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自動車運行管理ラボ

2026.09.24

カテゴリ:セミナー

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自動運転の現状2026|レベルの違いと実用化の見通しを解説

無人のバスやタクシーが走り始めたという報道が増えています。しかし報道だけを追っていると、いま実際に何台の自動運転車が、どこを、どのくらいの速度で走っているのかまでは分かりにくいものです。実際の台数と走行区間は、公的な資料の数字で確かめられます。

この記事では、自動運転レベル1からレベル4までの違い、2026年時点で走っている車両の台数と走行の中身、2030年度までに政府が掲げた目標をまとめました。自動運転がいまどの段階にあるのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

自動運転レベルの区分と2026年に到達している段階

自動運転は、運転者がどこまで関わるかで段階が分かれています。ここでは、レベル1からレベル4までの違いと、2026年時点でどの段階が実際に走っているのかを順に見ていきます。

レベル1とレベル2では運転者が周辺を監視し続ける

市販車に搭載されている運転支援の大半は、レベル1とレベル2のどちらかにあたります。レベル1は、加速・減速かハンドル操作のどちらか一方だけを支援する段階で、車間距離を自動で保つ機能や自動ブレーキがあてはまります。加速・減速とハンドル操作の両方を支援し、運転者が周りを見ている状態で自動的に車線を変更する操作まで行うのがレベル2です。

国土交通省の「自動運転の社会実現に向けた国土交通省の取組について」では、レベル1とレベル2はいずれも運転者が周辺を監視する段階だと示されています。ハンドルから手が離れる場面があっても、安全を確かめる役目は運転者に残ります。この2段階では、運転できる人が運転席に座っている必要があります。いま乗っている車の支援機能がどこまでを担うのか、取扱説明書で一度確かめておきましょう。

レベル3は一定の条件下で運転者が運転を任せられる

レベル3は、決められた条件を満たしているあいだ運転者が運転を任せられ、条件から外れたときは運転者が安全を確保する段階です。条件は車両ごとに決められており、時速50キロ以下、晴天、高速道路上といった形で限定されます。条件を満たしているあいだは、運転者が画面を見たり携帯電話を使ったりすることも可能です。

ただし運転者は、条件から外れた瞬間に運転を引き受けなければなりません。国土交通省の「自動運転の社会実現に向けた国土交通省の取組について」でも、レベル3は条件外ではドライバーが安全を確保する段階として整理されています。運転の負担は軽くなりますが、レベル2までと同じく、レベル3の車でも運転できる人が運転席に座ったままになります。レベル3の車を検討するのであれば、システムが運転を担える道路と速度の条件を先に確かめましょう。

レベル4は条件を満たす範囲で運転者のいない運行ができる

レベル3とレベル4では、条件から外れたときに安全を確保する方法が異なります。レベル4では、車両の側が安全を確保します。運転者が最後に運転を引き取る役目を負わないため、運転席に人がいない状態での走行が可能です。国土交通省の「自動運転の社会実現に向けた国土交通省の取組について」でも、レベル4で実現できることとして無人運転が挙げられています。

事業者は、決められた区間を決められた速度で走る路線バスや小型の車両で、レベル4の運行を始めています。走れるのは条件を満たす範囲に限られるので、いつでもどこでも無人で走れるレベル5とは分けて考えなければなりません。人手不足の解決策として自動運転が挙がるとき、対象になるのはレベル4以上の段階です。報道で自動運転と聞いたときは、どのレベルの話なのかを先に確かめましょう。

2026年時点で走っている自動運転車の台数と走行の中身

自動運転がどこまで実装されているかは、走っている台数と走行区間の数字で分かります。ここでは、実際に何台がどこを走っているのかを順に紹介します。

全国の自動運転サービス車両は2025年度時点で11台にとどまる

全国で走っている自動運転サービス車両は、令和7年度(2025年度)時点で11台です。2026年1月16日に閣議決定された第3次交通政策基本計画が、自動運転サービス車両数を政策の指標に掲げています。自動運転サービス車両としてカウントされているのは、全国のバスやタクシーなどの公共交通と、幹線輸送のトラック車両です。

レベル4が制度上走れるようになった2023年から2年以上たっても、全国の合計は11台にとどまります。この数字から、2026年の自動運転が走り始めの段階にあると分かります。自社や地域の路線で自動運転を検討するのであれば、全国で11台という規模を前提に時期を見積もりましょう。

一般道を走るレベル4のバスは700メートルの区間を時速40キロで走る

2026年1月13日、経済産業省と国土交通省が一般道における中型バスでのレベル4自動運転による運行を開始したと発表しました。走るのは国産の中型バスで、区間は千葉県柏市の柏の葉キャンパス駅から東京大学柏キャンパスまでの一部です。走行距離は700メートル、最高速度は時速40キロで、運転席には乗務員が乗ります。レベル4で不要になるのは、条件から外れたときに運転を引き取る運転者です。この運行のように、係員が乗る場合もあります。

警察庁の「特定自動運行に係る許可制度の創設について」では、運行を見守る責任者を置いて遠隔から監視すると示されており、その責任者が車両に乗っている場合は、遠隔からの監視に代えられます。

首都圏の一般公道でレベル4の定期バスが走るのは、柏市の運行が初めてです。1日に数十キロを走る一般の路線バスと比べると、運行区間も速度も限られていますが、今後の運行拡大が期待できるでしょう。

レベル4の導入に使える国の補助は地方公共団体が対象になる

レベル4の移動サービスを始めるとき、初期投資の一部は国の自動運転社会実装推進事業から補助を受けられます。国土交通省の「自動運転の社会実現に向けた国土交通省の取組について」によると、令和7年度に補助を受けられるのは都道府県と市町村に限られます。補助率は5分の4で、採択されたのは67事業です。補助の対象になるのは、決まった時刻と路線で走る移動サービス、専用の道路を使う運行、予約制の運行などです。

補助を受けられるのが地方公共団体に限られるため、民間企業が自社の車両を自動運転へ切り替える費用は、この事業の対象外です。民間企業がレベル4の導入を考えるのであれば、自治体との協議から入るのか自社で費用を持つのかを先に決めておきましょう。

2030年度までに政府が掲げた目標と実用化の見通し

政府は、自動運転の普及について年限を区切った目標を数字で示しています。ここでは、2027年度と2030年度に何が予定されているのかを順に見ていきます。

政府は自動運転サービス車両を2030年度に1万台へ増やす目標を掲げた

政府は、自動運転サービス車両を令和12年度(2030年度)に10,000台へ増やす目標を示しています。第3次交通政策基本計画が、この台数を指標として掲げました。出発点が令和7年度の11台であるため、5年で台数を大きく増やす計画です。目標に向けた施策には、地域の足を確保するための自動運転社会実装推進事業の支援拡充が挙がっています。

計画では、輸送力の大きい自動運転大型バスや、広い範囲でサービスを提供できる自動運転タクシーへの支援を重点化する方針です。一人が複数の車両を担当する運行への支援も、同じ方針に含まれます。自治体や事業者として支援を受けたいのであれば、重点が置かれた大型バスとタクシーから検討しましょう。

政府は無人のバスやタクシーの事業化を2027年度に見込んでいる

無人のバスやタクシーが事業として走り始める時期は、2027年度が目安として設定されています。第3次交通政策基本計画では、2027年度に見込まれる自動運転タクシーや自動運転トラックの実用化を見据え、実証実験から事業としての運行へ移ることを促すとも示されました。国土交通省の「自動運転の社会実現に向けた国土交通省の取組について」でも、大型バスの無人運転、無人タクシーのサービス開始、無人トラックの事業化が、いずれも2027年度の予定として示されています。

国は、一人が複数の車両を遠隔監視する運行を見据えて、運行管理の要件を明確にする作業や、管理の受委託をどこまで認めるかの検討を進めています。バスとタクシーとトラックの3つが同じ年度に置かれているため、事業化の動きを確かめる時期として2027年度を押さえておきましょう。

自家用車では2027年度中にレベル2++の車が市販される予定

自家用車では、走る地域や経路を限定せず、技術を段階的に高度化する進め方がとられています。次の段階はレベル2++で、運転者の関与をほぼ必要としない高度な運転支援です。運転者が操作する場面はごくわずかになりますが、周辺を監視する役目は運転者に残るため、運転席には人が座り続けます。

国土交通省が規制改革推進会議へ提出した「自動運転の推進に関する取組状況」には、将来のレベル4車につながる国産のレベル2++車が2027年度中に市販化される予定だと明記されています。次に買い替える車がどの段階の運転支援を積んでいるかは、カタログで確かめておきましょう。

2026年の自動運転は公共交通で始まった段階にある

2026年の自動運転は、地域の移動サービスから実用化が始まった段階にあります。全国の自動運転サービス車両は2025年度時点で11台、一般道を走るレベル4のバスは700メートルの区間を時速40キロで走っています。市販車の中心は、運転者が周辺を監視し続けるレベル1とレベル2にとどまっているのが現状です。運転席を空にできるレベル4が走れるのは、決められた区間を決められた速度で進む運行だけです。

政府は2030年度に自動運転サービス車両を1万台へ増やす目標を掲げ、無人の大型バスとタクシーとトラックの事業化を2027年度に見込んでいます。自家用車でも、2027年度中にレベル2++の車が市販される予定です。2027年度と2030年度の2つの年度を覚えておけば、新しい発表が政府の目標のどの段階にあたるのかを判断できます。次に自動運転の話題を見かけたときは、どのレベルの車が、どの区間を、何台走っているのかまで確かめてみてください。

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