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自動車運行管理ラボ

2026.07.16

カテゴリ:運行管理

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デイサービス送迎の時間調整で困ったら|配車を効率化する考え方

朝の送迎の準備をしていると、利用者ごとにばらばらな希望時間が重なり、どの車をどの順で回すか決めきれないことがあります。ひとりの希望を優先すれば別の方が待たされ、家族からは「もっと早く」「もっと遅く」と要望が届きます。送迎の希望時間の調整は、時間を並べ替えるだけでは片づかず、車両やルート、事業所の稼働時間まで絡む作業です。

とはいえ、何から手をつければ混乱が減るのかが見えにくく、毎朝その場しのぎで対応している方も多いはずです。

この記事では、希望時間の調整が難しい理由から、調整前にそろえておく情報、実際に時間を割り振る手順、そして調整を続けるための仕組みまでをまとめました。朝の配車に追われている方は、明日からの調整の手がかりとして読み進めてみてください。

デイサービス送迎で希望時間の調整が難しい理由

利用者ごとの希望時間がなぜ重なり、朝の配車が回らなくなるのかには、いくつか共通した原因があります。ここでは、デイサービスの送迎で希望時間の調整が難しくなる主な理由を順に見ていきます。

利用者ごとに外せない予定が集中する

デイサービスの利用者には、時間を動かせない予定を抱えた方が少なくありません。通院やリハビリ、透析、家族の出勤時間など、ずらせない事情は人によってさまざまです。特に月曜や連休明けは通院が重なりやすく、外せない予定が午前の同じ時間帯に偏りがちです。そのぶん、希望する送迎時間も一点に集中してしまいます。

全員の希望をそのまま通そうとすると、1台の車で同時に何人も迎えに行く形になり、物理的に回りません。動かせない希望と多少ずらせる希望を最初に見分けておくと、後の調整がぐっと楽になります。まずは利用者ごとの希望を、固定と可動の2つに仕分けてみてください。

送迎ルートと到着順で希望が重なる

送迎は1台の車が順番に自宅を回るため、それぞれの到着時刻は前の利用者の乗車で決まります。ある方の希望を優先して先に迎えに行けば、同じルート上の別の方は後ろにずれて待たされてしまうでしょう。逆に後ろへ回せば、今度は先に回した方の希望から外れます。希望時間だけを見て動かすと、実際の順路と食い違い、組んだ予定が崩れてしまうのです。

到着時刻は1人の希望だけで独立して決まるものではなく、ルート全体の並びの中で連動して動きます。ひとりの時間を15分早めれば、後ろに続く利用者の到着もまとめてずれていくでしょう。希望時間を1件ずつ考えるのではなく、順路のどこに位置するかまで合わせて見てみてください。

家族の生活リズムと事業所の稼働時間がずれる

家族は出勤前に送り出したいと考える一方、事業所は開所時間まで利用者を受け入れられません。この食い違いから、早朝や夕方に送迎の希望が集中しても応じきれない場面が生まれます。共働きの家庭では特に朝の時間が限られ、8時前の迎えを求められることも珍しくないでしょう。送迎担当だけでは解決できず、事業所全体の稼働時間の前提が関わってきます。

職員体制や開所時間という制約は、その日の工夫だけで動かせるものではありません。無理に早い時間を受ければ、到着後に利用者を見る職員が足りなくなる恐れもあります。応じられない希望については、理由を添えて家族へ説明し、折り合える時間を一緒に探しておきましょう。

ドライバーと相談員で情報が分かれている

希望時間を家族から聞き取るのは相談員、実際に車を走らせるのはドライバーと、情報の持ち主が分かれています。口頭やメモだけで引き継ぐと、変更が伝わらないまま当日にすれ違いかねません。相談員が受けた「今日は30分遅く」という連絡が、ドライバーまで届かないことも起こりがちです。誰がどの希望を把握しているかがあいまいだと、二重連絡や連絡漏れも生じやすくなります。

情報が2か所に分かれたままでは、調整の前提となる希望そのものがずれてしまいます。片方だけが最新の希望を知っている状態は、当日の混乱の火種になりかねません。希望時間を1か所に集め、相談員とドライバーが同じものを見られる状態にしておいてください。

希望時間を調整する前の情報整理

希望時間の調整にいきなり取りかかる前に、判断の材料となる情報をそろえておくと、後からの組み直しを防げます。ここでは、調整を始める前にそろえておきたい情報を順に挙げます。

利用者ごとの希望時間を一覧に書き出す

頭の中や個別のメモに散らばった希望時間は、利用者ごとに1つの表へ書き出すところから始めます。このとき、希望時間だけでなく、その希望が固定なのか多少動かせるのかも並べて記録しておきましょう。あわせて家族の連絡先や送り迎えの担当者も書き添えておくと、後で確認する手間が省けます。文字にすると、同じ時間帯に希望が集中している箇所がひと目で分かります。

記憶に頼ったままでは、重なりの全体像がつかめず、調整の抜けも生まれがちです。表があれば、新しく増えた利用者の希望もその場で書き足していけます。まずは現状の希望をすべて書き出し、どこで希望が競合しているかを見えるようにしておきましょう。

送迎で外せない固定予定を確認する

次に、時間を動かせない固定予定を利用者ごとに確認します。固定予定は毎週あるとは限らず、曜日や隔週で変わることも珍しくありません。診察の予約が2週間おきといったケースでは、その週だけ別の送迎時間を組む必要が出てきます。動かせない予定を先に確定させておくと、残りの希望を動かせる範囲が見えてくるはずです。

固定予定に抜けがあると、割り振ったあとで予定が割り込み、順路の組み直しに追われてしまいます。あとから発覚するほど影響は広がり、他の利用者の時間まで動かすことになりかねません。家族やケアマネジャーと連絡を取り、外せない予定の取りこぼしがないか確かめておいてください。

車両ごとに乗せられる人数を確認する

送迎に使う車両ごとの定員と、車いすの方が乗れる枠を確認します。定員を超える希望が同じ便に集まると、そもそも同じ時間には送りきれません。車いすの利用者が増えれば、通常の座席に座れる人数はその分だけ減ってしまいます。あわせて、何台の車を同時に動かせるか、ドライバーの人数も把握しておきましょう。

車両と人員の上限を先に押さえておかないと、紙の上では組めても現場で回らない予定になりがちです。1台しか動かせない時間帯に4人の希望が重なれば、どこかで必ず時間をずらしてもらうことになるでしょう。使える車と人の枠を確定させ、その範囲の中で希望を割り振る前提を作っておきましょう。

地域ごとの移動にかかる時間を把握する

利用者の自宅を地域ごとにまとめ、事業所までの移動時間を実際の走行にもとづいて押さえます。移動時間が分かれば、1便で何人まで無理なく回れるかを見積もれます。同じ距離でも、朝の通勤帯は普段の1.5倍ほどかかることも珍しくありません。渋滞しやすい時間帯や通りにくい道も記録しておくと、到着時刻を正確に見込めます。

見込みだけで組むと、実際には間に合わず希望時間を守れないことが起こります。数分の遅れでも、後ろに続く利用者の到着が次々とずれていくものです。実測した走行時間をもとに、その希望時間が地理的に成り立つかを判断してみてください。

希望時間の調整を進める手順

情報がそろったら、いよいよ希望時間を1人ずつ割り振っていきます。ここでは、希望時間の調整を実際に進める手順を、進める順番にそって説明します。

固定予定のある利用者から時間を割り振る

調整はまず、動かせない予定を持つ利用者の配置から始めます。固定の利用者を先に置くと、動かせる希望をあとからはめ込む余地がはっきりします。空いた時間帯が見えれば、可動の利用者をどこへ入れるかも決めやすくなるでしょう。逆に固定予定を後回しにすると、組んだ順路に予定が割り込み、最初から組み直すことになります。

動かせない希望を先に決めておけば、そこを基準に残りの希望を無理なく配置できるでしょう。固定の利用者が順路の起点になり、近い方から順につないでいく形も作れます。最初に固定の利用者を確定させてから、可動の希望を組み込んでいきましょう。

近い地域をまとめて送迎ルートを組む

次に、自宅が近い利用者を同じ便にまとめ、移動距離が短くなる順路を作ります。地域をまたいで行き来する順路は移動時間が伸び、決めた希望時間を守りにくくなるでしょう。町の端から端へ戻るような回り方は、それだけで10分も20分も余計にかかってしまいます。近い方を続けて回れば、1便あたりに乗せられる人数も増やせるでしょう。

まとまりのない順路は、車両の数や便数を無駄に増やしてしまいます。同じ地域を2回に分けて回るより、1回でまとめたほうが車も人も少なく済みます。地図を見ながら地域ごとに利用者をグループ分けし、往復の少ない順路に組み直してみてください。

希望が重なる利用者に候補時間を複数示す

同じ時間帯に希望が集中したときは、家族へ候補となる時間を複数示します。「この時間しかありません」と一択で伝えるより、選べる余地があるほうが折り合いをつけやすくなります。「9時前後か、9時半ごろのどちらか」といった形なら、家族も予定に合わせて選べるはずです。前後15分ほどの幅で候補を出すと、順路を崩さずに調整できる余地が生まれます。

候補を示さずに一方的な時間を伝えると、家族の納得を得にくく、再調整が増えてしまいます。後から「やはり難しい」と言われると、順路全体を組み直すことになりかねません。希望が競合する利用者には、早めに候補を出して返事をもらっておきましょう。

調整できない希望は代替案を家族に相談する

どうしても希望どおりに送れない場合は、理由を添えて別の案を家族へ相談します。送迎の順路や車両の都合を具体的に伝えると、家族も事情を受け止めやすくなるものです。「この時間はほかの利用者の通院と重なっている」と伝えれば、無理な要望とは受け取られません。別の曜日への振り替えや、家族による送りとの併用など、送迎以外の選択肢も一緒に並べてみましょう。

事情を伝えずに断るだけでは、家族の不満が残り、関係もこじれてしまいます。代わりの案があれば、断られた印象が薄まり、話し合いも前に進みます。一方的に断らず、代わりにできることを示したうえで合意を取っておいてください。

決まった時間を関係者全員に共有する

割り振りが固まったら、確定した送迎時間をドライバー・相談員・家族の全員が同じ形で見られるようにします。口頭だけの共有は聞き漏らしが起きやすいため、書いた形で残しておきましょう。時間表を1枚にまとめて渡せば、誰もが同じ順番と時刻を確認できます。あわせて、変更が出たときに誰へ連絡するかも先に決めておくと安心です。

共有があいまいなままだと、せっかく調整した時間も当日に食い違ってしまいます。ドライバーが古い時間で動けば、家族を玄関先で待たせることにもなりかねません。決まった時間表を関係者へ配り、当日のすれ違いが起きない状態にしておきましょう。

希望時間の調整を続けるための仕組み

一度うまく調整できても、利用者の予定や体調は変わるため、放っておくと希望のずれが積もっていきます。ここでは、希望時間の調整を毎回ゼロからやり直さずに続けるための仕組みを説明します。

希望時間の変更ルールをあらかじめ決めておく

変更を受け付ける締め切りや連絡先は、あらかじめルールとして決めておきます。ルールがないと、当日の直前変更が積み重なり、組んだ順路が毎回崩れてしまいます。前日の夕方までに連絡をもらう形にすれば、翌朝の順路を落ち着いて組めるはずです。何日前までに、誰に、どの方法で伝えるかを家族にも共有しておきましょう。

受け方が決まっていないと、そのつど個別に対応することになり、手間が増え続けます。基準があれば、急な依頼にも同じ手順で応じられ、担当者による差も出ません。変更の受け方を先にルールとして決め、その場しのぎの対応を減らしておきましょう。

送迎表を一元管理して最新の状態を保つ

送迎表は1か所で管理し、変更があればその表だけを更新します。複数のメモや個人の記憶に分かれていると、古い情報のまま送ってしまう恐れがあります。紙とスマートフォンの両方に控えがあると、どちらが最新か分からず、古いほうを見て動いてしまいがちです。誰が見ても最新と分かる場所に置き、更新する担当も決めておきましょう。

情報が最新でないと、確定したはずの時間と実際の送迎が食い違ってしまいます。更新の担当を1人に絞れば、書き換えの重複や抜けも起きにくくなります。送迎表を常に最新に保ち、全員が同じ情報を見られる状態を続けてください。

定期的に希望時間を見直す機会をつくる

月に一度など間隔を決めて、希望時間にずれや無理が出ていないかを見直します。利用者の通院や体調で希望は変わるため、一度組んだ時間をそのまま使い続けることはできません。新しい利用者が増えれば、既存の順路にも入れ直しが必要になるでしょう。見直しの場でドライバーが気づいた点も拾うと、現場に合った順路へ近づけていけます。

見直す機会がないと、小さなずれが積み重なって、いつの間にか回らない状態へ戻りかねません。決まった日を作っておけば、問題が大きくなる前に手を打てます。定期的な見直しを予定に組み込み、調整を続けられる仕組みとして回していきましょう。

デイサービスの希望時間調整は事前の準備と仕組みで楽になる

デイサービスの送迎で希望時間の調整が難しいのは、外せない予定の集中や順路との兼ね合い、家族と事業所の時間の食い違い、そして相談員とドライバーの情報の分断が重なるためです。調整に取りかかる前に、利用者ごとの希望と固定予定、車両の定員、地域ごとの移動時間をそろえておくと、判断がぶれません。

実際の割り振りは、動かせない予定のある利用者から順に置き、近い地域をまとめて順路を組み、希望が重なる方には候補を複数示していきます。決まった時間は関係者全員で共有し、変更ルールと送迎表の一元管理、定期的な見直しで続けられる形にしておきましょう。まずは利用者ごとの希望時間を1枚の表に書き出すところから始めてみてください。

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