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自動車運行管理ラボ

2024.02.25

カテゴリ:運行管理

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エコ通勤とは?推進するメリット・導入の手引きを簡単に解説

エコ通勤

エコ通勤という言葉は聞いたことがあっても、その詳しい内容はよくわからないという方は多くいます。また、エコ通勤は従業員が取り組むものであって、事業者にはあまり関係がないと考えている方もいるでしょう。

しかし実は、事業者の積極的な取り組みによって、エコ通勤を実施する従業員の数が増える可能性があります。また、エコ通勤の推進は、事業者側にもメリットがある取り組みです。

本記事では、そもそもエコ通勤とは何か、エコ通勤のメリットや推進のためにできることとあわせて解説します。

 

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エコ通勤とは

エコ通勤とは、マイカーでの通勤を環境にやさしい方法での通勤に切り替える取り組みのことを指します。マイカーは、二酸化炭素の排出量が多い乗り物です。人1人を1km運ぶのに排出される二酸化炭素の量をグラフで示すと次のようになります。

エコ通勤

引用:輸送量あたりの二酸化炭素の排出量|国土交通省

多くの人が次のような手段で通勤するようになると、社会全体の二酸化炭素排出量を減らせます。

  • 鉄道
  • バス
  • 自転車
  • 徒歩
  • 送迎バス

在宅勤務やテレワーク、時差出勤もエコ通勤の一種です。

エコ通勤は、政府が目指す「カーボンニュートラル」や、環境省の「ゼロカーボンシティ」の動向に合致するものでもあります。そのため、国はもちろん各地方自治体でも、エコ通勤を推奨しています。

また、社会全体がエコ通勤を導入することで、次のようにさまざまなメリットがあります。

  • 公共交通機関の維持
  • 渋滞解消
  • 環境負荷軽減

事業者がエコ通勤を推進することは、社会的責任を果たすことにつながります。

エコ通勤による企業のメリット

エコ通勤を推進すると、企業にも次のようなメリットがあります。

  • 従業員の事故減少
  • 従業員の健康向上
  • 企業のイメージ向上
  • 駐車場の費用削減

 

通勤時の事故減少

マイカーでの通勤を減らし、公共交通機関での通勤に切り替えることで、事故の減少が期待できます。もちろん、公共交通機関を利用していても事故に遭う確率はゼロではありません。しかし、一般ドライバーである従業員自身が運転する場合と比べると、プロが運転する公共交通機関を利用することで、事故の確率を下げられます。

従業員の健康向上

マイカーで通勤する場合、自宅から事業所まで車で移動するため、通勤中の運動量は少なくなりがちです。しかし、公共交通機関を利用する場合には駅やバス停まで移動しなければならないため、それだけでもちょっとした運動になります。また、バスや電車の中で立っていると、座って自家用車を運転する場合に比べてカロリー消費量が大きくなります。

徒歩や自転車通勤であれば、さらに大きなカロリーを消費するでしょう。運動不足はメタボリックシンドロームの原因となり、そこから心臓疾患など大きな病気につながることもあります。エコ通勤を推進すると、通勤時に自然と運動できるようになり、社員の健康向上につながります。

企業のイメージ向上

環境問題に関心を持っている人は多くいます。そのため、エコ通勤を推進し、取り組みを企業の公式サイトなどでアピールすれば、企業のイメージアップにつながるでしょう。企業のイメージが向上することで、商品に注目してもらえるチャンスが増える、求人への応募が増えるなどの効果が期待できます。

エコ通勤に関して高い意識を持ち、積極的な取り組みを行っている企業を認証する「エコ通勤優良事業所認証制度」もあります。認証を受けると、事業所名などが紹介されるほか、自社のWebサイトや刊行物にエコ通勤優良事業所認定のロゴを利用可能です。また、特に優秀な取り組みを行っている事業所は、国土交通大臣からの表彰を受けられる可能性もあります。

駐車場の費用削減

マイカーで通勤する従業員が多いと、企業は駐車場を確保しなければなりません。エコ通勤によってマイカーで通勤する従業員が減れば、必要な駐車場の数が減ります。その分駐車場の費用を削減可能です。

エコ通勤を実施する手順

エコ通勤を実施する際には、次の手順で準備を進めるとよいでしょう。各手順について、詳しく解説します。

  • 自社でどのような取り組みを行うか計画を立てる
  • 計画に沿ってエコ通勤の取り組みを実施する
  • 通勤の実態を把握する
  • 必要に応じて改善策を検討する

自社でどのような取り組みを行うか計画を立てる

いきなり何かを始めるのではなく、まずどのような取り組みを行うか計画を立てましょう。

必要に応じて、担当者や担当部署を決めます。さらに、基本的な方針を決めます。まずは、従業員がどのような方法で通勤しているのか知るところから始めるのが一般的です。マイカーで通勤している従業員の割合はどの程度か、公共交通機関を使わない理由は何かを調査しましょう。

調査した結果をもとに、自社にはどのような取り組みが合うのか検討・決定します。

計画に沿ってエコ通勤の取り組みを実施する

次に、決まった計画に沿ってエコ通勤の取り組みを実施します。まずは、従業員に取り組みの内容を周知するところから始めましょう。

特に、新入社員が多い時期や、派遣従業員が多く頻繁に人が入れ替わるような職場では、1度だけでなく何度も周知する必要があります。マイカー通勤以外にも、さまざまな通勤手段があることを知ってもらえるだけでも、エコ通勤の促進につながります。

通勤の実態を把握する

エコ通勤の取り組みを始めてしばらく経ったら、通勤の手段がどの程度変わったのか知るために実態を把握しましょう。計画段階であらかじめ具体的な目標を立てておくと、目標を達成できたか否かを数値で判断できます。

必要に応じて改善策を検討する

取り組み後の調査結果次第では、改善策の検討が必要となる場合があります。例えば、積極的に取り組みを行っているにも関わらず、マイカー通勤者の割合が減っていない場合には、改善策を考える必要があるでしょう。

改善を行う場合には、マイカー通勤を行う理由を確かめるとともに、より従業員にメリットを提供できる方法がないか考えてみてください。

エコ通勤推進のために事業者ができること

前項でエコ通勤を実施する手順を紹介しましたが、具体的にどんなことをすればよいかイメージできないという方もいるでしょう。そこでここからは、エコ通勤推進のために事業者ができることの例として、次の5つをご紹介します。

  • 送迎バスの運行
  • 駐輪場の設置
  • 在宅勤務や時差出勤制度の導入
  • 徒歩・自転車通勤に対する補助制度の導入
  • 更衣室やシャワー室の設置

1.送迎バスの運行

駅やバス停から職場まで距離があると、マイカーでの通勤が増えます。しかし、送迎バスを運行すれば、マイカー通勤を減らせる可能性があります。

送迎バスを運行したいけれど、ドライバーがいない、管理がわからない場合には、代行業者の利用も可能です。

2.駐輪場の設置

自転車を利用したいと考えていても、置くところがなくて難しいというケースもあるでしょう。また、近くの有料駐輪場を使うくらいならマイカー通勤の方がメリットが多いと考える人もいます。

そのため、駐輪場を設置すれば、自転車通勤を推進できる可能性があります。

3.在宅勤務や時差出勤制度の導入

在宅勤務や時差出勤制度を導入するのもひとつの方法です。

例えマイカーを使用する場合であっても、在宅勤務を利用して出勤回数を減らせれば環境への負荷を下げられます。また、怪我をしてしまったなど、出勤自体は難しくても在宅であれば問題なく働けるケースも少なくありません。在宅勤務ができる体制を整えておけば、事業者側にも従業員側にもメリットがあります。

時差出勤を導入すると、通勤ラッシュに巻き込まれず出勤できる従業員が増えます。通勤ラッシュの時間帯でなければ、公共交通機関を利用しても良いと考えている従業員もいるでしょう。自動車通勤も、ラッシュの時間を避けると所要時間が短くなるため環境負荷が下がります。

在宅勤務や時差出勤は、従業員の働きやすさを確保するとともに、エコ通勤を推進できる手段でもあります。

4.徒歩・自転車通勤に対する補助制度の導入

公共交通機関を利用した通勤やマイカー通勤には手当てを出していても、徒歩や自転車通勤には通勤手当を出していないという事業者も多くいます。その場合「手当をもらえるなら楽な方法で通勤しよう」と従業員が考えるのは自然なことです。

徒歩や自転車通勤に対して補助制度を導入し、そちらを利用した方が得だと感じられるようになれば、徒歩や自転車での通勤を始める社員が増えるでしょう。

5.更衣室やシャワー室の設置

自転車で出勤すると、どうしても汗をかいてしまいます。不快感が大きいため、そのまま仕事をするのは難しいと感じる人もいるでしょう。

更衣室を設置しておけば、自転車で通勤し汗をかいても、着替えたり汗をふいたりしてから仕事に取りかかれます。可能であればシャワー室を設置できると、さらに自転車通勤の魅力が増します。

送迎代行業者の利用によるエコ通勤促進のメリット

エコ通勤を促進する方法のひとつとして、送迎バスの運行があります。しかし、自社でドライバーを雇って送迎バスを運行するのは手間がかかるため難しいと感じる場合もあるでしょう。そんなときには、送迎代行業者を利用すると便利です。

送迎代行業者を利用して送迎バスを運行すると、次のようなメリットが得られます。それぞれ、詳しく解説します。

  • 従業員にとってもメリットがあるため浸透しやすい
  • 求人への応募が増える可能性がある
  • ドライバーの欠勤時に代理のドライバーが派遣される
  • 送迎バスの運行に必要な業務をすべて委託できる

従業員にとってもメリットがあるため浸透しやすい

マイカー通勤の場合、通勤中は運転に集中しなければなりません。音楽やラジオを聴く程度であれば運転しながらでも楽しめますが、基本的には運転以外のことはできないと考えた方がよいでしょう。

しかし送迎バスを利用する場合、移動中も読書やSNSチェック、仮眠など時間を有効に活用できます。そのため、送迎バスの運行は従業員にもメリットが大きく、取り組みの効果が出やすいのです。

求人への応募が増える可能性がある

マイカーでの通勤が多い職場は、公共交通機関での通勤が不便な場合も多くあります。すると、自動車の免許を持っていない、もしくは運転に不安を抱える人は、それだけで求人への応募を避けてしまうでしょう。

しかし、送迎バスが運行されていれば、運転に不安があっても問題ありません。そのため、求人への応募が増える可能性があるのです。

ドライバーの欠勤時に代理のドライバーが派遣される

自社で送迎バスを運行する場合、ドライバーの欠勤時には代理のドライバーを探さなければなりません。場合によっては、普段運転を担当しないスタッフが、送迎バスの運転を担当しなければならなくなるケースもあるでしょう。

しかし、送迎代行業者に委託した場合、ドライバーの欠勤時には代理のドライバーを派遣します。ドライバー欠勤時でも普段通りに送迎バスを運行できる点は、代行業者に依頼するメリットだといえます。

送迎バスの運行に必要な業務をすべて委託できる

送迎バスの運行に必要な業務は、バスの運転だけではありません。車両の点検やメンテナンス、ドライバーの労務管理など、さまざまな業務が発生します。そのため、ドライバーを新たに雇うだけでなく、事務スタッフを増員しなければならない場合もあるのです。

しかし、送迎代行業者に委託した場合には、こうした業務もすべて代行業者が対応します。新たに送迎バスを運行する場合には不明な点も多いかもしれませんが、心配する必要はありません。手間をかけずに送迎バスを運行したいのであれば、代行業者に委託するのがおすすめです。

できることからエコ通勤を推進しよう

エコ通勤とは、マイカーを使った通勤方法を別の方法に切り替える取り組みのことです。1人が1台自動車を使うマイカー通勤を、公共交通機関での通勤に切り替えるだけで、環境への負荷を下げられます。

エコ通勤の導入は、事業者側にもさまざまなメリットがあります。この記事を参考に、まずは無理のない範囲でエコ通勤を導入してみてください。

 

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