2023.06.06
カテゴリ:セミナー
タグ:外国人材採用
特定技能外国人受け入れの流れを解説!知っておくべき注意点も紹介人手不足の解消のため、外国人実習生の受け入れを考えている事業者の方もいるでしょう。特定技能外国人とは、一定の専門性や技能がある外国人を受け入れる制度のことです。
特定技能外国人を受け入れるまでには、さまざまな準備が必要です。また、受け入れには多くの条件が設定されています。
この記事では、特定技能外国人を受け入れる際の流れを解説。さらに、特定技能外国人受け入れの注意点も紹介します。特定技能外国人の受け入れを考えている事業者の方はぜひご覧ください。
特定技能外国人とは
特定技能外国人とは、国内人材の確保が困難な産業分野で利用される制度です。一定の専門性や技能がある外国人を受け入れる制度で「特定技能」の在留資格で日本に滞在することとなります。
特定技能には1号と2号がありますが、単純に「特定技能」といった場合、一般的には1号のことを指します。2号は非常に高い専門性が求められるため資格を持っている人自体が少なく、令和4年3月時点では日本に在留している特定2号外国人はいませんでした。
特定技能外国人の受け入れが認められるのは、次の12分野に限定されています。
- 1.介護
- 2.ビルクリーニング
- 3.素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 4.建設
- 5.造船・舶用工業
- 6.自動車整備
- 7.航空
- 8.宿泊
- 9.農業
- 10.漁業
- 11.飲食料品製造業
- 12.外食業
人材の確保が困難な分野で特定技能外国人を受け入れることで、労働力不足の解消が期待されています。
特定技能外国人受け入れまでの流れ
特定技能外国人を受け入れる場合の流れは、外国人が海外から来日する場合と、すでに日本に在留している場合で少し異なります。特定技能外国人受け入れまでの流れを、一覧で紹介します。
海外から来日する場合 |
日本に在留している場合 |
試験に合格または技能実習2号を良好に修了する |
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特定技能外国人と雇用契約を結ぶ |
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登録支援機関と委託契約を締結する |
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「受入れ機関等による事前ガイダンス 等」や「健康診断」を実施する |
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特定技能外国人の支援計画を策定 |
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在留資格認定証明書交付申請 |
在留資格変更許可申請 |
在留資格認定証明書受領 |
「特定技能1号」に在留資格を変更する |
ビザの申請・受領 |
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入国 |
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就労開始 |
特定技能外国人として働くためには、まず外国人本人が必要な技能試験や日本語試験などに合格するか、技能実習2号を修了する必要があります。技能実習は1号、2号、3号の3種類に分かれており、技能実習2号の修了までには3年かかります。
求人では、日本人を雇用する場合と同様に求人サイトやハローワークを活用するほか、登録支援機関も活用可能です。登録支援機関とは、特定技能1号の活動を支援するための機関です。特定技能外国人と受け入れ企業の橋渡しをするほか、支援計画の作成なども行います。
雇用契約は、通常の雇用契約とは異なり「特定技能雇用契約」を締結します。一般的な雇用契約の条件に加え、在留や一時帰国などの条件も盛り込んだ契約の締結が必要です。
受け入れた特定技能外国人に対しては、事業者が支援を行わなければなりません。事前のガイダンスや公的機関への同行、日本人との交流促進、定期面談など幅広い支援が必要です。自社で支援できない場合には、登録支援機関との委託契約を行わなければなりません。
事前ガイダンスや健康診断を実施し、支援計画を策定したら在留資格に関する申請を行います。
海外から来日する場合には、在留資格認定証明書の交付申請を実施し、認められたら在留資格認定証明書を受領します。その後、ビザの申請・受領をしてから入国し、就労開始です。
すでに日本に在留している場合には、在留資格変更許可申請を行います。在留資格を「特定資格1号」に変更したら、就労を開始できます。
特定技能外国人を受け入れる際のポイント
特定技能外国人を受け入れる際には、注意すべき3つのポイントがあります。
- 受け入れ可能な業務内容を確認する
- 受け入れられる事業者の基準を確認する
- 帰国費用の負担が必要な場合がある
それぞれ、詳しく解説します。
受け入れ可能な業務内容を確認する
特定技能外国人は、受け入れ可能な業種だけでなく、業務内容も決まっています。例えば介護の場合、特定技能外国人は訪問系サービスの業務はできません。また、宿泊業や外食業では、風俗営業許可が必要な店舗が対象外に設定されています。
他にもさまざまな制約があるため、求人を開始してから対象外業務だと判明することがないよう注意しましょう。
受け入れられる事業者の基準を確認する
特定技能外国人は、どんな事業者でも受け入れができるわけではありません。特定外国人を受け入れられる事業者には基準があります。次のような基準を満たしていないと、特定技能外国人の受け入れはできません。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
- 各種法律を遵守している企業であること
- 特定技能の制度で求められる支援を行える体制が整っていること
特に勘違いされやすいのが、雇用契約の点です。外国人であれば安く雇えると考えている方も多いのですが、特定技能外国人を受け入れる場合には、日本人と同等かそれ以上の待遇で雇用する必要があります。人件費をおさえたいからと、安い給料で特定技能外国人を受け入れることはできません。
また、特定技能外国人を受け入れる事業者には出入国在留管理庁への各種届出も義務づけられています。
帰国費用の負担が必要な場合がある
特定技能外国人を受け入れた企業は、契約終了後は円滑に帰国できるよう必要な措置を講じる必要があります。帰国費用の負担もそのひとつです。本人が帰国費用を用意できない場合には、事業者側が帰国費用を負担しなければなりません。
ただし裏を返せば、本人が帰国費用を用意できる場合には事業者側での費用負担は必要ないともいえます。この点は、事業者が必ず帰国費用を負担しなければならない技能実習生と異なります。
特定技能外国人を受け入れる流れを知っておこう
この記事では、特定技能外国人を受け入れる流れについて解説しました。受け入れの流れは、外国から来日する場合とすでに日本に在留している場合で少し異なります。ただし、大まかな流れは変わらないため、受け入れを考えているのであればある程度把握しておくとよいでしょう。
特定技能外国人は、どんな事業者でも受け入れられるわけではありません。受け入れが認められている業種や業務内容が限定されていることに加え、法令遵守をはじめとしたさまざまな条件を満たした事業者のみが特定技能外国人を受け入れられます。
この記事を参考に、自社での特定技能外国人受け入れについて考えてみてください。