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自動車運行管理ラボ

2024.09.19

カテゴリ:安心/安全/教育

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バス車内事故の原因は?年間の負傷者数やバス会社の対策例も紹介

バス会社運営をされている方にとって、「車内事故のリスクをどのようにして減らすか」は重要な課題の一つでしょう。実際に、過去5年間でバス車内での事故による負傷者は1,700人を超え、その半数以上が65歳以上の高齢者です。こうした事故は、運転の不注意だけでなく、車両の整備状態や乗客の行動、天候や道路環境といった様々な要因によって引き起こされます。

この記事では、バス車内事故の主要な原因を詳しく解説し、それぞれに対する具体的な対策や取り組みを紹介します。

今すぐ取り組むべき対策を見つけて、バス車内の安全性向上に役立ててください。

乗合バスの車内事故による負傷者は5年間で1700人以上

関東運輸局と関東地区バス保安対策協議会が合同で設置した「乗合バス事故防止対策検討ワーキンググループ」が発表した「乗合バス車内事故削減に向けて」の資料によると、平成29年から令和3年までの5年間で車内事故による負傷者は1,748人発生しています。

年齢別に見ると、65歳以上の人数が897名で、全体の半数以上を占めています。発生のタイミングでもっとも多いのはブレーキをかけた時、次に多いのが発進時です。この2つのタイミングは、特に注意すべきだといえるでしょう。

バス車内事故の主要な要因

バス車内事故の主な要因は次の6つです。それぞれ、詳しく解説します。

  • ドライバーの不注意や判断ミス
  • ドライバーの健康状態と疲労
  • 車内での乗客の行動
  • 車両の整備不足や機械的な問題
  • 道路環境や天候の影響
  • 乗客の高齢化や身体的な問題

ドライバーの不注意や判断ミス

バスの車内事故は、ドライバーの不注意や誤った判断が原因で発生する場合があります。特に、交通量の多い都市部での運転や、長時間勤務による集中力の低下は、さらに不注意や判断ミスのリスクを高めます。

「だろう運転」や、車両の死角にいる歩行者を見落とすなどの確認不足が発生すると、交通事故だけでなく車内事故にもつながってしまうのです。

例えば、交差点での人や自転車の見落とし、信号を見誤ったことによる赤信号での侵入などが発生し急ブレーキをかけた場合、車内で転倒事故が発生する可能性があります。

車内事故を減らすためには、ドライバーの不注意や集中力低下を避けられるような環境作りと教育が欠かせません。

ドライバーの健康状態と疲労

バス車内事故の原因には、ドライバーの健康状態や疲労も大きく関わっています。特に、長時間の勤務や不規則なシフトが続くと、ドライバーの疲労が蓄積し注意力や反応速度が低下するリスクが高まります。十分な休息が取れないことに加え、睡眠不足や慢性的な健康問題がある場合、事故のリスクがさらに増すのです。

例えば、ドライバーが心臓発作等を起こして運転中に意識を失った場合、たとえ衝突などを避けられたとしても、走行が不安定になることで乗客が負傷する可能性があります。

車内事故を防ぐためには、ドライバーの健康管理と休息の確保が欠かせません。

車内での乗客の行動

乗客の不適切な行動が、車内事故の原因となるケースもあります。走行中に席を離れたり、吊革を掴まずに立っていたりすると、急ブレーキや急発進の際に転倒や負傷のリスクが高まります。特に、高齢者や子供などは、座席に座らない場合バスの揺れに対応しづらく、事故が起きやすい状況になってしまうでしょう。

バス車内事故を防ぐためには、乗客に安全な行動を促すことも不可欠です。

車両の整備不足や機械的な問題

車両の整備不足や機械的な問題も、事故の重要な原因の一つとなります。ブレーキやステアリング装置の不具合、タイヤの劣化など、車両に問題があると事故のリスクが高まります。定期的な点検や整備がされていないと、これらのリスクはさらに増してしまうでしょう。

バス車内事故を防ぐためには、車両の定期的な点検と整備が欠かせません。

道路環境や天候の影響

道路環境や天候の影響も、バス車内事故の原因になることがあります。雨や雪などの悪天候時には路面が滑りやすくなり、運転が難しくなることで車内事故のリスクが高まります。また、濡れた傘などにより車内の床が滑りやすくなることも、車内事故のリスクを高める要因の一つです。

道路環境や天候が悪い時には、普段よりさらに車内事故に注意しなければなりません。

乗客の高齢化や身体的な問題

乗客の高齢化や身体的な問題も、バス車内事故の原因になることがあります。特に、高齢者や身体が不自由な方々は、バスの揺れや急な動きに対応しにくく、転倒や負傷のリスクが高まります。このため、車内事故の発生が増えることがあります。

高齢者や身体が不自由な乗客に対する配慮や支援を行うことで、車内事故発生のリスクを下げられる可能性があるのです。

バス車内事故に対するバス会社の取り組み例

バス車内事故に対するバス会社の取り組み例には次のようなものがあります。それぞれ、詳しく紹介します。

  • ドライバーの安全教育
  • ドライバーの健康管理
  • ドライバー異常時対応システムの導入
  • 車内への安全装備の導入
  • 車両の定期的な点検と整備
  • 事故防止キャンペーンの実施

ドライバーの安全教育

バス会社の中には、安全教育を強化して車内バス事故防止に取り組む会社もあります。

安全教育は、ドライバーの運転技術を向上させ、事故のリスクを減らすために欠かせません。ドライバーは教育を通してさまざまな運転状況に適切に対応できる判断力を養い、緊急時の対応スキルを身につけます。こうした教育を通じて、日々の運行業務での事故を未然に防ぐことが可能です。

例えば、多くのバス会社では、ドライバーに交通ルールの徹底や緊急時の対応方法を学ぶための定期的な講習や実地訓練を実施しています。シミュレーターを使った訓練では、悪天候や急ブレーキの状況を想定して、実践的な操作技術を向上させる取り組みを行うケースもあります。また、過去の事故を振り返り、その再発を防ぐための学習も重要な要素です。

ドライバーへの安全教育を充実させることで、事故のリスクを減らし乗客の安全と安心を確保できます。

ドライバーの健康管理

バス会社では、ドライバーの健康管理を徹底して事故のリスクを低減する努力をしています。

運転士の健康状態が悪化すると、注意力が落ちたり反応が遅くなったりして、事故につながるリスクが高まります。そのため、バス会社は定期的な健康診断や日常の体調チェックを行い、ドライバーが常に最良の状態で運転できるようにしているのです。

例えば、勤務前に血圧や体温のチェックを義務付けているバス会社もあり、異常が見つかった場合にはすぐに対応できる体制を整えています。また、年に一度の健康診断を実施し、健康リスクが高いドライバーには追加のケアや休暇の取得を勧めるなどの取り組みも行われています。

こうした健康管理の徹底を通じて、バス運行の安全性を保ち、事故のリスクを最小限に抑えることができるのです。

ドライバー異常時対応システムの導入

バス会社では、ドライバーの異常時対応システムを導入し、緊急時の安全対策を強化しています。

ドライバーが突然意識消失や心臓発作などを起こした場合でも、バスを安全に停止させるシステムがあると重大な事故を未然に防ぐことができます。このシステムは、バスの運行中にドライバーの異常を検知し、自動的にブレーキを作動させて安全な場所に停車する仕組みです。

ドライバー異常時対応システムを導入することで、緊急時の対応力を高め、乗客の安全を守ることができるのです。

車内への安全装備の導入

バス会社では、車内での安全装備を充実させることで、事故のリスクを減らしています。

手すりや吊革、座席ベルトなどの安全装備は、急ブレーキや急発進の際に乗客が転倒するリスクを減少させ、乗客の安全を守る役割を果たします。さらに、そうした安全装備を使用するよう呼びかけることで、乗客が適切な行動を取るようになり、車内事故のリスクを下げられるのです。

安全装備の導入と利用の促進は、バス車内での事故を防ぐためにとても効果的です。

車両の定期的な点検と整備

バス会社では、車両の定期的な点検と整備を徹底し、事故のリスクをできる限り抑えています。

バスの機械的な不具合や整備不足は、重大な車内事故の原因になることがあります。そのため、定期的な点検やメンテナンスを行うことが重要です。バス会社では、毎日の運行前点検に加え月次や年次の点検を計画通りに実施し、ブレーキやエンジン、タイヤの状態をしっかりと確認しています。

徹底した点検と整備により、バス会社は安全な運行を保ち、事故のリスクを最小限に抑えているのです。

事故防止キャンペーンの実施

バス会社では、事故防止キャンペーンを通じて乗客の安全意識を高めています。キャンペーンは、安全な乗り方やマナーについて乗客に啓発し、車内事故のリスクを減らすことが目的です。

例えば、バス車内での転倒防止や安全な乗降方法についての情報を提供し、ポスターの掲示やアナウンスを通じて乗客に注意を促せば、車内での適切な行動につながるでしょう。

事故防止キャンペーンは、乗客の安全意識を向上させ、車内での事故を防ぐための大切な取り組みです。

バス車内事故の原因と防止するための取り組みを知っておこう

バス車内事故は、ドライバーの不注意だけでなく天候や乗客の行動などさまざまな要因で起こります。そのため、対策も多面的に実施しなければなりません。

まずは、バスで車内事故が発生する原因と、その対策方法を知っておきましょう。できることから少しずつ取り入れることで、バスの車内事故を減らせる可能性があります。

この記事を参考に、自社でできる対策を考えてみてください。

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