2023.08.29
カテゴリ:セミナー
タグ:外国人材採用
介護職での外国人労働者の現状は?在留者数と受け入れにおける課題を紹介日本の高齢化が進む中、介護業界の人手不足は一層深刻化しています。
人手不足に対処するため、厚生労働省は外国人介護職員の受け入れを積極的に推進しています。しかしその背後に、多くの課題が存在するのも事実です。
本記事では、厚生労働省の方針、外国人介護職員の現状、そして受け入れにおける課題とその対策について詳しく解説します。この問題に関心のある方は、ぜひ最後までお読みください。
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外国人介護職員の受け入れに関する厚生労働省の方針と現状
日本の介護業界は、高齢化社会が進む中で人手不足が深刻化しています。この問題に対処するため、厚生労働省は外国人介護職員の受け入れを積極的に推進しています。具体的には、技能実習生制度や特定技能ビザ、経済連携協定(EPA)に基づく介護人材の受け入れなど、複数のルートが用意されています。
厚生労働省の統計によると、2023年時点で介護分野で働く外国人の在留者数は約4万人です。
在留資格 |
受け入れ実績(在留者数) |
EPA介護福祉士・候補者 |
3,257人(うち資格取得者635人) |
在留資格「介護」 |
5,339人 |
技能実習 |
15,011人 |
特定技能 |
17,066人 |
また、下記の通り介護分野の特定技能外国人在留者数は年々増加傾向です。
その数は年々増加傾向にあります。しかし、依然として介護業界の人手不足は続いており、今後も外国人介護職員の増加が期待されています。
外国人介護士を採用するメリット・デメリットや利用できる在留資格は、別記事「外国人を介護士で採用するメリット・デメリットとは?」次の記事で紹介しているため、あわせてご覧ください。
外国人介護職員の受け入れにおける課題
外国人介護職員の受け入れには、次のような課題があります。
- 言葉の壁
- 文化の違い
- ホスピタリティ
- 利用者の抵抗感
- 雇用の手間
- 定着率の低さ
言語の壁
日本語を母語としない外国人介護職員の採用では、言葉の壁が発生します。言葉の壁は、介護の質やコミュニケーションに大きな影響を与える可能性があります。例えば、症状や気持ちを正確に理解できないと、適切なケアが提供できないケースもあるでしょう。また、緊急時に言葉の問題が障害となるケースも考えられます。
介護の現場ではコミュニケーションが多いことに加え、専門用語も使われます。そのため、日常会話以上の言語スキルが必要です。さらに、介護を受ける高齢者は日本語しか話せない場合が多いため、外国人介護職員が日本語を理解し、適切に対応できるスキルは欠かせません。
文化の違い
文化の違いも、仕事の進め方や人間関係、介護の質に影響を与える可能性があります。
例えば一部の国では、高齢者に対する接し方やケアの方法が日本とは大きく異なる場合があります。また、日本の介護業界では家族や地域社会と連携してケアを提供することも珍しくありません。外国人介護職員が連携の重要性を十分に理解していない場合、ケアの質が低下するケースもあるでしょう。
文化の違いに配慮し、適切な研修やサポートを実施しなければなりません。
ホスピタリティ
日本の介護業界では、単なる身体的なケア以上にホスピタリティが重要視されています。ホスピタリティの重視は日本文化に根ざしたサービス精神であり、高齢者やその家族からも高く評価されています。
しかし、外国人介護職員が自国で学んだケアの方法や考え方は、日本のホスピタリティに必ずしも合致していない場合もあるのです。例えば日本では、単に必要なケアを提供するだけでなく、利用者の気持ちに寄り添い細かな配慮をすることが求められます。微妙なニュアンスを理解した行動は、文化的背景が異なる外国人に取って難しい場面も少なくありません。
また、日本の高齢者はホスピタリティに対する期待値が高く、その点を外国人介護職員が満たせない場合にも、利用者やその家族からの評価が低くなる可能性があります。
利用者の抵抗感
外国人介護職員に介護されることに対して、抵抗感を持つ利用者もいます。
抵抗感は文化的な違いや言葉の壁に対して不安から生じる場合もあれば、利用者自身の外国人労働者に対する偏見や先入観から生じる場合もあります。介護は非常にデリケートな仕事であるため、利用者が外国人介護士に対して安全性や信頼性を感じられない場合、抵抗感が生まれることは自然な反応といえるでしょう。
また、利用者本人だけでなく、利用者の家族が外国人介護職員に対して抵抗感を持っている場合も少なくありません。こうした抵抗感をやわらげるために、施設側はより一層丁寧な説明を求められるでしょう。
定着率の低さ
外国人介護職員は、定着率が低い傾向があります。外国人介護職員の定着率が低い理由は次の通りです。
- 言葉の壁や文化の違いによるストレス
- ビザの制限
- 個人的な事情による帰国
仕事では、多かれ少なかれ誰しもストレスを感じるものです。外国人介護職員の場合、特に言語の壁や文化の違いによるストレスを感じやすく、離職の原因となる場合があります。
また、本人は仕事を続けたいと考えていても、ビザの制限や個人的な事情により帰国せざるを得ない場合も少なくありません。
外国人介護職員受け入れ課題への対策
上記で紹介した課題を軽減するための対策として、次のような方法が考えられます。
- 特定技能外国人を採用する
- 外国人採用のサポートサービスを利用する
- 少人数から採用を始める
- 介護福祉士の資格取得を支援する
1.特定技能外国人を採用する
特定技能外国人を採用すると、言葉の壁による問題を軽減できる可能性があります。
特定技能外国人としてビザの発給を受けるためには、日本語能力試験に合格しなければなりません。そのため、日常的な会話での基本的なコミュニケーションはスムーズに行えます。
また、ある程度技術を持った人材を採用できるのもメリットです。特に外国人職員の受け入れが初めてであれば、特定技能外国人の採用からスタートしてみると良いでしょう。
2.外国人採用のサポートサービスを利用する
外国人職員の採用になれていないと、人材に対してどのようなサポートを実施すればよいかわからない場合もあるでしょう。外国人採用のサポートサービスを利用すれば、外国人職員に対してどのような支援や研修をすべきか、事前に確認しておくことができます。外国人職員の受け入れによって起きる可能性があるトラブルやその対処法も、事前に確認できるでしょう。
また、外国人職員の受け入れはビザや労働契約の手続きが日本人の採用と比べて複雑なケースもあります。外国人採用のサポートサービスを利用すれば、手続きの面でも支援を受けられます。
3.少人数から採用を始める
一度に多くの外国人介護職員を受け入れると、同時多発的に複数のトラブルや想定外の事項が発生する可能性があります。まずは少人数から採用を始めることで、さまざまな課題やトラブルをひとつずつ解決することが可能となり、全体としてスムーズな運営が期待できます。
また、利用者の抵抗感を軽減するためにも、少人数の受け入れは有効です。少人数での受け入れにより利用者と外国人介護職員とのコミュニケーションが密になり、互いに理解が深まる可能性が高まります。お互いの理解が深まれば、利用者の抵抗感が薄まるでしょう。
4.介護福祉士の資格取得を支援する
介護業界で働く外国人職員の定着率を高めるためには、介護福祉士の資格取得支援が非常に有効です。介護福祉士の資格を取得すると、在留資格「介護」のビザを発給可能で、ビザの更新回数が無制限となるためです。
在留資格「介護」以外の、日本で介護職員として働けるビザは、滞在期間に上限があります。本人が日本で働き続けたいと考えていても、ビザの期限が切れてしまえば帰国するしかありません。しかし、介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」となれば、本人が希望する間はずっと日本で働き続けられます。これにより、定着率の上昇が期待できるのです。
外国人介護職員は今後も増加見込み
この記事では、外国人介護職員の現状と、受け入れによる課題について解説しました。
2023年現在、介護業界で働く外国人の在留数は約4万人です。介護業界は深刻な人手不足のため、今後も外国人介護職員の受け入れは増加する見込みです。外国人介護職員の受け入れには、さまざまな課題があります。とはいえ、今後は外国人介護職員の受け入れは避けられない状況となるでしょう。
外国人介護職員の受け入れによって起こりうる課題とその対応策を確認しておくのがおすすめです。