2025.01.29
カテゴリ:セミナー
タグ:自動運転
【2025年】自動運転の最新現状は?開発の状況と消費者の意識を紹介技術の進歩に伴い、自動運転車はますます注目を集めています。本記事では、自動運転車の開発の進展について、その現状をわかりやすく解説します。最新の自動運転技術のレベルや、実証実験の具体的な事例を交えて、その実態を紹介します。
最後まで読むことで、自動運転車がどのように未来の移動手段を変えていくのか、そして私たちの日常生活にどんなポジティブな変化をもたらすのかがイメージできるでしょう。
自動運転車開発の現状
自動運転車の発展はめざましく、常に研究や開発が続けられています。なお、自動運転のレベルについて詳しくは、別記事「自動運転のレベルとは?各レベルの詳細と自動運転の現状を解説【2023年】」で紹介しています。
レベル2は標準装備になりつつある
2025年現在、自動運転技術のレベル2は多くの車両に標準装備されるようになっています。レベル2では、自動ブレーキや追従型クルーズコントロール、車線逸脱制御などのサポート機能が組み込まれています。
例えば、前方の車両に追従しながら、車線からはみ出さないように走行できる車両は自動運転レベル2に該当します。
さらに、レベル2の中でも、特定の状況下でハンドルから手を離すことが可能な車両は、「レベル2+」や「高度レベル2」、「レベル2.5」などと呼ばれ区別されることがあります。レベル2+は日本ではそれほど注目されていませんが、北米や欧州では開発が進んでおり、今後このタイプの車両が増加する可能性があります。
自動運転レベル3の車両はすでに普及し始めている
自動運転レベル3を搭載した車両も登場しています。2025年1月時点で、レベル3を搭載する日本のメーカーは日産のみです。他にメルセデス・ベンツとBMWも自動運転レベル3の車両を販売しています。
レベル3の自動運転車は、特定の条件下で車両がすべての運転操作を自動で行うことができるものです。ただし、想定外の事態が起きた場合には人間が対応しなければならないため、ドライバーは運転席に座り、車両からの指示があった場合には即座に運転できる状況でいなければなりません。
現在自動運転レベル3の車両を販売しているメーカーは3社しかないものの、多くのメーカーが開発を進めており、今後増える可能性は高いといえます。
レベル4相当の機能搭載は商用車のみ
自動運転レベル4は、特定の条件下でシステムが運転タスクを完全に担い、運転を継続できない場合には安全に停車する機能を備えた車両です。理論上は、ドライバーがいなくても走行できます。
現在、レベル4に該当する車両はまだ一般向けには販売されていませんが、自動運転のタクシーやバスなど、商用に限って活用されています。一般向けに販売されるまでには、まだ少し時間がかかるかもしれません。
実用化に近づけるための実証実験や体験会
自動運転車を実用化に近付けるとともに、どのようなものなのか知ってもらうための実証実験や体験会も各地で行われています。どのような実証実験や体験会が行われているのか紹介します。
公共サービスの実証実験
自治体の中には、公共サービスの一環として自動運転車を活用すべく、実証実験を行なっているケースも多くあります。
例えば愛知県では、豊橋駅前など中心市街地を周回する自動運転バスの実証実験を行いました。乗車モニターを募ったところ事前予約が埋まったとのことで、市民の関心の高さもうかがえます。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000637.000025583.html
鳥取県では、鳥取市の中心部で自動運転サービス導入を見据えた実証実験を行いました。この実証実験では、自動運転バスの性能や安全性を確認するだけでなく、親子教室を実施し社会受容性を高めるための取り組みも実施しています。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000311.000027749.html
公共サービスでの実証実験が行われるのは、主に運転手不足の解消のためです。持続可能な公共交通のために、自動運転は非常に期待されている技術だといえるでしょう。
未来のモビリティを体験できるテーマパーク
大阪では、2025年1月から10月の期間限定で、未来のモビリティを体験できるテーマパークがオープンしています。未来の街やモビリティを体験できるアトラクションに加え、EVや自動運転バスの実証実験も行われており、実際に会場内のコースを10分程度走行するバスに乗車可能です。大阪・万博会場でも使われるバスを体験したい方は、足を運んでみるのもよいでしょう。
自動運転を活用した無人移動販売の実証実験
自動運転の技術は、移動販売の業界でも注目されています。
沖縄県のリゾート施設では、自動運転車を活用した無人移動販売の実証実験が行われました。観光客が増加する一方で、多くの宿泊施設では人手不足となっていることを背景に実施された実験で、自動運転車が時間帯ごとに人が多く集まるエリアを移動し軽食やドリンクの無人販売を行います。
今後は、レジャー施設内だけでなく移動コンビニとしてのサービス展開も含めたサービス拡大を検討しているとのことです。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001679.000011650.html
自動運転トラックによる輸送を実施するための実証実験
トラックドライバーも、人手不足が深刻な業種のひとつです。そのため、関東・関西間の高速道路の一部区間では、自動運転トラックによる輸送を実施するための実証実験も行われています。
輸送するのは荷物の配達拠点から拠点までの間で、ドライバーは車両に乗車するものの、緊急時のみの対応で基本はシステムが運転を行います。
自動運転トラックによる輸送が実現すれば、人手不足のみならず安全性や環境への影響の改善にも役立つ可能性があるでしょう。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000110471.html
自動運転に関する消費者の意識
自動運転に関して、消費者はどのように感じているのでしょうか。調査結果からわかることをまとめました。
完全自動運転に期待する人は約5割
株式会社KINTOが実施した「完全自動運転」に関する世代別比較調査をみると、完全自動運転に期待する人の割合は約5割であることがわかります。
出典:PRTimes
世代による差はそれほど大きくなく、どの世代でも半分程度の人が完全自動運転に期待しているといえるでしょう。期待している理由については「自身の移動が楽・便利になるから」という回答が1位でした。
出典:PRTimes
体が不自由になっても移動しやすいこと、移動時間を有効に使えることなどを理由に、完全自動運転に期待している人が多いようです。
不安要因の1位はシステムの誤作動やエラー
一方で、完全自動運転に不安を感じている人も少なくありません。完全自動運転に期待していない理由を見ると、1位は「システムの誤作動やエラーが怖いから」となっていました。
出典:PRTimes
完全自動運転実現のためには、さらに実証実験を重ねて安全性を高める必要があるといえそうです。
今後の自動運転車開発に期待
2025年現在、自動運転レベル2は多くの車両に標準装備されるようになり、さらに自動運転レベル3を搭載した一般向けの車両も登場しています。今後の技術進展が非常に楽しみです。
さらに、商用利用では自動運転レベル4も実証実験が始まっており、今後の人手不足解消も期待されるでしょう。
消費者も半数程度は完全自動運転に期待していることから、今後も次々と新しいサービスや車両が開発されるはずです。