2024.10.09
カテゴリ：自動車運行管理DX
ドライブレコーダーを導入したのに事故が減らない理由は？効果的な活用法も解説
ドライブレコーダーを導入したにも関わらず、事故が減らないと感じている企業は少なくありません。ドライブレコーダーの設置は事故防止を目的として行われることが一般的ですが、期待通りの効果を得られず、悩んでいる経営者や管理者も多いでしょう。
この記事では、ドライブレコーダーを効果的に活用し、事故リスクを減らすための具体的な方法について説明します。
この記事を読み終えた後には、ドライブレコーダーを活用して事故を未然に防ぐための具体的なステップが明確になり、企業全体の安全運転管理に大きく貢献できるでしょう。ドライブレコーダーを活用した安全運転の取り組みを始め、事故のリスクを減らしましょう。
公共交通機関のドライブレコーダー普及率は90%
事故防止のためにドライブレコーダーを導入する企業は増加傾向にあります。
国土交通省が発表した「事業者向けドライブレコーダー等の情報活用」の調査によると、事業用車両へのドライブレコーダーの導入率は年々高まっており、令和2年には乗合バス、貸切バス、タクシーの導入率はいずれも約90%です。
出典：事業者向けドライブレコーダー等の情報活用｜財務省
一方で、ドライブレコーダーを導入したにも関わらず、事故を減らせていない企業も少なくありません。ドライブレコーダーの設置だけでは十分な効果が得られず、事故を防ぐには適切な活用が不可欠です。事故を減らすためには、事故防止に向けた継続的な取り組みが重要です。
ドライブレコーダーを導入しても事故が減らない理由
ドライブレコーダーを導入しても事故が減らない理由としては、次のようなことが考えられます。それぞれ、詳しく解説します。
- 事故発生後にのみドライブレコーダーの映像を確認している
- Gセンサーの感度や設定に不備がある
- ドライバーの安全意識が欠如している
- ドライバーが警報に慣れてしまう
- ドライバーへのフィードバックができていない
事故発生後にのみドライブレコーダーの映像を確認している
多くの企業では、ドライブレコーダーを主に事故後の処理にのみ利用しているケースが一般的です。
ドライブレコーダーは事故の瞬間を記録し、事後の検証や証拠として非常に役立ちます。しかし、それだけでは事故を未然に防ぐ効果は期待できません。日常の運転習慣の改善や危険運転の早期発見には活用されていないため、事故の減少にはつながらないのです。
日常的に運転データを活用しなければ、運転者の行動改善は進まず、同じミスが繰り返されてしまうでしょう。
事故を未然に防ぐための積極的な活用がされていないことが、ドライブレコーダーを導入したにも関わらず事故が減らない理由の一つです。
Gセンサーの感度や設定に不備がある
Gセンサーの感度や設定が不適切だと、重要な事故の瞬間を記録できない可能性があります。
Gセンサーとは、車両への衝撃を検知する機能です。Gセンサーが作動することにより、事故の状況を記録します。
Gセンサーの感度が低い場合、小規模な事故や軽い接触が記録されないことがあります。ドライブレコーダーに事故が記録されていないと、原因の特定が困難になってしまう場合もあるでしょう。
小規模な事故の原因が特定されないと、繰り返し同じ原因での事故が発生する可能性があります。すべての事故を確実に記録し、原因を特定することで、再発防止に役立ちます。
ドライバーの安全意識が欠如している
ドライブレコーダーを導入しても、ドライバーの安全意識が低い場合、事故削減の効果は十分に得られないことがあります。
ドライブレコーダーを設置しただけでは、自動的に安全運転への意識が高まるわけではありません。ドライバー自身が常に危険を回避し安全運転を心がけなければ、事故のリスクを提言するのは難しいのです。
事故を減らすためには、ドライブレコーダーを活用するだけでなく、ドライバーの安全意識を高めるための教育やトレーニングも必要です。
ドライバーが警報に慣れてしまう
AI搭載のドライブレコーダーには、危険運転を検知して警報を発する機能があります。しかし、ドライバーが警報に慣れてしまうと、反応が鈍くなり警報機能の効果が薄れてしまうのです。
その結果、危険運転が続きやすくなり、事故を未然に防ぐ効果が期待できなくなってしまいます。
警報機能だけに頼らず、運転指導や運転習慣の改善を併用することで、警報の効果を最大限に引き出すことができます。
ドライバーへのフィードバックができていない
事故を防ぐためには、ドライバーが自分の運転を客観的に見直し改善点を把握する必要があります。ドライブレコーダーの映像を確認し、適切なフィードバックを行うことで日常の運転習慣に反映できるでしょう。
しかし、ドライブレコーダーの映像を確認しフィードバックを行わないと、運転行動の改善が進まず結果的に事故が減らないことがあります。
事故削減には、継続的なフィードバックと運転指導が欠かせません。
ドライブレコーダーを活用して事故を減らすための対策
ドライブレコーダーを効果的に活用し、事故を防ぐためには、次のような対策を実施しましょう。それぞれ、詳しく解説します。
- ヒヤリハット事案を活用する
- AI機能を活用して危険運転を即時に警告する
- 定期的な映像確認とフィードバックを行う
- ドライブレコーダーの映像をもとに安全指導を行う
- ドライブレコーダーの適切な設定とメンテナンスを行う
ヒヤリハット事案を活用する
ヒヤリハット事案を活用することは、事故防止に非常に効果的です。ヒヤリハットとは、実際に事故には至らなかったものの、危険を感じた瞬間を指します。これらの事例を分析し、ドライバーにフィードバックを行うことで、同じような状況での事故を未然に防ぐことができるのです。
例えば、急ブレーキや急ハンドルをドライブレコーダーで確認し、その原因や背景を振り返ることで、ドライバーは運転習慣を見直し改善できます。これにより、安全な運転技術が身につき、事故リスクが低減されます。ヒヤリハットデータを活用した日常的な指導により、事故リスクの大幅な削減が可能です。
AI機能を活用して危険運転を即時に警告する
AI機能を活用したリアルタイム警告は、事故を未然に防ぐ効果的な手段です。
AI搭載のドライブレコーダーは、車間距離が短い場合や衝突リスクが高まった際にドライバーに警告を発します。そのため、ドライバーは危険を早期に認識し、素早く対応することが可能になります。
例えば、高速道路で追突のリスクが生じた際、AIが自動的に警告を発しドライバーがブレーキをかければ、事故を回避できるでしょう。AI機能を活用したリアルタイム警告システムは、ドライブレコーダーの事故防止機能を強化する重要な要素です。
定期的な映像確認とフィードバックを行う
定期的に映像を確認しドライバーにフィードバックを提供することで、安全運転の意識を向上させ、事故を防ぐことができます。
映像を通じてフィードバックを行うことで、ドライバーは自身の運転を客観的に見直すことができます。これにより、危険な運転習慣を早期に発見し、修正することが可能です。
例えば、定期的にドライブレコーダーの映像を確認し、急ブレーキや急加速の場面をドライバーに指摘すれば、運転意識が改革され事故率の低下に繋げられるでしょう。定期的な映像確認とフィードバックは、安全運転意識の向上や事故防止において欠かせない重要な手段となります。
ドライブレコーダーの映像をもとに安全指導を行う
本人へのフィードバックだけでなく、社内の安全運転指導にも効果を発揮します。
映像を用いた指導は、実際の運転状況を評価できるため、具体的で実践的な指導が可能です。座学だけの指導ではなく映像を活用することで、ドライバーの行動改善に直接結びつく効果があります。
実際の映像を使用することでより具体的に注意すべき点を具体的に認識でき、事故を防ぐことに役立ちます。
ドライブレコーダーの適切な設定とメンテナンスを行う
Gセンサーの感度設定や録画機能の管理が不適切だと、重要な映像が記録されない場合や古いデータが上書きされる可能性があります。これらのトラブルを防ぐためには、ドライブレコーダーの適切な設定とメンテナンスが重要です。
事故や危険運転時の録画が残っていないと、原因を追求できず同様の事故や危険運転を繰り返してしまう可能性があります。
ドライブレコーダーの設定とメンテナンスをしっかりと行うことで、事故発生時や危険運転時の映像が確実に記録され、事故を未然に防ぐために大いに役立ちます。
ドライブレコーダーを日常的に活用しよう
ドライブレコーダーを導入しているにもかかわらず、事故を減らせていない企業も多くあります。
事故が減らない大きな原因の一つは、事故後にしかドライブレコーダーを活用していないことです。危険運転に対する指導を行うなど、事前の予防策として利用することで、事故のリスクを軽減することができます。
この記事を参考に、事故削減に向けたドライブレコーダーの効果的な使い方について考えてみてください。
