2024.01.14
カテゴリ:セミナー
タグ:外国人材採用
地方企業が外国人労働者を採用するメリットとは?必要なサポートも解説従業員を採用したいけれど、思うように人が集まらず悩んでいる方も多いでしょう。日本全体で労働人口は減少傾向にあり、特に地方では労働力不足が深刻です。
その労働力不足を解消するための方法として考えられるのが、外国人労働者の雇用です。この記事では、地方企業で外国人労働者を雇用するメリットと、必要なサポートを紹介します。さらに、外国人労働者から見た、地方企業で働くメリットも解説します。
労働力不足にお悩みの地方企業の方は、ぜひご一読ください。
地方では特に深刻な労働力不足
日本では、現在労働力不足が課題とされています。さらに、東京一極集中といわれる状況もあり、地方では特に労働力不足が深刻です。
2022年の住民基本台帳人口移動報告をみると、東京・大阪・福岡に通勤可能な都市圏では転入超過となっています。一方でそれ以外の地方では、転入超過数がマイナス、つまり都市圏に人が流出していることがわかります。
※引用:住民基本台帳人口移動報告(2022年)
特に労働力となる年代は地方から都市圏への流出が多い傾向があるため、地方は労働力不足に悩まされているのです。
地方企業が外国人労働者を雇用するメリット
労働力不足解消のために、外国人労働者の受け入れを行う企業も少なくありません。外国人労働者の雇用には、人手不足の解消以外にも次のようなメリットがあります。
- 多言語に対応できるようになる
- 助成金を利用できる
- 海外進出に役立つ
- 労働環境の見直しにつながる
- 発想が多様化する
外国人労働者を受け入れるメリットについて、詳しくは別記事「日本で働く外国人の実態とは?雇用のメリット・注目人材を解説」で解説していますのであわせてご覧ください。
単に労働力不足を解消したいという企業だけでなく、新しいことに挑戦したい企業にも、外国人労働者の受け入れはよい機会となるでしょう。
外国人労働者が地方企業で働くメリット
地方企業で働くことは、外国人労働者にとっても次のようなメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。
- 生活費が安い
- 競争が少ない
- 生活環境が静かで落ち着いている
- 地域社会との関係が密接
- 職場での成長機会が多い
生活費が安い
多くの都市部と比較して、地方では家賃や日常の消耗品費などの生活費が一般的に低く抑えられています。経済的な利点は、外国人労働者にとって大きな魅力です。
家賃は特に重要な要素です。東京や大阪のような大都市では家賃が高騰していますが、地方都市では比較的安価な住居を見つけられます。そのため労働者は、生活の質を維持しながらより多くの収入を貯蓄に回すことや、家族への送金額を増やすことができるのです。
競争が少ない
地方において、就職市場における競争は大都市圏と比較して相対的に低い傾向があります。都市部では多くの求職者が高い賃金とキャリア機会を求めて集中するため就職競争が激しくなりがちです。しかし地方ではこうした競争が比較的緩和されており、外国人労働者が仕事を見つけやすい環境が形成されています。
地方の企業では、特定の専門技能や経験を持つ労働力の需要が高い一方で、供給は限られています。例えば特定の技術職や介護、農業分野などは地元の労働力だけではニーズを満たすことが難しく、外国人労働者が重要な役割を果たすことが多いのです。
生活環境が静かで落ち着いている
地方は、都市部と比較して自然が豊かで静かな環境が特徴です。静かな環境は、労働者の精神的な安定に寄与し、仕事の効率と生産性を向上させます。
また、自然が豊かな地域では、公園や山、海などが身近にあり、休日や余暇に自然を楽しめるのです。外国人労働者にとっては、日本の文化や自然に触れ、休日を豊かにする絶好の機会といえるでしょう。
地域社会との関係が密接
地方は都市部に比べて地域社会との結びつきが強いケースが多くあります。コミュニティで個々の住民が密接に関わり合いながら生活している場所では、外国から来た労働者が温かく受け入れてもらえることも多いのです。
地域社会と密接に関わりながら生活する環境であれば、外国人労働者は日本の文化や言語、地域の風習をより深く理解し、早期に適応できます。地域の集会などに参加することにより、外国人労働者は地域コミュニティの一員としてのアイデンティティを育み、地域住民との間で友情や信頼関係を構築することもできるのです。
地方で働く外国人労働者に必要なサポート
外国人労働者に対しては、さまざまなサポートが必要です。特に地方で外国人労働者を受け入れる場合に必要となるサポートは次の通りです。それぞれ詳しく解説します。
- 住宅支援
- 文化的適応
- 地域社会との統合
住宅支援
外国人労働者が新しい環境で安定した生活を送るためには、安全かつ手頃な価格での住居確保が欠かせません。企業で実施できる住宅支援としては、適切な住居の検索支援や家賃の一部補助、家具や家電製品の提供、初期の家賃の前払いなどが考えられます。
住宅選びにおいては、地域の気候や地形も考慮すべき重要な要素です。例えば雪が多い一息では断熱性の高い住宅が望ましい一方で、湿度が高い地域では通気性やカビ対策が重要となります。こうした情報を提供することにより、外国人労働者は自分のニーズに最適な住宅を見つけやすくなるでしょう。
文化的適応
外国人が日本での仕事や生活をスムーズに進めるためには、文化的な適応が必要です。ビジネス環境に慣れるためには、メンター制度や同僚との交流機会の提供など、職場内での文化的適応を促進するような取り組みを行うのもよいでしょう。
また、場合によっては地域の風習や文化を理解してもらわなければならないケースもあります。例えば、高齢者施設で働く場合には、方言を覚えることで利用者との意思疎通がよりスムーズになるでしょう。方言は一般的な辞書で調べられないため、周囲のサポートが欠かせません。
異文化の中での労働は不安を感じやすい環境でもあります。適切なサポートによって、外国人労働者は安心して働けるようになるのです。
地域社会とのかかわり
外国人労働者が地域社会の一員として受け入れられるようなサポートも欠かせません。地域社会になじめず孤立してしまうと、外国人労働者にとって大きなストレスとなることもあります。
地域の文化やコミュニティに参加する機会を積極的に提供すると、外国人労働者のサポートとなるだけでなく、企業と地域のつながりも深められます。例えば、地域ボランティア活動への参加や、地域住民を対象としたイベントを開催するのもよいでしょう。
仕事の場だけでなく生活の場でもより多くの人と関わることにより、外国人労働者は日本語や文化への理解を深められます。地域社会との統合は、外国人労働者が豊かで充実した生活を送るための基盤となるものともいえるのです。
地方での外国人労働者受け入れは双方にメリットあり
地方では、労働力不足が課題となっています。その労働力不足を解消するために、外国人労働者を雇用する企業も少なくありません。一方で、地方企業で働くことは外国人労働者にとってもさまざまなメリットがあります。
外国人労働者の受け入れには、さまざまなサポートが必要です。地方企業の場合には、その地域にあったサポート方法も考えてみてください。
この記事が、地方企業で外国人労働者を受け入れる際の参考となれば幸いです。