2023.11.12
カテゴリ:セミナー
タグ:介護
介護業界の人手不足の解決策とは?具体的な4つの方法と現状を詳しく解説介護業界では、人手不足が進行しています。しかし、人手不足を嘆いているだけでは、解決にはつながりません。それどころか、職員の離職による職場環境の悪化でさらに離職を招く悪循環になってしまうこともあるのです。解消のためにはまず人手不足が発生している原因を知り、対策を実施しましょう。
そこでこの記事では、介護業界の人手不足の現状や原因に加えて、具体的な解決策を紹介します。介護業界の人手不足にお悩みの事業者様は、ぜひご覧ください。
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介護業界の人手不足の現状
日本の介護業界は深刻な人手不足に直面しています。公益財団法人介護労働安定センターが実施した「令和4年度 介護労働実態調査」では、人材が不足していると回答した介護事業所は全体の66.3%にものぼります。
※引用:令和4年度 介護労働実態調査
特に訪問介護員や介護職員の不足感は、他の職種に比べて強いことがわかるでしょう。
介護サービスの需要は高まっているものの、若年労働力は減少しており、新たな介護職員を確保することが困難となっています。介護業界の人手不足は、介護サービスの質の低下や、既存の介護職員への過度な負担を引き起こします。適切なケアを必要とする高齢者に十分なサポートを提供できず、社会全体に影響を与えてしまうことも考えられるのです。
介護業界の人手不足を解決するためには、介護業界の現状を正確に理解し、根本的な原因に対処する必要があるでしょう。
人手不足の原因
介護業界が人手不足となっている原因は、主に次の2つが考えられます。それぞれ、詳しく解説します。
- 高齢化社会の影響
- 労働環境の問題
高齢化社会の影響
高齢化社会は、介護業界の人手不足を引き起こす要因のひとつです。
日本は、世界でも類を見ない速度で高齢化が進んでいます。総務省が発表した統計によると2022年の全人口に占める高齢者の割合は29.1%で、2025年には65歳以上の高齢者が全人口の30%に達すると予想されています。
高齢化が進むにつれて介護サービスへの需要は増大するため、介護業界では人手不足が生じているのです。
高齢者の増加は、介護が必要な人々の数を増やすだけでなく、慢性的な疾患や障害を持つ人々の割合も高めています。慢性的な疾患や障害を持つ人が増えると、介護サービスの質や範囲に対する要求が高まり、介護職員にはより専門的なスキルと知識が求められます。
しかし、専門的な知識やスキルを持った介護職員はすぐには育ちません。結果として介護サービスの質の低下や待機リストの長期化といった問題を引き起こしています。
さらに、高齢化社会は労働力人口の減少をもたらし、介護業界での人材確保を一層困難にしています。若年層の減少は新たな介護職員の供給を制限し、既存の職員の負担を増大させる一因です。
このように、高齢化社会は介護業界に複数の面で影響を及ぼし、人手不足問題の解決をより複雑なものにしています。
労働環境の問題
介護業界の労働環境も、人手不足を引き起こす要因のひとつです。介護職は、高い精神的・肉体的負担を伴う仕事です。しかし、多くの場合低賃金と長時間労働が常態化しています。労働環境が悪いことは、介護職員の離職率を高めるとともに、新たな人材の流入を阻害する大きな要因です。
介護業界の労働環境においてまず指摘されるのが、給与水準が他の業界と比較して低いことです。介護職への社会的評価が低いことに加え、介護サービスの適切な価格設定がなされていないために、給与水準が低くなると考えられています。
また、介護職員の労働時間は長時間になりがちで、休暇の取得も困難な場合があります。介護業界が人手不足なために長時間労働が発生し、長時間労働が発生するために介護職員の離職が発生するという悪循環が発生しているのです。
介護職は精神的な負担が大きい仕事でもあります。高齢者のケアには身体的なサポートだけでなく、精神的なサポートも必要です。精神的なサポートは職員に大きなストレスを与えることがあります。しかし多くの介護施設では職員のメンタルヘルスケアやサポート体制が不十分で、職員がストレスを抱えたまま仕事を続けているケースも少なくありません。
介護職員が安心して働ける環境を整えることは、人手不足解消のための重要なステップであり、介護業界全体の持続的な発展に不可欠です。
人手不足解消のための具体的対策
人手不足解消のための具体的対策としては、次の4つが考えられます。それぞれ、詳しく解説します。
- 1.給与体系の改善
- 2.働きやすい環境の整備
- 3.技術の導入と教育
- 4.外国人労働者の採用
給与体系の改善
介護業界における人手不足問題の解決には、給与体系の改善が不可欠です。現在の介護職の給与水準は他の業界と比較して低く、これが新たな人材の流入を妨げ、現場の職員のモチベーション低下につながっています。給与体系の改善は介護職を魅力的なキャリアオプションとして位置づけるための重要なステップであり、業界全体の人材確保に大きく寄与するのです。
給与の改善によって、介護職員の生活水準が向上します。さらに、仕事への満足度とモチベーションも高められます。適切な報酬は、職員が仕事に集中し、高品質のケアを提供するための動機付けにもなるのです。
給与体系の改善は、介護職の社会的地位を向上させることにもつながります。介護職が経済的に報われる職業として認識されるようになれば、より多くの人々がこの分野でのキャリアを検討するようになるでしょう。
給与体系の改善は単に給与の増額だけではなく、職員のスキルや経験、貢献度に応じた公正な報酬体系の確立を意味します。公正な報酬体系を確立することで、介護職員が自分の専門性を高めることにメリットが生じるため、業界全体のサービス品質の向上にもつながります。
働きやすい環境の整備
介護業界の人手不足問題に対処するためには、働きやすい環境の整備も不可欠です。介護職員が長期にわたり安心して働ける環境を提供すれば、職員の定着率が高まり、結果的に人手不足の解消に繋がります。働きやすい環境を整備するためには、次の要素が重要です。
- 労働時間と休息の適正化
- コミュニケーションとサポート体制の強化
- 物理的な職場環境の改善
- 職員の声の反映
介護職は肉体的、精神的に要求が高いため、過度な労働は職員の健康を害し、職場離れを引き起こす可能性があります。労働時間の適正化と十分な休暇の提供により、職員のワークライフバランスを改善し、仕事への満足度を高められます。
職員が互いに支え合い意見を共有できる環境により、チームワークを促進し、職場のストレスを軽減可能です。メンタルヘルスのサポートやキャリア開発の機会提供も、職員のモチベーションと職業への満足感を高める上で欠かせません。
介護用具の最新化や効率的なレイアウトの導入は、職員の負担を軽減し効率的なケアの提供を可能にします。従来のケアを効率的に実施できるようになる分、職員はより多くの時間を質の高いケアに充てることができ、職場の満足度が向上します。
自分たちの意見が尊重され、実際の職場改善につながると感じられる環境づくりも重要です。職員の意見が反映され環境を改善できると感じられる職場であれば、帰属意識も高まるでしょう。
技術の導入と教育
介護業界における人手不足問題の解決には、最新技術の導入と教育も重要な役割を果たします。
介護ロボット、センサー技術、遠隔モニタリングシステムなどの最新技術は、介護職員の物理的な負担を軽減可能です。例えば移動支援ロボットは、患者の移動をサポートし、職員の腰痛リスクを減少させます。また、遠隔モニタリングシステムがあれば、患者の安全を確保しながら、職員は他の業務に集中できます。
技術を導入するために、職員には新しいスキルと知識が必要です。定期的なトレーニングと教育プログラムを通じて、職員はこれらの新しい技術を効果的に活用する方法を学びます。定期的なトレーニングにより職員のスキルセットが拡大し、キャリアの成長機会が提供されるのです。
他にも患者の健康データの収集・分析や、デジタル管理システムの導入による業務記録の効率化など、さまざまな方法が考えられます。
外国人労働者の採用
介護業界における人手不足の解決策として、外国人労働者の採用は重要な役割を担います。外国人労働者の採用は国内の労働力不足を補い、多様な背景を持つ人材を導入することで、介護サービスの質の向上も可能です。
外国人労働者の採用には、人手不足の解消以外にも次のようなメリットがあります。
- 事業所内での多様性の確保
- 労働環境の改善
一方で、次のような課題があることも考慮しなければなりません。
- 生活面のサポートが必要
- コミュニケーションの壁
別記事「外国人を介護士で採用するメリット・デメリットとは?」では、外国人労働者を受け入れるメリット・デメリットを詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
介護業界の人手不足には対策が必要
介護業界では、高齢化や労働環境を要因とした人手不足が深刻です。すぐに対策を行わなければ、さらに労働が悪化し、職員の離職が発生するという悪循環に陥ってしまう可能性もあります。
介護業界の人手不足対策としては、外国人労働者の採用や働きやすい環境の整備などが考えられます。この記事を参考に、自社でできることから人手不足の解決策を試してみてください。
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