わり、安心感を与えられます。特に、相手が状況を把握できないままだと不安感や不信感が高まり、後のトラブルに発展する可能性があるため、適切な対応を心がけなければなりません。

例えば、駐車場で接触したが相手がその場にいない場合、フロントガラスに連絡先を記載したメモを残すなどして、後で連絡を取りやすい状態を作ることで誠意を示せます。また、メモには「どのような状況だったか」を簡潔に記載しておくと、相手の不安を軽減できるでしょう。

被害者との連絡は、信頼関係を築くための第一歩です。誠意ある対応を取ることで、問題解決がスムーズになり、円満な解決につながる可能性が高まります。迅速かつ丁寧な対応を心がけましょう。

事故の状況を記録する

事故現場では、状況を写真やメモで記録することが非常に重要です。

事故後の対応において、現場の状況を記録しておくことで事実関係を明確にし、後々のトラブルを未然に防げます。特に、相手が状況を誤解したり主張が食い違ったりした場合には、記録が証拠として役立つ可能性が高いでしょう。

例えば、接触箇所や車両の損傷状況を写真に撮ることはもちろん、事故現場の全体像や道路の状況、信号機の状態、相手車両のナンバーも記録しておくと安心です。また、目撃者がいる場合には、その連絡先を控えておくことも有効です。

事故の記録は、正確な事実関係を証明するだけでなく、自分自身を守るための重要な行動です。このひと手間が、後の解決をスムーズにし、トラブルを最小限に抑える鍵となります。

保険会社に連絡する

事故後は速やかに保険会社に連絡することが大切です。

保険会社に連絡を入れることで、事故の状況に応じた適切な補償を受けるための手続きを進められます。また、事故の詳細を報告することで、修理費用の負担や示談交渉のサポートを受けることができるため、トラブルの解決がスムーズになるでしょう。

例えば、事故が発生した際には、接触箇所や被害状況を保険会社に正確に伝えます。その上で、修理にかかる費用や被害者との交渉について具体的なアドバイスを受けることで、安心して次の対応に進むことが可能です。また、警察への通報や現場での記録といった事前の行動も、保険申請をスムーズに進めるために役立ちます。

保険会社のサポートを最大限に活用することで、事故後の負担を軽減し適切な対応を進められます。迅速に連絡し、必要な情報を提供することで、よりスムーズな解決が期待できるのです。

場合によっては弁護士への相談も検討する

示談が難航している場合やトラブルが大きくなった場合には、弁護士に相談することを検討しましょう。

弁護士に相談することで、法律の専門知識に基づいた的確なアドバイスを受けられ、適切な解決策を見つけられます。特に、自分だけでは対応が難しい状況や、被害者との交渉が進まない場合には、弁護士のサポートが非常に役立つのです。

例えば、被害者から高額な賠償を求められた場合、弁護士が代理人として交渉に臨むことで、相手方との条件調整がスムーズに進むケースがあります。また、法律的な観点から妥当な賠償額を提示できるため、不利な条件を回避できる可能性が高まるでしょう。

弁護士の力を借りることで、法的トラブルを迅速かつ円満に解決する道が開けます。一人で抱え込まず、専門家の知識を活用することで、安心して問題に向き合うことができるのです。

よくある質問

当て逃げに関して、よくある質問を集めました。知識として知っておきたいポイントをまとめたので、ぜひチェックしてください。

事故に気付かなかった場合も罰則は発生する?

当て逃げをしてしまったことに気づかなかった場合でも、罰則を受ける可能性があります。

道路交通法では、事故を起こした場合には現場で状況を確認し、警察に報告する義務があります。「気付かなかった」という言い訳では報告義務違反を免れることはできず、結果的に罰則の対象となる場合があるのです。

事故を起こした可能性が少しでもある場合は、その場を離れる前に必ず車を停めて状況を確認することが重要です。現場での確認と適切な報告が、トラブルや罰則を回避するための第一歩となります。

当て逃げの罰則に時効はある?

当て逃げに対する罰則には時効が存在します。物損事故の場合、原則として時効は3年です。もし過去に当て逃げをした覚えがある場合、早期に対応することで法的なリスクを軽減することが可能です。

当て逃げをしてしまった場合保険は適用される?

自動車保険では、当て逃げは多くの場合「故意による事故」とみなされ、補償の対象外となります。ただし、過失や不注意で起きた物損事故で、報告義務を果たしている場合には、保険契約の内容にもよりますが、適用されることが多いでしょう。

保険の適用を受けるためには、事故後すぐに警察や保険会社に報告し、誠実に対応することが重要です。また、保険の補償範囲は事前に確認しておくと安心です。

当て逃げの罰則について知っておこう

当て逃げをした場合、刑事処分や行政処分の対象となります。場合によっては、一度で免許停止処分になる場合もあります。また、保険の適用が受けられないケースも少なくありません。

万が一事故を起こしてしまった場合でも、すぐに警察に報告し、適切な対処を行えば当て逃げにはなりません。

事故を起こしてしまった場合には、慌てず冷静に、適切な対処ができるよう心がけましょう。

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