2023.09.29
カテゴリ:自動車運行管理DX
タグ:デジタルシステム
おすすめの車両運行管理システム10選を比較!選び方や導入のメリットも解説社用車を多く抱える企業では、車両運行管理システムによる運行管理を行うことがあります。車両運行管理システムとは、車両の現在地や危険な運転などを把握できるシステムです。
自社で車両運行管理システムを導入したいと考えているものの、多くの商品があるためどれを選べば良いかわからないと感じている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、おすすめの車両運行管理システムを徹底比較。さらに、車両運行管理システムの機能や、導入のメリット・デメリットを解説します。
車両運行管理システムを導入したいと考えている事業者の方は、ぜひご覧ください。
車両運行管理システムとは
車両運行管理システムとは、社用車の位置をリアルタイムに把握できるシステムです。現在地を把握するだけでなく、目的地への到着予定時刻の表示や、速度・アイドリング状況なども確認可能です。
荷物を運ぶトラックなどの車両をはじめとした事業用の車両はもちろん、営業車など白ナンバーの車に搭載することもあります。ひとことで運行管理システムといっても、次のようにさまざまな種類があります。
OBD-IIポート型 |
OBD-Ⅱの差し込みポートに設置するタイプ |
シガーソケット型 |
アクセサリーソケットに差し込んで設置するタイプ |
アプリ型 |
スマホやタブレットなどの端末にインストールするタイプ |
ドライブレコーダー型 |
ドライブレコーダー機能も利用できるタイプ |
デジタルタコグラフ搭載型 |
詳細なデータの収集・蓄積が可能なタイプ |
社用車の運行状況を把握し、安全な運行や業務の効率化に役立てるために、車両運行管理システムは非常に便利です。
車両運行管理システムの機能
車両運行管理システムの機能は、各システムごとにさまざまです。一般的には、次のような機能があります。
位置情報の取得 |
車両の現在地を取得し、ネットワークを通じて事業所などで確認できる |
走行記録の取得 |
走行距離や運転時間、走行ルートなどの記録を取得できる |
到着予定時刻の確認 |
目的地への到着時刻を予測し、事業所などで確認できる |
危険運転アラート |
急ブレーキや急ハンドルなどの危険運転を検知しアラートを出す |
ヒヤリハットマップ |
危険運転が多い場所を地図上に表示する |
運転傾向分析 |
ドライバーの運転のクセを分析する |
稼働状況管理 |
車両ごとの走行距離や時間、利用頻度などを把握できる |
運転日報作成 |
収集したデータを使って自動的に日報を作成できる |
アルコールチェック |
呼気中のアルコールを測定できる |
エコドライブ分析 |
アクセルやアイドリングの記録から運転を分析し、エコドライブの観点から評価する |
ルート提案 |
収集したデータをもとにルートを最適化し、提案する |
上記はあくまでも一般的な例であり、どのシステムにも全ての機能が搭載されているわけではありません。また、ここで紹介したもの以外の機能が搭載されているシステムも多くあります。
運行管理システム導入の際には、自社での活用にどのような機能が必要か、どのシステムなら自社が求める機能が搭載されているのかなどを確認しながら選びましょう。
おすすめの車両運行管理システム10選
車両管理システムには、非常に多くの種類があります。その中から、おすすめの車両運行管理システムを紹介します。
位置情報の |
搭載されている機能 |
費用 |
使用デバイス |
|
DRIVE CHART |
リアルタイム |
・位置情報の確認 |
要見積もり |
ドライブレコーダー |
Cariot |
リアルタイム |
・位置情報の確認/共有 |
要資料請求 |
・スマートフォン |
ビークルアシスト |
リアルタイム |
・危険運転警告 |
初期費用:0円〜 |
ドライブレコーダー |
SmartDrive Fleet |
リアルタイム |
・業務ステータスの把握 |
要問い合わせ |
・GPSロガー |
docoですcar NEXT |
リアルタイム |
・車両の位置やステータスの把握 |
初期費用:0円〜 |
・モバイルロケーター |
AORINO Biz |
リアルタイム |
・位置情報と停車時間の把握 |
初期費用:要問い合わせ |
ドライブレコーダー |
KITARO |
リアルタイム |
・位置情報と走行距離の取得 |
・初期費用:0円〜 |
・アダプタ |
ビジネスナビタイム |
リアルタイム |
・効率的なルートの自動検索 |
要問い合わせ |
スマートフォン |
DRIVEBOSS |
要問い合わせ |
・ワンクリックでのルート作成 |
初期費用:要問い合わせ |
スマートフォン |
ロジこんぱすLite |
要問い合わせ |
・車両の位置管理 |
初期費用:0円〜 |
・OBD2 |
1.DRIVE CHART
※引用:DRIVE CHART
DRIVE CHARTは、AIドラレコの機能も搭載した車両管理システムです。ドライバーに確認することなく車両の位置を把握可能で、さらに1時間以内の稼働状況も確認できます。
AIによる運転解析で危険な運転を自動で検知するとともに、映像の保存も可能です。さらに、AIが検知した映像や解析データを基に、安全管理に特化した人材が運転事故防止と業務効率化を支援します。
顧客に合わせた運用プロセスの設計や運用状況のデータ分析に基づく継続的な改善サポートも受けられるため、より自社に合った方法で活用できるでしょう。
2.Cariot
※引用:Cariot
Cariotは、リアルタイムで位置情報を把握するとともに、次の目的地にいつ到着するかをすぐに把握できるシステムです。専用のURLを利用すればだれでも位置情報を確認できるため、URLを顧客に共有しておけば問い合わせ対応の時間も減らせます。
走行記録から日報を自動で作成。さらに、日報はクラウド上で管理されるため、日報の作成や共有のために必要な手間を削減できます。
アルコールチェックや共用車の予約管理もシステムによりデジタル化されており、事務所から離れた場所でも確認可能です。
3.ビークルアシスト
※引用:ビークルアシスト
ビークルアシストは、リアルタイムの位置情報や車両ステータスを確認できるシステムです。管理者が設定したエリアへの出入りを感知する機能や走行ルートの作成機能もあるため、より効率良く業務を進められるでしょう。
車両の予約や日報の自動作成などの機能も備えており、ペーパーレス化にも役立ちます。事務所から車両に対するメッセージ送信も可能なため、1人1人個別に連絡する手間や、ドライバーのメッセージの見逃しも減らせます。
危険挙動の可視化や安全運転支援レポートの作成機能もあり、ドライバーの安全運転意識向上も可能です。
4.SmartDrive Fleet
※引用:SmartDrive Fleet
SmartDrive Fleetは、リアルタイムの位置情報と走行履歴を把握できるシステムです。ドライブレコーダー型の端末を選べば、安全運転診断も可能です。
日報や月報の自動作成とともに、業務や稼働の記録を利用して業務効率化ができるシステムでもあります。車両の稼働状況も把握できるため、非効率な運用にも気付きやすいでしょう。
走行履歴や安全スコア機能により、法令遵守や安全運転の意識向上とともに、事故の削減にも役立ちます。
5.docoですcar NEXT
※引用:docoですcar NEXT
docoですcar NEXTは、3,000社・10万台を超える導入実績を持つ車両管理システムです。現在地の把握や業務効率化など、基本的な機能を備えています。
ドライバーの操作が不要な専用端末に加え、スマートフォンアプリでもサービスを利用できるのが特徴です。すでに社用のスマートフォンをドライバーに配布している場合には、少ない費用負担でシステムを導入できます。
ドコモグループが提供しているシステムのため、クラウドサービスのセキュリティ品質が高いのも魅力。より安全性の高いシステムを選びたい企業におすすめです。
6.AORINO Biz
※引用:AORINO Biz
AORINO Bizは、ドライブレコーダー機能をメインとした車両管理システムです。現在地マップで車両の場所を把握できるのに加え、走行履歴をCSVファイルとしてダウンロードできます。
緊急時には、緊急ボタンを押すだけで110番への通報が可能。緊急110番通報や危険運転アラートが発生した場合には、前後20秒間の動画を自動的にクラウドにアップロードする機能もあります。
1回の走行ごとに、あんしん運転通信簿が作成され、ドライバーの運転を評価します。分析結果を用いたドライバーへの指導や、運転傾向の把握に役立ちます。
7.KITARO
※引用:KITARO
KITAROは、Googleマップを利用して車両の位置情報と走行履歴をリアルタイムで把握できるシステムです。アダプタ、デジタルタコメーター、ドライブレコーダーと豊富な端末が用意されており、自社に合ったものを選べます。
安全運転とエコドライブの評価を行い、ドライバーの運転成績をランキング。アルコールチェックの結果をクラウド上に保存し、ペーパーレスで管理できます。
取り付けとPC操作が簡単なため、小規模な事業者でも使いやすい点もメリットです。24時間車両の状態を可視化できるため、生産性の向上はもちろん、安全の確保やコンプライアンス対応にも役立ちます。
8.ビジネスナビタイム
※引用:ビジネスナビタイム
ビジネスナビタイムは、ナビタイムのルート検索技術を活かした渋滞予測と効率的なルート作成が特徴の車両管理システムです。到着希望時間や交通状況を考慮し、目的地の訪問順とルートを最適化します。
時間帯規制を含む通行止めを考慮したルート検索が可能なことに加え、トラック・バス・バイクなど車種ごとに通行可能な最適なルートを構築できます。地図上には車両の位置だけでなく、次の訪問先や到着時間などの情報も表示可能です。
システム連携APIを活用すれば、既存のシステムとの連携も可能。操作が簡単なため、専門知識を持った人がいなくても導入しやすいシステムです。
9.DRIVEBOSS
※引用:DRIVEBOSS
DRIVEBOSSは、計画の作成から日報の作成まで、車両を使ったすべての業務をサポートするシステムです。導入時には手厚いサポートがあるため、これまで車両管理システムを利用したことがない企業でも導入しやすいでしょう。
AIを用いたルート作成で、業務を効率化可能。送迎先での乗降時間や利用者同士の相性など、さまざまな制約条件を考慮したルートを作成できます。
スマートフォンを使った訪問先マップや訪問実績リストも作成できます。メッセージの送信や訪問先を指示する機能もあり、急な行き先変更にもスムーズに対応できるでしょう。
10.ロジこんぱすLite
※引用:ロジこんぱすLite
ロジこんぱすLiteは、車両の位置情報と走行履歴を確認できるシステムです。現在地を取得できるため、車両の業務外使用対策にも適しています。
安全運転管理機能があり、急加速や急減速などの危険な運転を感知可能。安全運転を促すとともに、走行の実績や燃費などのレポートも作成できます。
機能性重視の企業向けのOBDⅡタイプとコスト重視の企業向けのシガーソケットタイプの2種類の端末から選択可能です。初期費用0円のプランもあるため、コストが気になる企業でも導入しやすいでしょう。
車両運行管理システムを比較する際のポイント
車両運行管理システムを比較する際には、次のようなポイントに注目しましょう。それぞれ、詳しく解説します。
- 位置情報の更新頻度はどの程度か
- 必要な機能が搭載されているか
- 初期費用・月額費用はどの程度か
- 使用するデバイスは何か
位置情報の更新頻度はどの程度か
車両管理システムでは、各車両の位置情報を確認しています。
しかし、位置情報の更新頻度はシステムによって異なります。たとえば、リアルタイムに位置情報を取得するシステムもあれば、数分に1回程度更新を行うシステムもあるのです。
車両管理システムを選ぶ際には、どの程度の頻度で位置情報が更新されるのか確認しておきましょう。特に、リアルタイム性を重視したい場合には、更新頻度の高いシステムを選ぶのがおすすめです。
必要な機能が搭載されているか
車両管理システムは種類によって搭載されている機能が異なります。そのため、まずは自社にどのような機能が必要か確認しましょう。
そのうえで、必要な機能が搭載されているシステムを選びます。ただし、搭載されている機能が多ければ多いほど良いわけでもありません。機能が多ければ多いほどコストがかかる傾向があるため、予算と機能のバランスを見ながら選んでください。
初期費用・月額費用はどの程度か
車両管理システムは、一般的に毎月利用料金がかかります。また、専用の端末などが必要な場合には、レンタル費用や購入費用がかかるケースもあります。
導入前には、必ず初期費用と月額費用がどの程度かかるのか確認しておきましょう。
使用するデバイスは何か
車両管理システムの種類によって、使用するデバイスも異なります。例えば、スマートフォンやタブレットにアプリを入れて使うタイプもあれば、ドライブレコーダーや専用の端末が必要な場合もあります。
どのタイプが使いやすいかは業務のスタイルや使用する車種によって異なるため、複数の車両管理システムを比較して自社に合ったものを選びましょう。
車両運行管理システムを導入するメリット
車両運行管理システムを導入するメリットは次の4つです。
- 安全運転の管理に役立つ
- コスト削減に役立つ
- 業務の効率化に役立つ
- サービスの向上に役立つ
それぞれの項目について、詳しく解説します。
安全運転の管理に役立つ
車両運行管理システムを導入した場合、ドライバーが危険な運転をすると、管理者に通知されます。運転中には、突発的な出来事が起きて急ハンドルや急ブレーキの操作をしなければならなくなる場合もあるでしょう。しかし、そうした危険な運転の頻度がいれば事情を確認する、講習を行うなどの方法で安全運転への意識を高められます。
また、車両運行管理システムを使った分析では、アクセルやブレーキの踏み方、ハンドル操作などのクセがわかります。ドライバーが自分のクセを認識するだけでも、より安全な運転を意識できるようになるでしょう。
安全運転の管理には、ヒヤリハットマップも役立ちます。ヒヤリハットマップとは、多くのドライバーが危険運転をした記録がある場所を示すものです。つまり、ヒヤリハットマップで示された場所は、事故が起きやすい要注意の場所といえます。
このように、車両運行管理システムは、さまざまな方法で安全運転の管理に役立てられます。
業務の効率化に役立つ
車両運行管理システムの導入は、業務の効率化にも役立ちます。ルート最適化機能を活用すれば、これまでと同じ時間でより多くの業務をこなせる可能性があります。
また、分析の結果特定の従業員に業務が偏っていることがわかった場合には、業務を均等に分散することで生産性の向上も期待できるでしょう。
日報の作成機能も便利です。車両運行管理システムを利用すると、収集したデータから自動的に業務日報を作成できます。これまで手書きで日報を書いていた場合には、大幅な効率化が期待できます。
業務の効率化によって従業員の労働時間を減らせれば、従業員が健康的に働ける点もメリットです。
コスト削減に役立つ
車両運行管理システムは、コストの削減にも役立つ可能性があります。安全運転を推進し事故を減らせば、保険料の削減に繋がります。走行ルートの分析と最適化を実施した結果、車両の台数を減らせるケースもあるでしょう。車両の台数を減らせれば、維持費など大幅なコスト削減が可能です。
コスト削減のために便利なのが、エコドライブ分析機能です。分析結果をもとに、燃費の良い運転を指導することで、燃料費も削減できます。
上記で紹介した業務の効率化で、従業員の残業を減らせる可能性もあります。残業が減れば残業のコストも削減可能です。
サービスの向上に役立つ
車両運行管理システムの導入は、サービスの向上にも役立ちます。事前に顧客に到着予定時刻を伝えておけば「いつ来るのか」と不安にさせてしまう可能性を下げられます。
万が一トラブルなどで到着が遅れてしまった際にも、車両の現在地と到着時刻がわかれば、最新の情報をすぐに顧客に届けられます。車両の位置は事業所から確認できるため、問い合わせのたびにドライバーに連絡をとる必要もありません。
車両運行管理システムを導入するデメリット
車両運行管理システムは便利ですが、導入にあたって次のようなデメリットもあります。
- 費用がかかる
- 監視されていると感じる従業員もいる
それぞれの項目について、詳しく解説します。
費用がかかる
車両運行管理システムの導入には費用がかかります。端末を購入するための費用も必要ですし、月額で利用料金もかかります。どちらも1台あたりの料金は数千円程度のものが多いのですが、車両の台数が多くなると、負担を感じることもあるでしょう。
導入や運用にかかるコストを事前に確認し、費用対効果が高いシステムを選ぶ必要があります。
監視されていると感じる従業員もいる
車両運行管理システムによって、監視されていると感じてしまう従業員もいます。特に問題行動をしていなくても、現在地や運転の記録が常に事業者側にわかる状態でデータを収集されているというのは、従業員にとって心理的な負担となるでしょう。
とはいえ、車両の安全な運行や業務の効率化は、従業員にもメリットがあります。事業者は監視のために車両運行管理システムを導入しているのではないこと、従業員へのメリットも大きいことを理解してもらえるような説明を実施しましょう。
車両運行管理システムで業務の効率化を
今回は、車両運行管理システムについて紹介しました。
車両運行管理システムとは、車両の現在地や目的地への到着予定時刻、運転中操作の記録などを確認できるシステムです。システムの導入によって安全運転の指導に役立つとともに、業務の効率化やエコドライブにもつながります。
ただし、車両運行管理システムを導入することで、監視されていると感じてしまう従業員もいます。従業員にもメリットが大きいことを、説明できるように準備しておく必要があるでしょう。
この記事を参考に、車両運行管理システムの導入を検討してみてください。