2025.09.19
カテゴリ:運行管理
タグ:ノウハウ
派遣スタッフ用送迎バスを運行する理由とは?2種類の運行方法も紹介派遣スタッフと契約する際、駅や寮などから事業所までの送迎バスを用意するケースがあります。しかし「派遣スタッフ向けの送迎バスを用意した方がいいの?」「派遣スタッフ向けの送迎バスはどのように運行したらいいの?」と悩まれるご担当者様も多くいます。
そこで今回は、派遣スタッフ向けの送迎バスを用意する理由やメリットを解説します。運行方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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派遣スタッフ向けの送迎バスを用意する理由
人材を必要とする派遣先企業とスタッフ派遣契約をする際、事業所によっては派遣スタッフ向けの送迎バスを用意することがあります。
送迎バスを用意する大きな理由は、公共交通機関が不便、もしくはまったくないことです。車がなければ通勤が困難な場合に、派遣スタッフ向けの送迎バスが運行されます。
派遣先企業が送迎バスを準備することができない場合、顧客満足度を高めるために派遣会社が送迎の仕組みを用意することもあります。
派遣スタッフ向けの送迎バスを用意する4つのメリット
派遣スタッフ向けの送迎バスを用意するメリットは、主に次の4つです。
- スタッフを集めやすい
- 大規模な駐車場が不要
- 労災の可能性を下げられる
- 派遣先企業の満足度が高まる
それぞれの項目について、詳しく解説します。
スタッフを集めやすい
派遣スタッフとして働く人の中には、自家用車や免許を持っていない人も多くいます。通勤に自家用車が必須となる場合、それだけで働ける人の数が減ってしまうでしょう。しかし、駅やバス停などから送迎バスで通勤できるのであれば、通勤が可能な人が増えます。多くの人を必要としている事業所ほど、送迎バスを用意するメリットが大きいと言えるでしょう。
また、通勤にはストレスがつきものです。通勤で生じるストレスの例として、次のようなものが挙げられます。
- 座席に座れず立ったままでの移動
- 公共交通機関の本数が少ないために生まれる無駄な時間
- 悪天候の場合の徒歩移動
- 事故やトラブルによる公共交通機関の遅延
上記の通勤ストレスは、どれも送迎の仕組みを導入すれば軽減するものばかりです。例えば、派遣スタッフの人数に合わせて送迎バスを導入すればみんなが座って通勤できますし、始業時間に合わせて運行すれば無駄な時間を減らせます。また、徒歩移動の距離が少なければ天候が悪くても気になりにくいことに加え、公共交通機関に比べて遅延や運休の可能性が低いこともメリットです。派遣スタッフの通勤ストレスを減らせば、その分のエネルギーを仕事に注いでもらえる可能性があります。
大規模な駐車場が不要
派遣スタッフを含むすべてのスタッフが自家用車で通勤する場合、人数に応じた広さの駐車場が必要です。時期によって契約する派遣スタッフの人数に繁閑差がある場合でも、常に多くの駐車場を確保しておかなければなりません。しかし、送迎を導入すれば、駐車場は送迎バスの分だけ確保すれば大丈夫です。十分な駐車スペースを用意できない場合にも、送迎バスが役立ちます。
労災の可能性を下げられる
通勤中の事故は、労災に該当します。派遣スタッフの場合、実際に労災保険を使用するのは派遣元の会社ですが、派遣スタッフを受け入れる企業でも発生状況の説明や各種書類の作成などを行わなければならず、手間がかかります。送迎バスを導入すると、1台に多くのスタッフがまとめて乗ることで事故の確率が下がります。プロのドライバーが運転する送迎バスであれば、さらに事故の可能性を減らせるでしょう。
派遣先企業の満足度が高まる
派遣先企業の立地によっては、公共交通機関での通勤が困難なことがあります。その際には最寄りの駅から勤務地までの通勤バスを用意すればよいですが、人材の確保や車両の管理が面倒だと考える企業も少なくありません。
そこで送迎バスを代わりに運行することで、派遣先企業は手間が減り、顧客満足度の向上にもつながるのです。
派遣スタッフ用送迎バスが必要かどうかの判断基準
派遣スタッフ用送迎バスが必要かどうかは、次の3つのポイントで判断しましょう。それぞれ、詳しく紹介します。
- 勤務地までの通勤手段の有無
- 応募者層の通勤事情
- 通勤環境が理由で離職したケースの有無
勤務地までの通勤手段の有無
まず最初に確認すべきは、勤務地までの通勤手段がどの程度整備されているかです。最寄り駅やバス停から徒歩で通える距離にあるか、通勤時間帯に運行している公共交通機関があるか、天候による影響を受けやすくないかなどをチェックしましょう。
工場や倉庫などの郊外立地では、公共交通機関がほとんど使えないケースも多く、徒歩や自転車では現実的に通勤できないこともあります。通勤が困難な環境である場合、送迎手段の用意は人材確保に直結します。逆に、公共交通機関が豊富でアクセスも良好なエリアであれば、送迎バスの必要性は下がるでしょう。
応募者層の通勤事情
通勤手段の有無に加えて、実際の応募者層がどのような交通手段を持っているかを把握することも重要です。特に若年層や外国人労働者など、車やバイクを所有していないケースも多く、通勤手段が限られていることがあります。「免許を持っていない」「自転車しか使えない」といった声が見られる場合、送迎バスがあるかどうかで応募のハードルが大きく変わります。
これまでの応募者の通勤手段をヒアリングしたり、応募者データを分析することで、送迎のニーズをより正確に把握できます。実態に合った手段を提供することで、採用効率を高めることが可能です。
通勤環境が理由で離職したケースの有無
過去に「通勤が負担で続けられなかった」という理由で派遣スタッフが離職したことがある場合は、送迎バスの導入を前向きに検討すべきです。特に、バスや電車の本数が少なく始業時間に間に合わない、乗り換えが多く時間がかかる、悪天候時の移動が大変など、通勤ストレスが積み重なることで定着率が低下している可能性があります。
定期的に離職理由を集計・分析し、通勤に関する言及が多い場合は、送迎バスの整備が解決策となり得ます。採用した人材が長く働ける環境を整えるためにも、通勤環境の改善は重要な投資といえるでしょう。
派遣スタッフ送迎バスの運行方法は2種類
派遣スタッフ送迎バスの運行方法は、主に次の2種類です。
- 自社スタッフによる運用
- 代行業者による運用
それぞれの方法について、詳しく解説します。
自社スタッフによる運用
派遣スタッフの送迎バスを、自社スタッフによって運行している事業所も多くあります。自社スタッフによる運用では、運転専門のスタッフを雇用する場合と既存のスタッフが運転業務を行う場合の2種類に分けられます。
代行業者による運用
派遣スタッフ送迎バスの、代行業者を利用する方法もあります。さまざまな手間を省いて送迎バスを運行したい、送迎バスの運行をプロに任せたいなどの場合には、代行業者を利用すると便利です。
自社スタッフによる送迎バス運行で発生しやすい課題
自社スタッフによる送迎バスの運行では、次のような課題が発生する可能性があります。それぞれ、詳しく解説します。
- 運行管理の負担が発生する
- 効率の良い運行ルートを組むのが難しい
- ドライバーが欠勤する際の対応が必要
- 不慣れなスタッフも運転しなければならなくなる可能性がある
- 車両の点検やメンテナンスに手間がかかる
- 事故やトラブルが発生した場合の対応が必要
- 閑散期にもドライバーを雇用し続けなければならない
運行管理の負担が発生する
派遣スタッフの送迎バスを自社で運行すると、日々の運行管理が大きな負担となります。送迎は単に車を走らせるだけではなく、シフト調整や出発・到着時刻の確認、急な欠勤や遅刻への対応など、多数の業務が発生するためです。
特に派遣スタッフの勤務先は工場や倉庫のように郊外に位置することが多く、始業・終業時間も夜間や早朝に及ぶ場合があります。そのため、送迎バスの運行スケジュールを細かく管理しないと、勤務開始に遅れが出て企業全体の生産計画に影響を及ぼしかねません。
たとえば、朝6時始業のライン作業に合わせて5時台に現場到着させる必要がある場合、わずかな遅延でも稼働が滞ります。さらに、複数拠点で派遣スタッフを運んでいると、運行表の更新や調整に担当者が常に追われる状況も起こりやすいでしょう。
結果として、本来の人材管理業務に集中できず、担当者の負担増につながります。送迎運行は単なる付帯業務ではなく、会社全体の労務管理や生産効率に直結する責任の重いタスクだと理解する必要があります。
効率の良い運行ルートを組むのが難しい
送迎バスを自社で運行する際、最大の課題の一つが「効率的なルート設計」です。派遣スタッフは居住地が分散しており、全員をスムーズに送迎しようとすると遠回りや待ち時間が発生しがちです。
出発地点や勤務先が複数に分かれている場合、全員の希望を反映させるルートは存在せず、必ず誰かに負担が偏るためです。たとえば、あるスタッフは自宅から15分で現場に着けるのに、送迎を利用すると1時間以上かかるというケースも珍しくありません。その結果、スタッフの不満が高まり、離職率の上昇につながる恐れもあります。
また、工場や物流拠点は始業時刻が集中するため、渋滞や道路工事などの突発的な要因も運行計画を乱します。効率的なルートを組むには、居住地やシフト状況をデータ化し、複数の候補ルートをシミュレーションする仕組みが必要ですが、これを人力で毎回行うのは現実的ではありません。
結果として「最適解を求め続ける管理業務」が企業担当者にのしかかり、時間的コストを押し上げるのです。
ドライバーが欠勤する際の対応が必要
自社スタッフによる送迎バス運行で意外と見落とされがちなのが、ドライバーの欠勤対応です。欠勤は体調不良や家族の事情など予測不能な要因で発生し、当日の朝に連絡が入るケースも少なくありません。その場合、代わりの人材を即座に確保できなければ、派遣スタッフが現場に到着できず、業務全体に遅延をもたらすリスクがあります。
特に製造業や物流業ではシフト制が多く、始業時刻の遅れは生産ラインの停止や配送遅延に直結するため、企業にとって大きな損失につながります。たとえば、工場勤務の派遣スタッフを乗せる送迎バスが1便でも欠航すると、数十人規模が同時に出勤できない状況が発生しかねません。
自社運行の場合、代替ドライバーを常に待機させることは現実的ではなく、結果として管理部門の担当者が急遽ハンドルを握ることになる事例もあります。これは安全面のリスクを高めるだけでなく、担当者本来の業務に支障をきたします。
欠勤リスクをどうカバーするかを事前に決めておかなければ、運行の安定性は維持できません。
不慣れなスタッフも運転しなければならなくなる可能性がある
自社スタッフで送迎を担う場合、ドライバーが不足すると「運転に不慣れな社員」が代わりにハンドルを握らざるを得ない状況が発生します。これは安全性と業務効率の両面で大きなリスクを伴います。
普段は人事や総務を担当している社員が、急遽送迎を任されるケースを想像してください。道路事情に不慣れでルートも十分に把握していなければ、送迎時間が大幅に遅れる可能性があります。さらに、大型バスやワゴン車の運転経験が乏しい場合、駐車やバック操作でヒヤリとする場面も増えるでしょう。その結果、派遣スタッフの出勤に遅延が生じ、現場の稼働計画全体に影響が及びます。
また、社員本人にとっても本来の業務時間を割かれることになり、組織全体の生産性を下げかねません。安全教育や地理研修を実施したとしても、経験不足を短期間で補うのは難しいのが実情です。
送迎が「誰でもできる単純業務」と誤解されやすいからこそ、不慣れなスタッフが運転せざるを得ない体制は、企業にとって避けるべきリスクだと言えます。
車両の点検やメンテナンスに手間がかかる
送迎バスを自社で保有・運行する場合、車両管理の負担は想像以上に大きくなります。日常的な点検や清掃に加え、オイル交換やタイヤ交換、法定点検や車検などを定期的に実施しなければならず、これを怠ると安全面のリスクや行政からの指導につながるためです。
特に送迎車両は毎日長距離を走行するケースが多く、劣化や消耗のスピードも一般車両より速い傾向があります。そのため、整備スケジュールを綿密に管理し、故障を未然に防ぐ取り組みが欠かせません。
例えば、点検を後回しにした結果、送迎中にエンジントラブルが発生すれば、スタッフの出勤に遅れが生じるだけでなく、会社全体の信用を失うリスクすらあります。また、車両の清掃や消毒も忘れてはならず、特に多人数を乗せる場合は衛生管理も重要です。
こうした維持管理には専門的な知識と労力が必要であり、担当者にとって大きな負担となります。送迎を自社運行するなら「運転」だけでなく「保守管理」にも人員と時間を割く覚悟が求められるのです。
事故やトラブルが発生した場合の対応が必要
送迎バスを自社で運行する以上、事故やトラブルが発生した際の対応責任はすべて会社に降りかかります。たとえ軽微な接触事故であっても、警察や保険会社への連絡、派遣スタッフの安全確保、勤務先への遅延連絡など、短時間で複数の対応を同時並行で進めなければなりません。特にスタッフにケガが発生した場合は、救急搬送や労災対応が加わり、管理部門は通常業務を中断して奔走することになります。
例えば、出勤途中の渋滞中に追突事故が起きれば、現場到着が遅れてライン稼働に支障が出るだけでなく、SNSでの拡散などよって企業の信頼低下にも直結しかねません。さらに、トラブルは事故だけではありません。急な車両故障や交通規制による遅延も日常的に起こり得ます。
外部の送迎業者であればこうしたリスクに備えたマニュアルや代替手段が整備されていますが、自社運行の場合はそのすべてを自社内で完結させる必要があります。万が一の事態に備えた危機管理体制を整えていなければ、企業全体の信頼を揺るがす事態に発展しかねないのです。
閑散期にもドライバーを雇用し続けなければならない
送迎バスを自社で運行する場合、繁忙期と閑散期の差にかかわらず、ドライバーを雇用し続けなければならない場合があります。
繁忙期はフル稼働しても人手が足りないほどですが、派遣スタッフの稼働が減る閑散期には送迎回数が激減し、ドライバーが待機状態になることも少なくありません。それでも雇用契約を結んでいる以上、人件費は固定費として発生し続けます。結果として「車は走っていないのに給与だけが支払われる」という非効率な状態が生じやすいのです。
たとえば、物流拠点では繁忙期の年末年始と閑散期の春先で送迎需要が半減することがありますが、この波に合わせてドライバーを増減させるのは現実的に困難です。加えて、雇用を不安定にすると熟練ドライバーの流出を招き、繁忙期に再び採用難に陥るという悪循環にもなります。
つまり、自社運行を選んだ場合には、年間を通じて発生する人件費を固定費として覚悟しなければなりません。需要の波が大きい業種ほど、この固定的な雇用負担は経営効率を圧迫する大きな要因となるのです。
派遣スタッフ送迎バスの代行業者を利用する5つのメリット
派遣スタッフ送迎バスの代行業者を利用するのには、次の5つのメリットがあります。
- 運行ルートの作成が不要
- 運転手の欠勤に対応できる
- 車両点検などの管理が不要
- 必要なときだけ依頼できる
- 万が一事故があっても対応の手間がかからない
それぞれの項目について、自社スタッフによる運行の場合と比較しながら解説します。
1.運行ルートの作成が不要
自社スタッフが送迎バスを運行する場合には、当然運行ルートの作成も自社で行わなければなりません。しかし、代行業者を利用する場合には、運行ルートの作成も代行業者が行います。最寄駅から勤務地までだけでなく、従業員の居住地へのルート作成も可能です。プロが運行ルートを作成することで、より効率よく運行できる可能性があります。
2.運転手の欠勤に対応できる
自社スタッフが送迎バスを運行する場合、運転を担当する社員が体調不良などで欠勤した場合には、代わりのスタッフを探さなければなりません。普段運転業務を行っていないスタッフが送迎バスを運転する場合、運行ルートの把握などに時間がかかることもあります。代行業者を利用する場合、普段のスタッフが欠勤した場合でも、代わりのスタッフを自社で探す必要はありません。
3.車両点検などの管理が不要
自社スタッフが送迎バスを運行する場合、運転手だけでなく車両の管理も必要です。日常的な点検は手間がかかるだけでなく、見落としが事故に繋がる可能性もあります。代行業者を利用すれば、手間がかからないだけでなく、プロが点検するので安心です。
4.必要なときだけ依頼できる
常に派遣スタッフを募集しているわけではなく、繁忙期だけの契約としている事業所も多くあります。自社で送迎バスを運行すると、繁忙期にも関わらず送迎バスを運転するためにリソースが奪われてしまいます。また、運転専門の社員を雇う場合、繁忙期以外にも仕事を用意しなければなりません。しかし、代行業者なら繁忙期だけ利用するなど、必要なときだけ依頼できます。
5.万が一事故があっても対応の手間がかからない
自社で送迎バスを運行していて、万が一事故が起きた場合には自社で対応を行わなければなりません。しかし、送迎代行を利用する場合には代行業者が事故対応を行います。つまり、事故対応にかかるさまざまな時間や手間を削減できます。
派遣スタッフ送迎バスの代行業者を利用するデメリット
派遣スタッフ送迎バスの代行業者を利用するデメリットは次の2つです。
- 採用に直接関われない
- 単発での依頼は割高になる可能性がある
それぞれの項目について、詳しく解説します。
採用に直接関われない
自社で送迎バスを運行する場合、他の業務を行う社員が運転する場合も、運転業務専門の社員を雇う場合にも、直接自社に合った人材を選べます。しかし、代行業者を利用する場合には、直接採用活動に関わることはできません。
単発での依頼は割高になる可能性がある
普段は自社で送迎バスを運行して、自社のスタッフが休みのときだけ代行業者を依頼するといった使い方も可能です。しかし、そのような単発での依頼は料金が割高になる可能性があります。また、当日の申し込みは受け付けていない代行業者が多いため、体調不良などによる突然の欠勤の際に代行業者に依頼するのは難しいと考えておいたほうが良いでしょう。
送迎バス導入を成功させるための運用ポイント
送迎バスの導入を成功させるためには、次の2つのポイントに注力しましょう。それぞれ、詳しく解説します。
- スタッフのニーズを反映したルート設計
- トラブル防止のためのルール整備
スタッフのニーズを反映したルート設計
送迎バスの効果を最大化するには、スタッフの居住地や通勤時間帯に合わせたルート設計が重要です。特に派遣スタッフは広範囲から通勤するケースも多く、単純に「駅から勤務地へ」というルートだけでなく、自宅近くに立ち寄る「ピックアップルート」も検討するとよいでしょう。
また、通勤時間が過度に長くならないよう、複数のルートを設定する、乗車人数に応じて車両を増やすといった柔軟な設計も求められます。事前にアンケートを実施してニーズを把握する、定期的に見直しを行うなど、現場の声を取り入れながら運用することが、送迎バスの満足度と活用率を高めるポイントです。
トラブル防止のためのルール整備
送迎バスの運用にあたっては、乗車マナーやトラブル時の対応ルールを明文化しておくことが欠かせません。たとえば、「○分前までに乗車場所に到着しておく」「無断キャンセルは原則禁止」などの基本ルールを定めておくことで、遅延やトラブルの防止につながります。
また、急な欠勤や天候不良による運行変更時の連絡体制、非常時の緊急連絡先や代替手段も事前に整備しておくことが大切です。ルールをスタッフ全員に周知・共有するだけでなく、乗車前の同意書の取得やマニュアル化によって、トラブル発生時にも冷静かつ迅速に対応できる体制を整えましょう。
送迎バスの活用が特に効果的なケース
送迎バスは、特に次のようなケースで効果的です。
- 人手不足の地方工場・物流倉庫
- 夜勤・シフト勤務など時間帯が不規則な現場
人手不足の地方工場・物流倉庫
地方に立地する工場や物流倉庫では、最寄り駅から距離がある、バスの本数が少ないなどの理由から、公共交通機関だけでは通勤が難しいことが多々あります。こうした地域では「通勤手段がないから応募できない」という求職者の離脱を招きやすく、深刻な人手不足につながっている可能性があるのです。
送迎バスを導入することで、通勤手段を持たない人にも働く機会を提供でき、応募のハードルを下げられます。地域の労働力を最大限に活用するためにも、交通インフラが整っていないエリアでの送迎バスは極めて有効な対策といえるでしょう。
夜勤・シフト勤務など時間帯が不規則な現場
夜勤や早朝・深夜のシフトがある現場では、公共交通機関の運行時間と合わず、通勤が困難になるケースがよくあります。特に終電後や始発前の時間帯では、移動手段がなく就業を断念する人も少なくありません。
送迎バスがあれば、勤務時間に合わせた柔軟な運行が可能になり、求職者にとって働きやすい環境を整えることができます。また、暗い時間帯の徒歩通勤に不安を感じる人や、通勤トラブルを避けたいと考える人にとっても安心材料となります。結果として、採用率や定着率の向上に貢献する手段となるでしょう。
派遣スタッフ送迎の導入事例
ビジネスサポートでは、広島県廿日市市にある人材派遣会社でスタッフの送迎を実施しています。
当初は派遣スタッフの送迎は社内スタッフが担当していましたが、労務コストが重く業務に専念できないため解決策を検討していたといいます。そこでビジネスサポートの送迎代行サービスを知り、ご依頼いただくこととなりました。
導入して良かった点として、以下の2点を挙げていただいています。
- 送迎に関することを全て任せられるので労務コストが軽減できた
- 社員の労働時間を大幅に削減し社内の労働環境改善につながった
車種や送迎人数などの導入内容は次の通りです。
車種 |
マイクロバス |
ルート |
最寄り駅⇔工場 |
送迎人数 |
約100人/1日 |
送迎頻度 |
朝便・夕便 各1便ずつ |
派遣スタッフ送迎バス導入で派遣スタッフの満足度が高まる
派遣スタッフ向けの送迎バスを用意することで、スタッフの満足度を高められることに加え、大規模な駐車場が不要になるなどのメリットがあります。派遣スタッフ向けの送迎バスの運行方法は、自社で運行するやり方と代行業者に依頼するやり方の2種類です。
代行業者への依頼はメリットが多いのですが、デメリットもあります。この記事を参考に、メリット・デメリットを理解したうえで、派遣スタッフ送迎バスの運行について考えてみてください。
送迎バスに手が回らず、「なんとなく」で運用してしまっている方へ
「他の業務に追われ、属人的に運用している」
「長年外注しているが、契約内容を見直したい」
このようなお悩みは、車両運行管理業の専門【ビジネスサポート】にご相談ください。日常の送迎業務だけでなく、ドライバーの採用・労務管理、送迎ルートの作成、車両点検、もしもの事故対応まですべて請け負います。ご用意していただくのは車両だけです。
想定送迎人数もしくは車両台数、1日の想定稼働時間帯、地域、週間稼働日数を記載いただければ、最短翌日に見積もりをお出しします。
記事の内容に関して、電話での問い合わせを一時受付停止しております。記事に関する質問・問い合わせはお問い合わせフォームよりお寄せください。