2025.12.14
カテゴリ:安心/安全/教育
タグ:安全対策
12月は交通事故が多い!理由と運転のポイントを詳しく解説12月に入り、なんとなく慌ただしさを感じながら運転している方も多いのではないでしょうか。実は、12月は年間でもっとも交通事故の発生件数が多い月とされています。気温や日照時間の変化に加え、年末のイベントや買い物、帰省などで「いつも以上に車が走る状況」が重なり、事故のリスクが高まりやすいためです。
事故の原因はひとつではありません。運転に不慣れな人が連休でハンドルを握ることもあれば、早い日没で歩行者が見えにくくなることもあります。雨や雪で路面が悪化し、忙しさや疲れで注意力が落ちるタイミングも同じ時期に訪れます。さらに、忘年会シーズンならではの飲酒や、買い物・帰省による交通量の増加も無視できません。
この記事では、12月に事故が増える背景と具体的な要因を整理しながら、日常の運転で意識したいポイントを解説します。「なんとなく気をつける」だけで終わらせず、自分の運転をどこから見直せばいいのかをイメージしてみてください。
12月は1年でもっとも交通事故の発生件数が多い
交通事故は、毎月一定のペースで発生するわけではありません。さまざまな要因で、交通事故が多い月もあれば、少ない月もあります。中でも、12月は1年の中でもっとも事故発生件数が多い月であることが、わかっています。
12月に事故が増える要因は、運転する機会が増える、雪による影響が発生するなどさまざまです。運転する際には、特に事故が多い時期であることを頭に入れ、普段よりもさらに安全運転を心がける必要があるでしょう。
12月の事故が多い要因
12月に事故が多いのには、次のような要因があります。それぞれ、詳しく解説します。
- 連休に増える不慣れなドライバーの存在
- 日没時間の早さによる視認性低下
- 雨や雪による路面状況の悪化
- 年末特有の忙しさによる注意力低下
- 飲酒機会の増加によるリスク
- 帰省や買い物による交通量の増加
連休に増える不慣れなドライバーの存在
年末の連休は、普段あまり運転しない人がハンドルを握る機会が増えます。
運転に慣れていない人は車間距離の確保やブレーキのタイミングが一定せず、周囲の車の動きに対する反応が遅れがちです。こうした車が増えると、全体の交通のリズムが不安定になり、周囲の予測が立てにくくなります。
また、不慣れなドライバーは駐車場や複雑な交差点で迷いやすく、突然の減速や進路変更をする場面も少なくありません。年末は商業施設周辺が混雑し、初めて訪れる場所を走行するケースが増えるため、想定外の動きをする車を前提にした運転が必要です。
日没時間の早さによる視認性低下
12月は日没が一年で最も早く、夕方以降の時間帯は視認性の低下が避けられません。
とくに夕方の明るさが残る時間帯は、車から歩行者や自転車が見えにくくなる一方で、本人たちは「まだ見えている」と感じていることがあります。この認識のズレが接触事故の大きな原因です。
また、対向車のライトやイルミネーションの反射が増え、視界が散らされることで距離感を誤りやすくなります。年末は交通量が多く周囲の車が複数の光を発しているため、歩行者の存在が背景に紛れやすい状況です。
早めのライト点灯や速度調整をおこない、視認性を高めましょう。
雨や雪による路面状況の悪化
12月は雨が冷えた路面に当たり、水分が薄く広がることで滑りやすさが増します。
晴れていても朝晩の冷え込みで路面が凍結しやすく、黒く濡れたように見える「ブラックアイスバーン」は特に危険です。視覚的に判断しづらいことから、いつも通りの速度で進入してしまい、ブレーキが効かないまま交差点に到達するケースもあります。
また、雪が降る地域ではスタックやスリップなどが重なり、路肩停車や渋滞によって急な進路変更が発生しやすくなります。路面状況が不安定な日は、車間距離が通常よりも必要になり、タイヤやブレーキの性能差も顕在化するでしょう。
天候が悪い日は道路全体の挙動が読みづらくなるため、慎重な走行が欠かせません。
年末特有の忙しさによる注意力低下
12月は仕事・家庭の予定が重なり、心理的な負荷が高まりやすい時期です。
急いで移動したい気持ちが強まると判断が雑になり、普段なら気付ける歩行者やバイクの動きを見落とすことがあります。また、買い物や用事を「ついでに済ませる」行動が増え、走行ルートが普段と異なることで交差点での迷いが生じることも少なくありません。
注意が分散すると車間距離の変化に気付きづらくなり、追突リスクも高まります。さらに、年末は周囲のドライバーも同じように忙しく、全体の交通が慌ただしい雰囲気になります。この周囲の焦りが連鎖し、事故の発生確率を押し上げるのです。
落ち着いた運転を貫くことが、自分を守る最も確実な対策といえるでしょう。
飲酒機会の増加によるリスク
12月は忘年会などの集まりが増え、飲酒後の移動が問題となりやすい月です。
もちろん「飲酒運転をしない」ことは前提ですが、飲酒者の徒歩移動も事故リスクに影響します。ふらつき歩行や急な横断が増えるため、車側が早めに対応しなければならない場面もあるでしょう。
また、飲酒が関わる場面では判断力の低下だけでなく、帰宅手段の変更が発生しやすく、道路の混雑が予測しづらい側面があります。夜間の繁華街や駅周辺では、タクシー乗り場に人が集中し、車両の動きが乱れがちです。
こうした場所を通行する際には、周囲の不規則な動きを前提に減速し、視線を広く配ることが重要です。
帰省や買い物による交通量の増加
年末は大型商業施設や幹線道路の交通量が大幅に増えます。駐車場の出入口では、空き区画を探す車が減速したり歩行者の往来が増えたりすることで、通常より複雑な状況が生まれがちです。
また、帰省シーズンは高速道路の渋滞が長時間続き、注意力が低下しやすい環境になります。車間距離が詰まり、周囲の速度変化に敏感に対応しなければならないため、精神的な疲れも蓄積します。
道路全体が混み合う日は、他車の挙動が流動的になり、右左折の判断が遅れたり、合流がスムーズにいかない場面が増えるでしょう。交通量の増加は単純な車の数だけでなく、周囲の滞留や進路変更の多さにつながり、事故リスクを高める要因になります。
12月の事故を防ぐ運転のポイント
12月の事故を防ぐためには、次のようなポイントに注意しましょう。それぞれ、詳しく解説します。
- 速度をいつもより控えめにする
- 車間距離を十分に確保する
- ライトを早めに点灯する
- 歩行者と自転車の動きを予測する
- 長時間運転の前に休息を取る
速度をいつもより控えめにする
12月は視認性の低下や路面変化が多く、いつも通りの速度では「気付いた時には遅い」状況が生まれやすくなります。
速度を落とすことで停止距離に余裕ができ、歩行者の飛び出しや急な車線変更にも対応しやすくなります。また、混雑している日は周囲の車が不規則な動きをするため、速度を控えることが事故回避に役立つでしょう。
速度を落とすことでストレスを感じる場合もありますが、年末は道路状況が日によって大きく変わるため、流れに合わせて無理なく走ることを優先した方が安全です。速度を少し抑えるだけで視界の情報処理に余裕が生まれ、落ち着いた判断がしやすくなります。
車間距離を十分に確保する
車間距離が短い状態は、12月の道路環境では特に危険です。
前方車が渋滞で急減速したり、駐車場に入るために突然ブレーキを踏んだりする場面が多いため、十分な距離がなければ回避が難しくなります。路面が濡れている日は停止距離が大きく伸びるため、通常より長めの距離を確保することが必要です。
また、交通量が多い日は他車が割り込みをすることもありますが、車間距離を詰めて防ごうとすると自分のリスクが高まります。余裕を持った距離を保つことで、予測しづらい状況に対応しやすくなります。
車間距離は「自分のための余白」と捉えることで、安全性が大きく高まるのです。
ライトを早めに点灯する
薄暗い時間帯の視認性を補うには、早めのライト点灯が欠かせません。
ドライバー自身が「まだ明るい」と感じていても、周囲からは車が背景に溶け込んで見えることがあります。ライトを早めに点けることで自車の存在を明確にし、歩行者や自転車に進行方向を理解してもらいやすくなるのです。
また、対向車が多い場所ではライトの反射で距離感が狂いやすいため、早めの点灯が自分にとっても視界確保につながります。年末は天候の急変も多く、突然の曇天や霧で視界が悪くなる日もあります。
迷ったらライトをつける判断が、事故防止には効果的です。
歩行者と自転車の動きを予測する
暗くなるのが早い季節は、歩行者や自転車の発見が遅れがちです。
特に買い物帰りの歩行者は荷物で視界が狭く、周囲の車の動きを把握しにくいことがあります。自転車もライト未点灯のまま走行しているケースが見られ、交差点や店舗の出入口で突然現れることも少なくありません。
「見えたら止まる」では間に合わないため、あらかじめ動きを予測する姿勢が不可欠です。歩道の幅や周囲の明るさを確認し、横断しそうな人を早めに察知することで、余裕を持った操作ができます。
歩行者や自転車は車の挙動を読みづらいため、こちらが一段深く読み取る意識が安全につながります。
長時間運転の前に休息を取る
年末は移動距離が長くなる傾向があり、気付かないうちに疲労が蓄積します。疲れがたまると注意力が落ち、急な状況変化に反応するまでの時間がわずかに遅れます。このわずかな違いが事故につながりやすいのが冬の道路です。
長距離を走る前には、短時間でも体を休めて頭をリセットすることが有効です。また、渋滞中は同じ姿勢が続き集中力が切れやすいため、休憩ポイントをあらかじめ決めておくと安心です。冬は暖房で車内が暖かくなり、眠気が強まりやすい点にも注意してください。
自分の判断力を整えるためにも、運転前には必ず休息を取りましょう。
12月の事故リスクを知り安全運転を
12月は「視認性の低下」「交通量の増加」「心理的な焦り」などが重なることで、事故リスクが高まりやすい月です。
しかし、一つ一つの行動を見直すだけで、事故の確率は大きく下げられます。速度を抑える、車間距離を広げる、早めにライトを点けるなど、今日からできる対策は多くあります。
年末は周囲のドライバーの技量や状態もさまざまなため、自分だけでなく周りの想定外にも備えた運転が重要です。
安全に過ごすためにも、余裕を持った準備と落ち着いた操作を心がけ、安心して新年を迎えられる運転環境を整えてください。




























