2025.10.26
カテゴリ:安心/安全/教育
タグ:ノウハウ
逆走車を発見したらどう対処する?事故を避けるための対策も解説高齢ドライバーの増加や進行方向の誤認などを背景に、高速道路を逆走する車両が発生するケースが年々報告されています。こうした逆走車は、正面衝突といった致命的な事故につながる危険性が高く、運転者には迅速かつ的確な判断が求められます。
この記事では、逆走車を発見したときの適切な通報方法、事故を防ぐための具体的な対策、さらには万が一自分が逆走してしまった場合の対処法について、実践的な観点から詳しく解説します。
緊急時に冷静に対応できるよう、知識を備えておくことが安全運転の第一歩です。ご自身やご家族の命を守るためにも、ぜひ最後までご確認ください。
逆走車を発見したらどう対処する?
逆走車を発見した際は、速やかに通報することが最も重要です。通報が遅れると、被害の拡大を招くリスクが高まるためです。
通報時は、まず同乗者がいる場合にはその方に110番または「#9910(道路緊急ダイヤル)」をかけてもらいましょう。運転者が通報する場合は、安全な場所まで移動したうえで停車し、通報してください。
高速道路上に設置してある非常電話も通報に利用できます。非常電話は500メートル間隔で設置されており、発信元が特定されるため、位置情報を正確に伝える手間を省ける点がメリットです。
通報の際には、次のような情報を伝えましょう。
- 高速道路名、上り・下りの別、キロポスト位置
- 逆走車の進行方向・走行位置
- 車種・色・ナンバープレート(確認できる範囲で)
迅速に通報を行うことで、逆走車の早期発見と対応が可能となります。
逆走車との事故を避けるための対策
逆走車との事故を避けるためには、次のような対策を行いましょう。それぞれ、詳しく解説します。
- 情報板の逆走情報に注意する
- 左側の車線に移動する
- 速度を落とし車間距離を取って走行する
- 逆走車両を目撃したらハザードランプをたいて周囲の車に知らせる
情報板の逆走情報に注意する
高速道路や主要幹線道路では、情報板を活用して逆走車の情報がリアルタイムで掲示されます。逆走車の出現地点や走行方向などが表示されるため、該当区間を走行中の場合には早急に警戒体制を取りましょう。
「この先逆走車あり」と表示された場合には、直ちに速度を落とし、周囲の交通状況に注意を払ってください。見落としやすい情報板の表示を見逃さないよう、日頃から運転中は表示内容を意識することが重要です。
わずかな意識の変化が事故回避の可能性を高めるため、情報板を「読むだけ」で終わらせず、運転行動に反映させることが求められます。
左側の車線に移動する
逆走車の多くは、道路の中央側、つまり追越車線や右車線を逆走してくる傾向があります。そのため、逆走情報を確認した際には、左側の走行車線に速やかに移動することで、正面衝突のリスクを大きく低減できます。
また、左車線の方が非常駐車帯や退避スペースが確保されているケースが多く、緊急回避行動を取りやすい点もメリットです。逆走の可能性がある状況下では「右車線を避ける」という判断を徹底しましょう。
複数車線ある道路であっても、左車線に寄るという意識を持つことで、より安全な走行が可能となります。鉢合わせを回避するために、逆走車情報が出た場合には左側の車線に移動しましょう。
速度を落とし車間距離を取って走行する
逆走車が出現した際に最も重要なのは、反応時間を確保することです。そのためには、速度を落とし、前方車両との車間距離を広く取って走行することが効果的です。
速度が速い状態では、対向する逆走車を視認しても回避操作が間に合わない可能性が高まります。また、車間距離が短いと、前方車両が急ブレーキをかけた際に追突事故が起きるおそれもあります。
逆走情報が発信された区間では、速度を通常より10〜20km/h程度落とし、最低でも通常の1.5倍以上の車間距離を確保してください。減速し車間距離を確保しておくことで、緊急時の対応に役立つ可能性があります。
逆走車両を目撃したらハザードランプをたいて周囲の車に知らせる
逆走車を目撃した際には、後続車や周囲の車両に対して危険を知らせるために、ハザードランプを点滅させましょう。視覚的な警告は、後続車に「何か異常が起きている」という注意喚起を即座に行える有効な手段です。
特に夜間や雨天時は視界が悪く、逆走車の発見が遅れやすいため、ハザードによる情報共有がより重要になります。
目撃した位置や逆走車の進行方向などの情報はできる限り記憶しておき、通報時に正確に伝えるようにしましょう。自分自身の安全を確保しつつ、周囲のドライバーにも注意を促す姿勢が求められます。
万が一逆走してしまった場合の対処方法
万が一自分が逆走していることに気付いたら、次のように対処しましょう。それぞれ、詳しく解説します。
- 安全な場所にハザードランプをたいて停車する
- 安全な場所に避難する
- 110番や非常電話で通報する
安全な場所にハザードランプをたいて停車する
運転中に自分が逆走していると気づいたら、最優先すべきは周囲との衝突を防ぐことです。すぐにハザードランプを点灯し、路肩や非常駐車帯など、安全が確保できる場所に速やかに停車してください。
焦ってUターンや急な方向転換を試みると、かえって二次被害を引き起こすリスクが高まります。停車中はエンジンをかけたままハザードを点灯させ、他車に自車の存在を明示しておくことが重要です。
逆走に気づいた時点で行動を誤らなければ、事故は未然に防げます。慌てず、まずは安全な停止を徹底してください。
安全な場所に避難する
停車後、車外に出る必要がある場合は、必ず後方確認を行ったうえで、安全な位置に避難してください。高速道路上では予想以上の速度で車両が接近するため、避難の際はガードレールの外側や防護壁の裏側など、物理的に保護される場所を選ぶ必要があります。
特に夜間や悪天候下ではドライバーが車外にいることに他車が気づきにくいため、反射材付きのベストなどを着用するのが望ましいでしょう。自車に残るよりも、一定の距離を取って待機したほうが安全性は高まります。
道路上にとどまるのではなく退避行動を取ることが、命を守るための基本です。
110番や非常電話で通報する
安全が確保できたら、速やかに110番または高速道路の非常電話で通報を行いましょう。自分の現在地を正確に伝えることが、適切なサポートと安全確保につながります。
キロポストやインターチェンジ名、方向(上り・下り)、逆走開始地点などがわかる場合は、通報時にできるだけ詳しく伝えてください。逆走の意図がなくても、法令違反となる場合がありますが、誠実に状況を説明し、適切な誘導を受けることが最優先です。
一人で抱え込まず、速やかに外部へ状況を共有することで、事故の拡大や自他への被害を防げます。
逆走車を発見したら安全な場所から通報を
逆走車を発見した際は、安全な場所に停車して通報することが重要です。110番や非常電話を使い、高速道路名・キロポスト・逆走車の特徴などを正確に伝えることで、早期の対応が可能となります。
また、逆走車との事故を防ぐには、情報板の確認、左車線への移動、減速と車間距離の確保、さらにハザードランプによる周囲への警告が有効です。万が一自身が逆走してしまった場合も、焦らず安全に停車・避難し、速やかに通報することで被害を最小限に抑えられます。
これらの対処法を事前に把握しておくことが、緊急時の判断力につながります。いざというときに冷静に対応できるよう、この記事の内容を確認し、運転時の意識向上に役立ててください。



























