2023.02.11
カテゴリ:運行管理
タグ:ノウハウ
安全運転管理者とは?運行管理者との違いや資格要件・業務内容を解説道路交通法施行規則により、規定の台数以上の車を所有する事業者は、安全運転管理者を配置しなければなりません。配置されていない場合、50万円以下の罰金が科せられます。
しかし「どんな人が安全運転管理者になれるの?」「安全運転管理者はどんな仕事をするの?」と悩まれるご担当者様も多くいます。
そこで今回は、安全運転管理者について解説します。安全運転管理者の資格要件や業務内容についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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安全運転管理者とは
安全運転管理者とは、自動車を所有する事業者が、拠点ごとに責任者を選任することで、道路交通法令の遵守や交通違反の防止を図るために定められた制度です。送迎代行業や運輸業など特定の業種だけでなく、一定台数以上の自動車を所有しているすべての事業者は、使用している車の台数に応じて安全運転管理者等を配置しなければなりません。
道路交通法施行規則では、次のような場合は安全運転管理者等の配置が定められています。
安全運転管理者 |
・11人以上の自動車の場合を1台所有している ・その他の自動車を5台以上所有している 上記のいずれかに該当する場合1名の配置が必要 |
副安全運転管理者 |
・20台以上の車両を所有する場合に1名の配置が必要 ・以降、20台ごとに1名追加で配置が必要 |
自動二輪車を所有している場合には、0.5台としてカウントされます。ただし、50cc以下の原動機付き自転車は含みません。
1つの法人で複数の事業所を持っている場合には、事業所ごとに安全運転管理者等の選任と届出が必要です。また、事業所が同じ住所であっても使用者が異なる場合には別々に選任と届出を行わなければなりません。
県警や警視庁のWebページでは事業所が「所有」する車と解説されていますが、自動車の台数のカウントには、従業員の持ち込み車両やリース車両など全ての自動車が含まれますので注意してください。安全運転管理者の配置が必要かどうかあいまいな場合には、必ず県警や警視庁に問い合わせて確認しておきましょう。
よく似た「運行管理者」との違いは?
運行管理者と安全運転管理者は、どちらも法律に基づいて安全管理を行う役割を担います。もっとも大きな違いは、運行管理者が業務用車両の「緑ナンバー」を管理するのに対して、安全運転管理者は乗用車である「白ナンバー」を管理する点です。
例えば、運送業や大型バスの運行などを行う事業所では、運行管理者が必要です。運行管理者は「貨物」と「旅客」の2種類に分かれており、貨物の場合は営業所ごとに運行管理者を配置しなければなりません。また、営業所の車両が29台以下の場合、必要な運行管理業務者は1人ですが、車両が30台追加されるごとに運行管理者を1人ずつ選任する必要があります。
運行管理者を選任している事業所の場合、必ずしも安全運転管理者を選任する必要はありません。
安全運転管理者の資格要件
安全運転管理者等になるためには、次のような資格要件が定められています。
安全運転管理者 |
副安全運転管理者 |
・20歳以上(副安全運転管理者が必要な事業所の場合は30歳以上) |
・20歳以上 |
<欠格事項> 上記の要件に該当していても、次のような人は安全運転管理者等にはなれません。 ・事務所に常勤していない人 |
欠格事項に該当する「特定の違反」は、県警・警視庁のWebページなどで確認できます。以下に、一部を例として紹介します。
- 交通事故の救護措置義務違反
- 酒酔い・酒気帯び運転またはその下命容認行為
- 過労運転の下命容認行為
- 放置駐車違反の下命容認行為
- 自動車の使用制限命令違反
安全運転管理者の業務内容
安全運転管理者の業務内容としては、大きく「運転者の管理」と「運行業務の管理」の2種類に分けられます。それぞれ、具体的に次のような業務を行います。
運転者の管理 |
・安全運転の指示 ・交通安全教育 ・運転者の状況把握 ・運転者の適正などの把握 |
運行業務の管理 |
・運転日誌の記録 ・運行計画の作成 ・交代要員の配置 ・異常気象時等の安全確保の措置 |
安全運転管理者は、安全運転教育を行うとともに、点呼などで毎日運転者の状況を確認し、飲酒や過労など正常な運転ができない状態に陥っていないか確認しなければなりません。また、法令を遵守して業務を遂行できるような、運行計画の作成や交代要員の配置も安全運転管理者の仕事です。令和4年の4月と10月には、上記に加えそれぞれ次のような業務が義務化されます。
令和4年4月1日から義務化 |
運転前後の運転者の状態を目視で確認し、運転者の酒気帯びの有無を確認すること 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること |
令和4年10月1日から義務化 |
運転者の酒気帯びの有無の確認を、アルコール検知器を用いて行うこと アルコール検知器を常時有効に保持すること |
安全運転管理者などの届出方法
安全運転管理者の選任・解任の際や、届出事項に変更がある場合には、自動車を使用する事業所を管轄する警察署へ所定の日数以内に事業主や所属長など、使用者責任を負う人による届出が必要です。自治体によって手続きの詳細は異なりますが、ここでは愛知県の例を紹介します。
届出書類
届出の際に必要な書類は次の通りです。
書類の種類 |
必要な数 |
備考 |
安全運転管理者等に関する届出書 |
2部(1部コピー可) |
|
履歴書 |
1部 |
|
自動車の運転管理経歴書 |
1部 |
副安全運転管理者で、運転管理経歴を有しない場合は不要 |
運転記録証明書 |
1部 |
運転免許を保有していれば提出が必要 過去3年間または5年間 |
戸籍抄本、住民票の写し又は運転免許証の写し |
いずれか1部 |
運転免許証の写しは裏面記載の有無にかかわらず両面提出が必要 白黒可 |
運転記録証明書を取得するためには、自動車安全運転センターへの申し込みが必要です。申請から発行まで1〜2週間程度かかる場合もあるため、事前に取得を済ませておきましょう。
届出先
届出先は、事業所の所在地を管轄する警察署の交通課窓口です。選任した日から15日以内に届出を行ってください。受付時間は平日午前8時45分から午後5時30分までです。
安全運転管理者等に選任される本人でなくても届出はできますが、郵送での届出は受け付けていないため注意してください。
安全運転管理者等に対する講習
安全運転管理者や副安全運転管理者は、年に1回公安委員会が行う法定の講習を受けなければなりません。講習では、次のような内容を学びます。
- 道路交通に関する知識
- 自動車の安全な運転に必要な知識
- 運転者に対する安全運転に必要な知識や技能
- 最新の道路交通法や交通事故情勢
法定講習を受けなければ、安全運転管理者等として業務を続けることはできませんので必ず受講しましょう。講習の通知は、講習が行われる約1〜2ヶ月前に届きます。指定された日に受講できない場合には別の日に受講することも可能なので、通知書で対応を確認するか、管轄の警察署に問い合わせてください。
法定講習の受講費は、安全運転管理者は4,500円、副安全運転管理者は3,000円です。受講費の支払い方法は自治体によって異なるため、通知書を確認してください。
事業車の使用には安全運転管理者等が必要
事業に車を使う場合、台数に応じて安全運転管理者や副安全運転管理者を配置する必要があります。安全運転管理者の業務は主に運転者の管理と運行業務の管理です。安全運転管理者になるためには資格要件を満たしている必要があり、年に1回は講習を受けなければなりません。
手続きの詳細は自治体ごとに異なるので、県警・警視庁のWebページを確認してください。
参考:安全運転管理者等の届出手続き|愛知県警察
安全運転管理者等法定講習|警視庁
送迎バスに手が回らず、「なんとなく」で運用してしまっている方へ
「他の業務に追われ、属人的に運用している」
「長年外注しているが、契約内容を見直したい」
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