2023.06.23
カテゴリ:セミナー
タグ:外国人材採用
日本で働く外国人の実態とは?雇用のメリット・注目人材を解説外国人の受け入れを考えたことがある事業者の方もいますよね。しかし、日本ではどんな外国人が働いているのか、現状はよく知らないという方もいるでしょう。
そこでこの記事では、日本で働く外国人の国籍や在留資格などの情報や、昔と比較した現状を紹介します。
また、現在日本で働く外国人として注目が集まっているのがネパールの人材です。なぜネパールの人材に注目が集まっているのか、その理由も解説します。
日本で働く外国人について知りたい方は、ぜひご覧ください。
日本で働く外国人の概要
厚生労働省によると、日本で働く外国人の労働者数は令和4年10月末現在約182万人で、前年比で約95,000人増えています。国籍別の人数や割合は次の通りです。
国籍 |
人数 |
割合 |
ベトナム |
462,384人 |
25.4% |
中国 |
385,848人 |
21.2% |
フィリピン |
206,050人 |
11.3% |
日本で働く外国人の国籍はベトナムがもっとも多く、中国、フィリピンと続きます。
また、在留資格別の人数は次の通りです。
在留資格 |
人数 |
前年比 |
専門的・技術的分野の在留資格 |
479,949人 |
+21.7% |
特定活動 |
73,363人 |
+11.3% |
身分に基づく在留資格 |
595,207人 |
+2.6% |
技能実習 |
343,254人 |
-2.4% |
資格外活動(留学) |
258,636人 |
-3.3% |
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)
外国人が日本に滞在するための在留資格(ビザ)の種類については、別記事「外国人が日本に滞在するためのビザの種類は?7分類と内容を紹介」で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
日本で働く外国人の現状
20年ほど前は、外国人材は質が良いと言われていました。しかし、現在では質の良い人材はアメリカや韓国に取られてしまっています。
韓国では、2004年に雇用許可制が開始されました。雇用許可制とは、韓国内での労働を望む外国人労働者にビザを与える制度です。日本とは違い、韓国では非専門人材の外国人でも労働者として受け入れています。
雇用許可制は、日本における「技能実習生」のような立場の人に対する人権侵害が問題となったことから成立した制度です。雇用許可制が成立してから、韓国では外国人労働者が増えました。
また、アメリカでは雇用者が国内の労働者を探しても見つからない場合、外国人労働者を雇えます。アメリカ人労働者が見つからなかったことが証明できれば、外国人を「ゲストワーカー」として採用可能です。
アメリカ・韓国いずれも外国人労働者の受け入れ基準が日本よりもゆるいといえます。そのため外国人労働者にとっては、就職しやすい環境として韓国やアメリカを選ぶと考えられます。
外国人労働者を受け入れるメリット
外国人労働者を受け入れるメリットには、次のようなものがあります。
- 人手不足の解消につながる
- 多言語に対応できるようになる
- 助成金を利用できる
- 海外進出に役立つ
- 労働環境の見直しにつながる
- 発想が多様化する
それぞれ詳しく解説します。
人手不足の解消につながる
介護・飲食・製造業などの業界を中心に、人手不足に悩む企業は多くあります。求人広告を出しても人が集まらず、困っている方もいるでしょう。
外国人労働者を受け入れれば、その分だけ採用の選択肢が広がります。そのため、人手不足の解消につながる可能性があるのです。
多言語に対応できるようになる
外国人労働者を受け入れることで、さまざまな言語を母国語とする従業員が増えます。日本で働く外国人労働者はある程度日本語もできるため、顧客に対して多言語対応が可能となります。
言葉だけでなく、文化などの背景を知った上で対応できる点もメリットといえるでしょう。
助成金を利用できる
外国人を雇用することで、人材確保支援助成金を利用できます。人材確保支援助成金とは、外国人が就労するための環境を整備し、外国人労働者が定着するような職場にするための経費を一部負担する助成金のことです。
そのほか、キャリアアップ助成金やトライアル雇用助成金など、国籍を問わず利用できる助成金もあります。
海外進出に役立つ
企業が海外進出するとき、現地の文化や習慣などが壁となって停滞してしまうことも少なくありません。時には、トラブルが起きてしまうこともあるでしょう。
外国人労働者を受け入れ、現地の習慣が少しでもわかっていれば、トラブルを避けられる可能性があります。
労働環境の見直しにつながる
外国人労働者を受け入れるためには、国籍や文化などを問わず働きやすい環境を整える必要があります。
多くの人が働きやすい環境は、日本人にとっても働きやすい環境となる可能性が高いでしょう。働きやすい環境を整えることは今いる従業員にとってメリットがあるだけでなく、これから新しい従業員を採用する際にも役立つ可能性があります。
発想が多様化する
外国人労働者を受け入れると、さまざまな価値観を持った人材が入ってきます。それぞれバックグラウンドも考え方も異なるため、従業員の発想が多様化します。
さまざまな発想を組み合わせれば、あらたなアイディアが生まれる可能性もあるのです。
ネパールの人材に注目が集まる理由
一言で外国人労働者といっても、さまざまな国から日本に働きにきています。その中で、現在注目が集まっているのがネパールの人材です。ネパールの人材に注目が集まる理由は次の通りです。
- 政府に認定された送り出し機関がない
- 仕事に対するモチベーションが高い
- 日本と文化面で似ている部分が多い
それぞれ、詳しく解説します。
政府に認定された送り出し機関がない
送り出し機関とは、外国で働きたい人材を募集し、それぞれ働きたい国への斡旋を行う機関です。語学や基礎的な教育、受け入れ企業との面接のセッティング、入国のための書類作成などを行います。大学でいうところの奨学金を出してくれるような機関です。
ベトナムやフィリピンなど、日本に働きに来る外国人労働者が多い国には、政府に認定された送り出し機関があります。しかし、ネパールには政府に認定された送り出し機関がありません。その分外国に働きに行く手段が少なく、良い人材が眠っている可能性が高いのです。
仕事に対するモチベーションが高い
ネパールの平均年収は資料によって差がありますが、およそ10〜30万円程度とされています。つまり、日本で1ヶ月働けば、ネパールの平均年収と同程度の給料が得られます。
日本では安価と言われるような給与額でも、自国で働くのと比べると高い給与を得られるのです。また、日本の技術を自国に持ち帰りたいと考えている人も多く、仕事に対するモチベーションが高い傾向があります。
日本と文化面で似ている部分が多い
ネパールと日本は、文化面で似ている部分が多くあります。例えば、次のようなポイントです。
- 年長者を敬う
- 助け合いの精神がある
- 我慢強い
- 控えめな性格の人が多い
日本と似ている部分が多いため、日本での生活にもなじみやすいと考えられています。
日本で働く外国人を受け入れるメリットは大きい
日本で働く外国人は、令和4年10月現在約182万人います。現状ではベトナムや中国、フィリピンなどの国籍の人が多いのですが、良い人材が眠っている可能性が高い国として、ネパールも注目を集めています。
外国人労働者を受け入れるメリットは、人手不足の解消につながるだけではありません。多言語対応が可能になる、労働環境の見直しにつながるなどの点もメリットといえるでしょう。
この記事を参考に、日本で働く外国人の受け入れについて考えてみてください。